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[コラム] ツイッター140文字の衝撃(後編)

 前回のコラムではツイッター140文字の衝撃(前編)をお届けしましたが、その後多くの読者のみなさんからフォローいただきありがとうございました。


 さて今回の後編では、ツイッターの本質的な部分について「ここがスゴイ!」と思っていることについてお話してみたいと思います。

 前回、メディアジャーナリストの津田大介さんが著書ツイッター社会論」の中であげている「リアルタイム性」「伝播力が強い」「オープン性」「独特のゆるい空気感」「使い方の自由度が高い」「属人性が強い」という6つの特徴について、私なりの見方を書きました。そして、予告として後編では私が今までコラムで取り上げてきた諸問題の解決に、ツイッターが役立つかもしれないという観点で取り上げてみたいと書きました。そのあたりを、いくつか見ていくことにします。

【課題1】ネット社会における情報の偏食化にどう対応すべきか

 まず最初に取り上げたいのがこの課題です。このコラムの第一回で話題にした「知の栄養バランス」という話を覚えていらっしゃいますか。三色情報群という仮説で説明したものです。
 
 たしかにインターネットは便利なのですが、情報を「検索」という行為によってふるいにかけたり、特定分野の情報だけをRSSフィードで追いかけたり、さらに興味分野のコミュニティで「同類」と集うといった行動や、ランキングによって読む本や見る映画、聞く音楽などを決めたりという行為が、明らかに情報の偏食化をもたらし、知の栄養バランスをくずして情報メタボになってしまうという現代病?につながっています。

 この課題の解決にツイッターが役に立つのではないかという仮説を私は持っています。ツイッターが今までのネットツールと決定的に違うのは、コトやモノを追いかけるのではなく、ヒトを追う(フォローする)という点だと思うのです。それもリアルタイムにです。ツイッターで誰かをフォローするきっかけはそれぞれ違うかもしれません。友人がフォローしているからとか、偶々面白いつぶやきを見つけたからとか、逆に相手にフォローされたからとか、いろいろあるでしょう。しかし、いずれにしてもフォローするのはヒトであって、コトやモノではないということに変わりありません。そこが重要なのです。

 ツイッターで生身のヒトをフォローするということで、ITジャーナリストの佐々木俊尚さんが「インフォコモンズ」の中で書かれていたような、ロボットではない生きたエージェントを手に入れることができます。既存型のSNSで友達になるとか、誰かのブログやソーシャルブックマークのフィードを読むとかという作業に比べ、圧倒的に簡単に多数の生きたエージェントを作れます。
 そして、このエージェントたちは生身のヒトですから、ひとりとしてまったく同じということはありえません。最初は何か同じ興味関心についてのつぶやきを見てフォローしたとしても、そのひとは必ずどこかでフォロワーである自分の知らないことをつぶやくでしょう。そこから新たな興味関心が広がるということは当然生まれてくるはずです。ヒトとヒトの関係だから、そういうことがありうるのです。一緒に遊びたい友達や恋人が、自分のまだやったことのない趣味やスポーツに夢中になっていたら、自分もやってみようかと始めるというのはよくある話ではないですか。テレビや雑誌で紹介されていて面白そうだと思っても、自分ひとりで始めるのはなかなかハードルが高いものです。

 さらにここで、第三回でとりあげたセレンディピティも関連してきます。

 このコラムで、セレンディピティを高めるために気をつけるべきこととして、
  1. 自ら偶然を得るチャンスを狭めないこと
  2. ひとつの「目標」に意識を集中しすぎないこと
  3. 自分のもつ「常識」や「仮説」に合わない事象に注目してみる
の3点を挙げましたが、ツイッターをやっていると自然とこの3つをクリアしていたりします。もしかすると、ツイッターは幸運な偶然に出会う場としてもとても貴重なものかもしれません。

