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[イベント] ライブラリートーク:デジタルノマドとしての新しいキャリアの可能性

 昨夜はアカデミーヒルズ六本木ライブラリーで、小山龍介さんがファシリテーターとしてシリーズかされている「六本木ライブラリーシナプス」の4回目、松村太郎さんのライブライートークを聞いてきました。

 就職氷河期に大学を卒業し、やむなく?フリーランスで仕事をするようになったという松村さんの語る「新しいキャリアの可能性」というお話は、とても面白く聞かせていただきました。
 実際、松村さんが大学卒業を迎えられた時期(2002年ごろ)は、ITバブル崩壊で信じられるものが何も無くなり、「ミカタ」は誰?、「武器」は何?と自問したそうです。そんな中で、周囲との関係性において「コミュニケーションが作るキャリア」というものがあってもいいのではないか、と考え今の道を選んだのだそうです。

 ところで、現在私自身が興味を持って取り組んでいる「パーソナルブランディング」を支援しようという試みにも、いろいろと役に立つお話がいっぱいありました。コミュニケーションは常に受け手にイニシアティブがあるし、ブランドは相手が作るものです。
 そのことについて松村さんのお話でとても面白いと思ったのは、「相手のフィルターにかけられた自分」を見るというところでした。相手が自分に対して立てた「flag」やつけられた「tag」が何なのかを意識するということです。なるほど、わかりやすい!と唸ってしまいました。

 もうひとつ面白かったのは「自分興味史」を作ってみるというお話です。小さい頃から現在に至るまで、自分が興味を持った事柄を洗い出してマッピングする。さらに、それらひとつひとつを関連付けてグルーピングしたりすることで、自分の興味の中心が何なのかをあぶりだすという作業です。「興味をcorabolationさせてidentityを作る」のだそうです。これ、すごく面白いです。ぜひ自分もやってみようと思います。

 後半は、小山さんと松村さんの対談の中から、いろいろと面白いまとめが見られました。小山さんの「編集力」はさすがですね。特にtwitterについてのお二人の話は興味深いものがありました。twitterのつぶやきは、メールとちがって勝手につぶやいているだけで必ずしも返信を求められるものではないし、そうした「ゆるい」つながりはこれからソーシャルコミュニケーションの中でますます増えるのではないかと思っています。
 松村さんはフリーランスでのキャリア=デジタルノマドという働き方について、どのように社会との関係性をデザインするかというsocial designというのが重要だというようなお話をされていました。それに対して小山さんから、それは「場のデザイン」と言い換えてもよいのではというコメントがありました。
 また、twitterのタイムラインの中でリアルタイム(10分以内のディレイ)で気づかなかったものに反応することはないし、スルーする力というのも必要だというお話がありました。そういう意味でtwitterのつぶやきに出会うことはある意味「偶然」であって、そのつぶやきに反応することは「偶然」を「必然」に変える作業なのではないか、というように小山さんはまとめていらっしゃいました。とても面白い発想だと思います。

 今回の「六本木ライブラリーシナプス」は、私が日頃関心をもっていることについて、いろいろと気づきをもらうことができて、とても有意義なものでした。小山さん、松村さん、ありがとうございました。

[イベント] 次世代広告夜会3

Jisedail2

 昨晩は次世代広告夜会3というイベントに参加してきました。「3」とついているように、このイベントは今回で3回目になるのですが、回を追うごとに中身は充実してきているように思います。 
 特に今回は、GW中に世話人の方のブログといくつかのSNSだけで告知したにもかかわらず、あっという間に100名の枠が埋まってしまったそうです。というわけで、参加者はかなり濃いメンバーというか意欲的な方々ばかりで、プレゼンテーションタイムの集中はもとより、ネットワーキングタイムも会場には熱気がみなぎっていました。

 プレゼンテーションタイムのプログラムは以下のようになっていましたが、途中飛び入りセッションもあり、かなりインタラタクティブに盛り上がりました。

1部 ad:tech Sanfrancicso報告セッション

1.現状認識:未来の生活者主導のメディア環境
2.世界的不景気のなかで課題とされたもの
3.最新コミュニケーションデザイン・ケーススタディ
4.Mobileはどうだったのか?
5.中小企業向けadsaceは?
6.SMXは?