【課題2】顧客の「囲い込み」という発想は、もう通用しない

 さて、つぎに取り上げたいのがこの課題です。そもそもインターネットが普及し人々がどんな情報も簡単に手に入れたり交換したりできる時代には、顧客の囲い込みという発想自体が無意味です。ひと昔前は、「しくみ(システム)」による顧客囲い込みというのが流行しましたが、最近は心理的な絆で囲い込もうとするエンゲージメント・マーケティングなどというものが流行っているようです。しかし、実際には「絆」を持ちたがっているのは企業側だけで、そんな一企業・ブランドに魂を預けるような関係ではなくて、もっとゆるい関係でつながっていたいと思う消費者も多いのではないでしょうか。
 ツイッター上でフォローしたりされたりして、相手のつぶやきを読もうが読むまいが自由気ままというゆるい関係は、これからの企業と消費者の関係を暗示しているように思えます。企業側からの押し付け的な関係構築は論外ですが、企業側も消費者のさまざまな要望を次から次へと満たしていかなければならないというような強迫観念を捨てて、お互いのカジュアルなコミュニケーションの中から、創発的に生まれた新しい価値を製品として具現化するような、そう
いう関係が生まれてくるのだと思います。

 こうしたツイッターでの関係は、第四回のコラム「受け手の心得」の中で書いた、受け手が「構えずに受ける」状態にあるため、より感覚的・直感的に情報に接しているとも言えます。

 ですから「検索&閲覧」という行為にくらべると、よりテレビ視聴などに近いリラックスした状態での情報接触行為と考えられ、先入観なく情報を受け入れやすく、偶然の出会いに対しても意外性による拒絶反応が起きにくい心理状態にあるように思います。つまり、売り手に対する買い手の敵対意識、もしくは警戒意識が下がっている状態ができているため、ツイッターという場においては、下手な仕掛けをするよりも自然体での対話が効果的だと言えるでしょう。

 また、ツイッター自体も、そのオープン性を生かした(既存型SNSのような広告モデルではない)新しいビジネスモデルを打ち出してくることでしょう。それがどのようなものになるかは、まだわかりませんが、決してユーザを囲い込むという方向でないことだけは確かだと思います。

【課題3】売り手(買い手)の顔が見えない

 最後に取り上げる課題はこれです。こちらもひと昔前、企業側がよく「買い手(消費者)の顔が見えない」と言っていました。ターゲットプロファイルを明確化しろとか(ペルソナ・マーケティングも流行りましたね)、消費者ニーズを探るための徹底的な調査をやれとか、いろいろありました。政治(選挙)も同じですね。有権者の顔が見えないという政治家も多くいました。

 しかし、最近は逆の現象というべきか「売り手の顔が見えない」ことに対する不安を買い手側が口にするようになってきました。オンラインメディアの普及により、第三者がもたらす情報が企業や政治家をほとんど丸裸の状態にしているわけですが、それでも当事者個人のことばを直接聞かないと、買い手の不安は解消されません。そうした中で、ツイッター上の法人や公人としての奥歯にものがはさまったような発言ではない、企業の中の人や政治家の個人としてのつぶやきによって、企業や政治を身近に感じられるようになってきているよに思います。ここでもヒト対ヒトのリアルタイムに近いコミュニケーションというツイッターの特徴が生きていると言えます。

 このことは、買い手側だけでなく売り手にとっても大きなメリットをもたらしています。企業や政治家にとって、消費者や有権者のナマの声を直接聞けるということはとても意味があります。ツイッターの特性上、リアルタイムでどんどん流れていくタイムライン上でつぶやかれる言葉は、論理的に組み立てられた言葉というよりも、反射的に出てくる短いフレーズであることのほうが多いと思います。そこにはアンケート調査やグループインタビューを通じては決して得ることのできない(あるいはブログ記事からさえも得られない)、買い手のホンネ(もしかすると、つぶやいた本人も気づいていない潜在意識さえも)が表出してくる可能性があるのです。まさに情報の宝の山です。

 さて、今回の後編はいかがだったでしょうか。かなり長くなってしまいましたが、ツイッターに関してはまだまだ書くべきことはたくさんあります。また別の機会を見つけて、このブログやメールマガジンで書くことにします。

あけましておめでとうございます。

Ahny_2

Tiger

  旧年中はたいへんお世話になり、ありがとうございました。
 昨年の年賀状は「反芻」をテーマにしましたが、ご承知の通りの経済環境の中、やむなく布団をかぶって寝たふりを決め込み、図らずも反芻の日々を送ることになりました。そんな中で、今これから向かうべき方向性が少し見えてきた気がします。
 そして今年の干支は。「は千里往って千里還る」とも言います。そんなの行動力にあやかり、今年はさらにいろんなことにトライする「行動の年」にしたいと思っています。
 また一年、皆さまが元気に楽しい毎日を過ごされますことをお祈り申し上げます。

(写真は東武動物公園のホワイトタイガーです)

[雑話] ポール・サミュエルソン博士亡くなる

 偶然知ったポール・サミュエルソン博士の訃報(以下記事を引用)に驚きました。

ノーベル賞経済学者ポール・サミュエルソン氏が死去
asahi.com(朝日新聞社) 2009年12月14日3時7分

 【ニューヨーク=丸石伸一】20世紀を代表する経済学者の一人で、ノーベル経済学賞受賞者のポール・サミュエルソンさんが13日、米マサチューセッツ州の自宅で死去した。94歳だった。名誉教授を務めていた米マサチューセッツ工科大学が発表した。

 1915年、米インディアナ州生まれ。シカゴ大を卒業後、ハーバード大で博士号を取得し、マサチューセッツ工科大などで教えた。

 自由な経済活動を重視する伝統的な新古典派経済学と、市場経済の失敗を財政政策で補うケインズ経済学を融合した「新古典派総合」を提唱。失業が少ない安 定期には市場の特性を生かす政策が有効だが、バブル期や不況期には公共投資の増減など政府の関与が必要だと説いた。数式を用いて厳密に分析する手法を経済 学に持ち込み、近代経済学の発展に寄与。70年に第2回ノーベル経済学賞を受賞した。

 48年に初版が発行された著書「経済学」は半世紀近くにわたって、経済を学ぶ学生の教科書の定番だった。日本語をはじめ約40の言語に翻訳され、これまでに約400万部が売れる世界的なベストセラーとなっている。

 60年代の米ケネディ政権などで経済顧問を務め、所得税減税など当時の米民主党政権の経済政策運営にも影響を与えた。ベトナム戦争などでインフレ が深刻化した70年代以降は、市場を重視するマネタリストの台頭に押されて存在感が薄れた。だが、昨秋の金融危機の際には、ブッシュ政権下での規制緩和の 行き過ぎを批判し、不況脱却のために財政出動の必要性を説く理論が再び脚光を浴びた。

という記事を読んだのですが、実は先週のエントリーでマイケル・ポーター教授の講演について書いたときに、サミュエルソン博士のことにも言及していました。
 そのついで、というかちょっとサミュエルソン博士のことについて確かめたいことがあったので検索をしたら、いきなりこの記事が飛び込んできたというわけです。

 サミュエルソン博士のあの有名な著書『経済学』は、経済学科の学生だった私は原書も訳書も結構ちゃんと読んだ記憶があります。日本では、日経マグロウヒル(今の日経BP)社から出てたんじゃなかったかな。
 しかし、その後社会に出て実際のビジネス現場で見た「バブル経済」とその崩壊、そして構造改革やら金融不況といった現在に至る世界経済の変化は、残念ながら大学で勉強したサミュエルソンの経済学では説明できないことが多すぎる、などと感じていたこの時期に訃報を聞き、ひとつの時代の終焉を見た気がします。

 みなさんもそうだと思いますが、大学で勉強したことというのは、今のように時代の流れが速いとすぐに役に立たなくなってしまいますね。
 でも、何を学んだかということよりも、学部の勉強であってもなんとなく学究的な体験をしたとか、いろいろと雑多な知識を得る時間を持てたとか、そういう部分で大学に通った時間というのは意味があったのだろうなと思ったりします。

 他のエントリーでも何度も書いていますが、やはり最近の世の中の傾向として、安易に早く答えを求めるという風潮はあるのではないかと思います。ただひとつの解だけが存在するような問題というのは、実社会の中では少数なのだと思います。多くの場合、解は多数存在するし、どれが正しいかということを追求することに意味がなかったりします。