モデレーター:アドイノベーター 織田浩一さん

スピーカー:adingo, 事業戦略室シニアマネージャー 椿奈緒子さん

2部 最新クリエイティブ・ケーススタディセッション

「生活者の心が動く、バイラルプロモーション」

博報堂エンゲージビジネス局 
インタラクティブ・プロデューサー 堀宏史さん

 1部の椿さんのプレゼンテーションには、若干のジェネレーションギャップを感じてしまいました。今の20代の人たちはここまで来てるのか、という感じで一部ポカンとしてしまった部分もありました。私が元気にしたいと言っているオジサンたちに比べると、外国語とITのリテラシーは格段に優れています。ほんと、スゴイと思います。そういうふうに感心させられるところとは別に、少なからぬ懸念もあるのですがそれは別エントリーで後日ゆっくり書こうと思います。

 2部の堀さんのお話は、SONY HandyCamの「Com with me」キャンペーンについてでした。このキャンペーンじついては、一部で「泣ける」広告として話題になっていたようですが、残念ながら私には刺さらなかったかなって感じです。
 子供の成長の各段階における「撮り逃し」を、時間の流れの不可逆性をWEBサイトで再現することで体験させる、「毎日がスペシャル」というコンセプトは秀逸だと思います。これによってホームビデオの使用機会創出によるマーケット拡大という目的はある程度は達せられたのだろうと思います。(キャンペーンの結果にはまだ触れられていなかったので、あくまで想像ですが・・・)
 ただ、ひとつ疑問に思ったのはマーケットを広げるということと、SONYの市場シェアを拡大するということは別なので、HandyCam以外のホームビデオカメラが売れるということも考えられるのではないかという点です。
 HandyCam購入者に何かSONY独自のサービスがついてくるといいですよね。機能面や価格面での差別化ではなくて、やっぱりSONYだなって感じる何かです。思いつくところでは、クラウド的なサービスですかね。無料のオンラインストレージにビデオファイルを格納できたり、WEBアプリケーションでビデオ編集ソフトを提供したりだとか、そういうことがあれば面白いかもしれませんね。実はもうやってたりして・・・

 最後にもうひとつ、この会に参加して感心したことがあります。実は今回、会場側の配慮なのか各テーブルに灰皿が用意されていたのですが、テーブルで喫煙している人はほとんど見かけませんでした。喫煙者の方々は離れたスペース(前回喫煙スペースになっていた場所)に移動して吸っていらっしゃいました。ほんとにマナーの良い(気遣いのできる)方々の集まりで、すばらしい会でした。

 世話役のみなさん、そして参加者のみなさん、ありがとうございました。

続きを読む "[イベント] 次世代広告夜会3" »

[イベント] アーク都市塾同窓会

 昨晩は、アカデミーヒルズ・アーク都市塾米倉門下生の同窓会があり、「母の日なのに出かけるの?」と家族にぶつぶつ言われながらも参加してきました。

 最初にアカデミーヒルズで、米倉誠一郎先生のミニ講義があり、その後ヒルズ内のスペインバルで懇親会でした。
 米倉先生の講義は、中東に行ってWANAの会議で講演された話とか、グラミン銀行のユヌス博士との対談で思ったこととか、いろいろとまた米倉先生らしい体験談を聞かせていただき面白かったです。特にユヌス博士の語られた「成長と発展(growth & development)」というお話における「発展には人を信頼する力が必要だ」という部分は、ほんとうにそうだなぁと感じました。
 懇親会では、旧知の仲間だけでなくさまざまな年代のさまざまな職業の方々と交流することができて、とても有意義な会でした。

 さて、アカデミーヒルズではアーク都市塾を発展的に引き継いだ?「日本元気塾」というものが6月から開講されるそうです。プレセミナーなどに参加して、この日本元気塾は結構面白いことになるのではないかと期待をしています。もちろん私も応募しましたが、定員に対してすでに数倍の応募があるとのことで、合格するかどうかはわかりません。
 この日本元気塾にインスパイアされて、私もこれからの仕事でめざすところを少し考えてみました。以下の3つに挑戦してみたいと思っています。