 ですから、現在大学生のみなさんには「急がば回れ」の精神で、大学ではいろんな分野について学んで欲しいと思います。まあ、学部で学ぶ専門知識程度ならば、わざわざ大学へ行かなくても独学で書物等から十分得られます。また、大学は職業訓練所ではないのですから、そこで身に着けたことが直接的に仕事に役に立つなどと、最初から考えないことです。
 それよりも、自由に時間を使えるこの時期に、幅広い教養を身につけるとともに、いろいろな体験をしてみて、自分自身の信念だとかそういうものを見つけられたら良いのではないかと思います。そういうものって、いずれ必ず役に立つときが来ますよ。

 
 

[イベント] Twitter Night Vol.4

 今夜はTwitter Night Vol.4に行ってきました。今回で4回目になるTwitter Nightですが、サブタイトルに「ツイッター本著者と2009年のつぶやき納め」とついているように、この秋出版されたツイッター関連本の著者の方々をお招きした「忘年会」のようなスタイルで、カジュアルな楽しいイベントでした。

Twn4

 写真は壇上のツイッター本著者の方々ですが、ツイッターアカウントでご紹介すると、左から@knnkanda(神田敏晶)さん、@himanainu_kawai(川井拓也)さん、@tsuda(津田大介)さん、@akihito(小林啓倫)さん、@hiro_roadstar(小川浩)さん、@mikanaitoh(内藤みか)さん、そして到着が遅れている@masakiishitani(いしたにまさき)さんの代理の出版社の方です。
 出演者の方々のトークは、執筆秘話あり、ジョークあり、バトルありとほんとうに楽しませていただきました。いずれの著者の方も、ツイッター本を出すことになった経緯については、けっこう偶然ぽいいきさつがあったようです。

 イベント全体としては、お酒も入っていたことですし、登壇者も会場のみなさんも「ツイッター忘年会」を楽しんで帰られたのではないかと思います。ちょっと残念だったのは、だれかのつぶやきにもあったのですが、最後の会場からの質問タイムのときに、妙に真面目な(ビジネス的な)質問をするちょっとKYな方がいらしたので、一気に酔いがさめてしまいました。そういう質問は、昼間のセミナーでとか、終了後に個別にとかでしてもらいたかったんですけどね。

 まっ、楽しい会でした。ありがとうございました。

関連エントリー:[書評] ツイッター関連新書4冊を読みくらべ

 

[イベント] 賀央会初会合

 今日は、大雨の降る中「賀央会」の初会合に参加してきました。賀央会と言っても何の会だかわからない方も多いかもしれませんが、ビジネス書作家でデキる人研究家の夏川賀央さんをハブにして、全国のいろんな面白い人・デキル人を集めてみたら、何かがそこから生まれるかもしれないという、極めて公私混同で実験的な?会です。

 最初は静岡に住むビジネス・プロデューサーの北村さんという方が中心になって立ち上げられた会ですが、あっという間に北は北海道から南は九州宮崎まで、多くの会員さんが集まってきたそうです。

 実際にみなさんとお会いしてみると、ほんとうに個性豊かな面白い人・デキル人ばかりで、「きっと何かの化学反応が起きる」という予感がいっぱいな会でした。私は20年ぶりくらいに昔いた会社の取引先の方と再会したり、一緒に行った友人も元いた会社でお世話になっていた大先輩と再会したりと、いろんなシンクロニシティが起きる不思議な会で、とても盛り上がりました。次回は京都で、その次は宮崎でなどと今後のプランも着々と決まり、また来年もたのしみです。

 今までの自分自身の経験からも、こうした公私混同のつながりから生まれるプロジェクトが、面白い仕事につながっています。こういう会はぜひ大事にしたいと思います。

関連リンク:新・毎日がシンクロニシティ

ブログリンク:賀央会」の初会合/夏川賀央の「デキる人」研究所

[イベント] マイケル・ポーター教授の講演

 今日は、急遽友人から招待枠に空きが出たので行かないかと誘われ、法政大学経営学部創設50周年記念事業のひとつである、マイケル・ポーター教授特別講演会「企業戦略 -新たな知見- ( Company Strategy: The New Learning )」を聞きに行ってきました。

 マイケル・ポーター教授と言えば、競争戦略などの経営理論で超有名なので、ご存知の方も多いと思います。私は大学では経済学を専攻していたので、学生時代はポーター教授のことも競争戦略の理論も知りませんでした。当時は、サミュエルソンの「経済学」なんかが経済学科の学生にとってのバイブルだったりして、どちらかと言うとマクロ経済学への関心が高かったように思います。
 その後、広告会社に就職してマーケティングなんかを学ぶようになって、初めてマイケル・ポーター教授の名前を知りました。で、同行した友人とも話していたのですが、私たちの中では教科書に出てくるシュンペーターとか、経営学の始祖ドラッカーとかと同じようなイメージで、失礼ながら「マイケル・ポーターってまだ生きてたんだ」くらいの感じで「過去の人」的な位置づけになっていました。
 しかし、実際のポーター教授はとてもお若く(事実私と一回りも違いません)、今回の講演を聞いて、過去の偉業に胡座をかくことなくまだまだ進化を続けている教授に対して、あらためて尊敬の念を抱きました。そうそう、ポーター先生はTwitterのアカウントもお持ちです。やはり優れた人というのは、いくつになっても探究心旺盛で進化をし続けるんでしょうね。

 さて、前おきはこのくらいにして、ポーター教授の講演の中身について触れておきたいと思います。体系的な要約ではなく、いつものように私が気になったポイントを列挙して、ショートコメントをつけていく形でレポートします。

  • 今求められる競争戦略
    -「競合と同じ土俵でBESTを目指すのではなく、UNIQUEなポジションをとることで、ゼロサムゲームから脱却し新たな利益を生む事ができる」
    ⇒「勝ち組、負け組」の時代は終わってる。UNIQUEポジションっていうのは、言い換えればブランドによる差別化が必要ということでもあるのかな。
  • 「戦略」についての誤解
    -戦略とは、特定の一連の行動を指す以上のものだ
    -戦略とは、大志や野望といったものともちがう
    -戦略とは、ビジョンと同じでもない
    ⇒たしかに「戦略」ってよく「戦術」や「ビジョン」と混同されるよね
  • 並外れた成果を達成するためには?
    -効率を重視してベストプラクティスを追求したところで、同じ事を「better」にやっているにすぎない
    -戦略的ポジショニングによるUNIQUEさとは、(今までとは)異なるニーズにマッチするように、異なるやり方でやるということ
    ⇒今まで何回も言ってきているけど、過去のベストプラクティスに学んでも、結局はそれを大きく超える事はできないのに、なぜみんな(特に日本企業は)こだわるんだろう。カイゼンは所詮改善であってイノベーションを生まないのだ。
  • トレードオフ
    -万人を満足させようというのは戦略とは言えない。何を「しない」かをはっきりさせることも重要だ
    -その商品は一部の顧客をがっかりさせるかもしれないが、中心顧客に対しては極度の満足を提供できる。それが戦略だ。
    ⇒まさにそうのとおりです。だからFMCGメーカーが価格競争で疲弊している。こんな状況だからこそ、中小企業ブランドが育つチャンスもあるのだと思います。IKEAの例が面白かったのですが、機会があればセミナーのときにでもお話しします。
  • 正しい「戦略」を考える際の落とし穴
    -「戦略」を正しく理解していない(誤解)
    -昔ながらの業界の常識・知恵
    -顧客(の要望を満たすことは戦略ではない)
    -不適切な目標設定、成果測定法
    -意見の一致(コンセンサス)を追求する
    -株主を喜ばせようとする
    ⇒いろいろありますねぇ、落とし穴。どれも陥りやすい罠です。要するに近視眼的になってはいけないし、経営者のリーダーシップが求められるということだと思います。
  • CSRについて
    -外部圧力(国の政策的なものとか)は企業にとって悪いとばかりは言えない。上手に社会との関係を構築して競争優位に結びつける企業もあるし、制限のある中で利益を生み出そうと努力するところにイノベーションが生まれることもよくある。
    ⇒こういう発想の転換は重要ですね。鳩山さんのマイナス25%宣言も、産業界は反発するばかりではなく、イノベーションを起こすチャンスととらえて、日本の民間企業パワーを見せて欲しいものです。