  • ニッポンのオジサンたちを元気にする
    オバサンたちや爺さんたちは元気なのに、どうも元気のないオジサンたち。彼ら(というか自分と同年代)が元気にならなきゃ、若者だって未来に希望が持てないでしょう。
  • ニッポンの中小企業を元気にする
    公的資金つぎ込んで大企業ばかり助けたって日本は元気にならないでしょ。下請け体質から脱却して中小企業がパワーを持てば、日本経済は必ず活性化するのでは。
  • ニッポンの個人を元気にする
    国だって企業だって個人の集まりでしょ。やっぱ個人が夢を持って元気になれなきゃ、国や企業が元気になるわけないっしょ。Power to the people!

 ちょっと大きく出ましたけど、豚インフルは伝染拡大してもらっては困るけど、元気をどんどん伝染させて、早く楽しい日本を復活させてたいですね。

[マーケティング] Big Ideas for Social Influence Marketing

 このプレゼンテーションは、なかなか興味深いです。

 特に「Innovate with others or die alone」て言うのは強烈ですね。でも、その通りだと思います。

Social Influence Marketingとは、藤巻幸夫さんが言うところの「巻き込み」に近いものがあるかもしれませんね。非常に短いプレゼンテーションですが、かなり本質をついているように思います。

[コラム] 「受け手」の心得

 今回の話は、情報の「受け手」の心得についてです。

 ブログや講演でいつも言っていることですが、コミュニケーションがきちんと成立するかどうかについてのイニシアティブは常に「受け手」側にあるというのは、コミュニケーションの大原則です。ですから、「送り手」は「受け手」の立場を考えてコミュニケーションをデザインしないと、うまく伝わらないということになります。

 よく「コミュニケーション力」という言葉が使われますが、多くは送り手側の伝える力のことを指して使われるようです。しかし、コミュニケーションでのイニシアティブを握っている「受け手」側にもある種「心得」のようなものが必要ではないかと思うので、今回はそのあたりを書いてみたいと思います。

 受け手の態度には大きく分けて二つがあると考えています。「構えて受ける」と「構えずに受ける」の二種類です。そして、その二つをうまく使い分けることが大切ではないかと思うのです。

 まず「構えて受ける」場合について考えてみましょう。簡単に言ってしまえば心の準備をして臨むということですが、この場合の利点はつぎのようなことではないかと思います。

利点1:送り手のメッセージから、目的に沿った情報を効率的に得られる
利点2:送り手のメッセージに対して、より深く理解をしやすい
利点3:送り手のメッセージを自分のポジションと対比して考えられる

 つまり「構えて受ける」場合というのは、何らかの明確な目的を持って情報に接するときだと考えられますし、どちらかといえば左脳で受けるとも言えるかもしれませんね。仕事上の会談やインターネットでの情報収集など、能動的に情報を受ける場合はこちらにあたると思います。

 これに対して「構えずに「受ける」場合の利点を考えてみると、

利点1:送り手のメッセージを、より直感的に受け止められる
利点2:送り手のメッセージから、意外な発見を得られる可能性がある
利点3:送り手のメッセージを客観的に判断しやすい

といったところでしょうか。「構えずに受ける」ときは感覚的・直感的に情報に接しているでしょうし、ある意味右脳で受けるとも言えるかもしれません。テレビを見ていたり、なんとなく人の話を聞いている場合などは、こちらにあたるでしょう。

 あまりうまく分類できていないように思いますが、要するに「構えて受ける」と「構えずに受ける」はどちらか一方だけでというわけにはいきません。その使い分けが大切なわけですが、こんなふうに考えてはどうでしょうか。

 ディテールをつかむとき、また短期的な判断のための情報を得るときは、目的を持って情報をより深く理解し自分の立場で判断する「構えて受ける」が有効であり、逆にアウトラインをつかんだり、長期的な判断のためのインスピレーションを得るときは、情報を感覚的・直感的に受け止め、かつ自分の立場を離れて客観的に評価する「構えずに受ける」が有効である。