 以上ざっと、関心を持ったところだけをつまんだのですが、ポーター教授の講演は150分に及ぶもので、ほんとうに貴重なお話をうかがえて満足しました。

 全体的な感想は、UNIQUEとかトレードオフとかの話を聞いていると、ブルーオーシャン戦略とも近いように思いました。また、最近ずっとセミナー等で私が言っていることも、方向性としては間違っていないようだと確認できたので、その点も収穫でした。今後のセミナーでは、もしかしたら「かのマイケル・ポーター教授もおっしゃっています・・・」なんて喋ったりして(笑)

 

[イベント] セミナー「BCDのABC」を銀座で開催しました。

 今日は、銀座で公開セミナー「BCD(ブランドコミュニケーションデザイン)のABC」を開催しました。

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 このセミナーは元来、中小企業経営者や個人事業主の方々を対象に当社(文殊コンサルティング)が自社開催しているものですが、今回は少し実験的な意味もあって、参加者募集告知を自社メディアに限って行いました。
 最初に12/1(火)付(実質的なパブリッシュは12/2(水)の夕刻)のこのブログのエントリーでお知らせしました。次は、12/3(木)にTwitterで時間帯を分けて数回にわたりつぶやきました。そして最後は、12/4(金)にメルマガ読者のみなさんに号外をお送りして告知させていただきました。
 自社メディアに限って、しかもリードタイムを短く(1週間未満)とっての告知でしたが、おかげさまで18名の方からお申し込みをいただきました。(25名程度しか入れない小さな会場のため、20名で締め切ろうと思っていましたので、ほぼ満席ということです)
 結局、ブログ読者(定期読者は数十人くらい?)+ツイッターフォロワー(400名強)+メルマガ読者(700名くらい)への告知だったわけですが、ご参加いただいた方々はみなさん熱心に話を聞いてくださって、濃いメンバーのセミナーになりました。

 参加者の方々は、みなさん既にご自身のブランドを確立されている「プロフェッショナル」ばかりでしたので、いまさら私のBCDについての話を聞いても退屈なのではないかと少し気がかりでしたが、さすがはデキる方々です。何かひとつでも「気づき」を持ち帰ってお仕事に活かそうという積極的な姿勢で臨まれていて、転んでもただでは起きないという感じで、時間をムダにはされなかったようで、ほんとうにありがたく思っています。
 もちろん、講師の私も参加者の方々からいろいろな「気づき」をいただいて、たいへん勉強になったことは言うまでもありません。

 今回のようなメンバーであれば、セミナーというよりは勉強会のようなスタイルで、インタラクティブに学べる場にしたほうが良いかもしれません。一般公開セミナーとは別に、そうした場を作る事も今後検討してみたいと思います。

 ご参加のみなさま、誠にありがとうございました。

 今回のセミナーの資料(ハンドアウトしたもの)は、以下に公開しておきます。これだけでは何の事かわからないと思いますが、ご興味ある方はぜひ次の機会にご参加いただければと思います。

[雑話] 世相反映?哀しき車内額面広告

 今日、地下鉄に乗っていて、ふと網棚の上の広告スペースに目をやると、私がいたドアとドアの間には、なんと2枚しか広告ポスターが無かったのです。

 中吊り広告は、雑誌の広告やショッピングセンターのバーゲン広告などがありましたが、額面(窓上)広告はぱらぱらとしか埋まっていませんでした。

 そして、私の近くにあった2枚の広告とは・・・

   ひとつは葬祭場、もうひとつは債務整理の法律事務所。

 うわぁ、なんて哀しい広告なんでしょう。世相を反映しているんでしょうかね。

 テレビや新聞・雑誌といったマス広告は確かに減っていますが、交通広告もここまで来ているとは、なんと言っていいのか・・・

 そういえば、しばらく前ですが、額面広告がまったくない電車(地下鉄)に乗り合わせたことがあります。私鉄乗り入れの路線だったので、その私鉄の自社広告の中吊りだけがさみしく掲出されていました。広告買い切り車両(編成)だったのかもしれません。たぶん売れ残ってしまったんでしょうね。

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[コラム] ツイッター140文字の衝撃(前編)

 もう半年近くもメルマガの配信をサボっています。読者の方にお会いするたびに「今月は出しますから」と言いながら、すっかり狼少年になってしまいした。

 実は、その間このブログの更新も滞り気味で「いったいオマエは何をしてたんだ」と言う方が多いと思うのですが、中には「アイツが毎日何をしてるかは大体知ってるぜ」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 いったいこの差は何だと思いますか?

 そうなんです。ツイッターなんです。ツイッターで私のことをフォローしてくださっている方は、日々私が何をしているかほぼ丸見えなんですね。私自身もこのツイッターという発信ツールを手に入れてから、ブログやメルマガを構えて書かなくても、知りたい人に必要な情報は伝わるので、その便利さにすっかりハマってしまったというわけです。ツイッターひとつで、ブログもメールもチャットもミクシィも全部肩代わりしてもらっているという感じです。

 さて、ではツイッターの何がそんなにスゴいのか?という話に移りたいと思いますが、実はそれを一言で言うのはたいへん難しいのです。メディアジャーナリストの津田大介さんの言葉を借りると、ツイッターには「リアルタイム性」「伝播力が強い」「オープン性」「独特のゆるい空気感」「使い方の自由度が高い」「属人性が強い」という6つの特徴があると言います。とりあえずこの6つの特徴に沿って、私なりのツイッターに対する見方を書いてみます。

 「リアルタイム性」:これについては、ツイッターを使っている方ならすでに何度も実感されていると思います。自分のタイムライン(ツイッターのユーザ別マイページ掲示板のようなもの?)には、常にリアルタイムで何が起きているのか、誰かが何をしているのか、何を思ったのかが流れています。マスコミ報道よりも早く、いろいろな情報が流れることもしばしば。たとえば、多くのツイッターユーザが、マイケル・ジャクソンの死亡を最初に知ったのはツイッターだったと言っていますし、自分のつぶやき(投稿)に対する反応もすぐに返ってきます。さらにツイッター検索では、特定のキーワードに関して直近につぶやかれた内容をすぐに拾ってきますし、「今」その瞬間を感じるメディアとして、ツイッター以上のものは、現在まだないのではないかと思います。

 「伝播力が強い」:これは、特にツイッターのRT(ReTweet)という行動によるものだと思いますが、つまり自分が読んだつぶやきを面白いと感じたときに、簡単にそれを再度つぶやく(メールの転送のようなもの)ことができるということです。あるメーリングリストで読んだメールを、別のメーリングリストに再投稿するようなものですね。現在は、ツイッターの公式ウェブにもこの機能が実装されたので、さらに簡単に口コミが広がりやすくなりました。

 「オープン性」:ツイッターはミクシィなどと違い、閉じたネットワークではありません。つぶやきは(非公開設定にしない限り)すべて検索エンジンから検索できますし、プログラムもオープンなので、サードパーティがツイッターのエンジンをベースにした、さまざまなアプリケーションを開発し、その多くは無償で提供されています。

 「独特のゆるい空気感」:これこそ、今までのインターネットサービスに無かったツイッターの特徴かもしれません。例えば、ミクシィのマイミクや足あとといったものがツイッターには存在しないのです。面白いと思ったユーザのつぶやきは、誰でも勝ってに追っかける(フォローする)ことができますし、逆にフォローされたからといって、必ずしもこちらがフォローを返す必要はありません。自分のつぶやきが誰に読まれたかもわかりませんので、メールのように返事を書かなければというプレッシャーもありません。これは新しいです。

 「使い方の自由度が高い」:ツイッターはいろいろな用途に使えます。私は、情報発信も情報収集も最近ではツイッターをメインに使っていますし、メールの代わりに連絡に使ったり、チャット的にリアルタイムのやりとりをしたり、手帳代わりにメモとしてつぶやきを残しておいたり、多用途に使っています。それぞれのユーザも、ブログのように発信するだけの人、情報収集だけの人、他人のつぶやきをRTするだけの人、会話を楽しむ人とさまざまです。使い方は人それぞれで、自由にいろいろな用途に使えることもツイッターの魅力です。