 どうも無理やりこじつけたような結論になってしまった感もありますが、これは言語による情報に関しての話です。

 ここからは余談ですが、言語によらず五感で受ける情報(たとえば音楽や美術)には別の「受け手の心得」があるように思います。

 音楽で言えばさらっと聞き流せるようなものもありますが、ある種構えを必要とするものもあると思います。(いささか個人的な趣味で恐縮ですが)たとえば闘将セシル・テイラーのピアノを聴くには「体力」がないとつらく感じますし、ドビュッシーの旋律を聴くときは感覚が鋭敏になっていないと不協和音を不快に感じてしまいます。これらは「構えて」聴くほうがよいのかもしれません。

 また美術に関して言うと、私は同じ展覧会に3回以上足を運ぶことがあります。
1回目は、何の予備知識もなしに、ただ自分の感性だけで作品に接します。
2回目は、音声ガイドを聞きながら、主催者側のイチオシを中心に見ます。
3回目は、ある程度作家や作品の背景などの知識を事前に得て見に行きます。
4回目以降は、好きな作品だけをじっくり楽しむ。
 こんなふうに「構えずに受ける」から「構えて受ける」へ、そして最後はまた「構えずに」と使い分けることで、同じ展覧会でも何度も楽しめます。

 最後は余談で終わってしまいましたが、まとめるならば「同じ情報であっても受け手の姿勢によって、いろいろな形に活かせる」ということだと思います。
 「伝える」技術ばかりではなく「受ける」技術も磨いてみてはどうでしょう。

[イベント] MAMアートコース:アートと知的財産権

 今日は森美術館のパブリックプログラムであるMAMアートコースの7回目「アートと知的財産権:クリエイティブ・コモンズの新たな役割」と題された、ローレンス・レッシグ教授の講演を聴いてきました。

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 ジェファーソン大統領や作曲家スーザのエピソードから始まったレッシグ教授の講演は、たいへん興味深いものでした。知的財産権(著作権)という概念について、あらためてその本質を考えることができたように思います。

Cc

 さすがレッシグ教授の講演ということで、ご本人が録音・撮影OKとのことでしたので上のような写真も撮影することができました。

 非常に興味深かったのは、著作権というものの歴史が著作物によるコミュニケーションの歴史と絡み合っているというお話でした。もともと人々のコミュニケーションは双方向(RW)型であって、例えば古代ギリシアで会議、対話によって政治や哲学などが進化して行った。ところがルネサンスの頃から(グーテンベルクの活版発明などにより)RO(リードオンリー)カルチャーが発展し、プロフェッショナル表現者というものが出現した。そこに、プロとしての表現者を成立させるためのコピーライトという概念が生まれ、法律で著作権が守られるようになってきたというお話です。

 ところが、現代は表現のデジタル化やインターネットの普及により、コピー(複製)が容易になり、またあらゆる人たちが表現者となり得る状況が生まれた。そうしてプロとアマの境界があいまいになり、RWカルチャーが復活してきているのだと・・・。

 結局のところ、過去の法律による著作権保護が現在の経済合理性に合わなくなってきているということらしい。つまり、あらゆる手段を講じて著作権を守るために費やされるコストと、著作権を保持することで得られるベネフィットのバランスを考えると、必ずしも著作権を死守することがプロの表現者にとって経済的に見て合理的ではないということです。

 そこで、現在の著作権問題をcommercial economyとshareing economyの二項対立で考えるのではなく、その両方をミックスさせたhybrid economyを考えてみてはどうか?というのが、クリエイティブ・コモンズの原点です。ある一定の条件のもとで、ユーザにshare、remix、learnの3つを合法的に認めることで、プロにとってもアマチュアにとっても結果的にメリットがあるのではないかということです。クリエイティブ・コモンズ自体は、まだまだ日本では(欧米とは法制上の違いもあるため)普及していませんが、時代の流れや文化の変化に合わせて著作権に対する考え方も変わっていくというのは、とても自然な流れではないかと思います。

クリエイティブ・コモンズを理解するためのレッシグ教授の著作はこちら・・・