 「属人性が強い」:ツイッターの大きな特徴として、端末の向こう側の「人」を感じられるということがあります。ロボットが勝手につぶやくアカウントもありますが、たとえ企業アカウントであっても、つぶやいているのは「人」だというのが基本で、テーマ別会議室があるわけでもなく、気に入ってフォローするのは、あくまでも「人」なのです。他のBBSやSNSに比べると匿名性が低いということも言えるかもしれません。あくまでフォローするのは「人」なのでいつも無責任なつぶやきを繰り返す、どこの誰だかわからないアカウントは、スパム扱いされて誰からもフォローされなくなり自然に淘汰されて行きます。

 ここまで、ツイッターの面白い&役に立つところを、ずらずらと並べてきましたが、まだアカウントをお持ちでない方も、少しは興味を持っていただけたでしょうか。

 おまけですが、ツイッターでフォローをしていると、たとえば新聞やテレビでは絶対に見ることのできない、あの蓮舫議員ご本人のこんな自虐的なつぶやきも見ることができますよ。下のURLにアクセスしてみてください。

http://twitter.com/renho_sha/status/6130465014

 実は、私がツイッターを「スゴい!」と思っているいる理由は、今日書いたことだけではないのです。もっと本質的な部分で、今までこのブログでいろいろ投げかけてきた問題について、ツイッターがある種の解決策となり得ると考えているからなのです。それについては、次回(後編で)お話します。

 ツイッターについていろいろ知りたい方は、最近のブログエントリーの中で新書4冊の紹介をしていますので、そちらをご参照ください。

[お知らせ] 公開セミナー開催します

 来週、12月8日(火)に銀座で公開セミナーを開催します。テーマは、中小企業のブランドづくりに関してですが、日ごろから話題にしている、BCD(ブランドコミュニケーションデザイン)についての基本的な考え方などをお伝えするセミナーですので、中小企業経営者以外の方々にもお聞きいただきたいと思っています。

BRANDOC セミナー
「BCD(ブランドコミュニケーションデザイン)のABC」

中小企業や個人事業だからこそ「ブランド」で勝負!
中小企業も個人も「ブランド」を築き育てることで、大企業の下請け業務への依存度が減り、景気に左右され難く不毛な価格競争に巻き込まれない、強い体質を生むことができます。そのブランドづくりに欠かせないのが「ブランドコミュニケーションデザイン」です。今回のセミナー「BCDのABC」では、ブランドコミュニケーションデザインの基本を、わかりやすくご紹介いたします。

【このセミナーでお話する主な内容】

 1. なぜ、中小企業や個人事業に「ブランド」が必要なのか
 2. 「不況だから低価格商品しか売れない」のウソ
 3. 「ブランド」は顧客の「体験」からしか生まれない
 4. どんな業種・業態でも「ブランド化」はできる
 5. 顧客のブランド体験をデザインするBCDという考え方
 6. 理論や技術ではない、「実践的ブランドづくり」とは

【セミナー開催概要】

 開催日時:2009 年12 月8 日(火)14:00~16:00  受付13:45~

 会場:ティーズ銀座 東京都中央区銀座5-5-14(並木通り)

 参加費:3,000円 税込

【お申し込み方法】

 下記必要事項をご記入の上FAX(050-8885-4945)または電子メール(info@brandoc.com)にてお申し込み願います。追って詳細をお知らせします。

 

会社名: (部署名)
 参加者:(役職) (氏名)
 連絡先:(住所)(電話) (FAX)(電子メール)

【ブログ読者ご招待(ツイ割)】

 当ブログ読者の方先着5名さまを、今回の公開セミナーに無料ご招待いたします。参加ご希望の方は、ツイッター(Twitter)で文殊通信(@monjunews)をフォローの上、@monjunewsあてに「8日のセミナー行きたい」とつぶやいてください。折り返しDMで詳細をお知らせします。

(ご招待枠は12/4 13:00時点で満席となりました。あしからずご了承ください)