フォトアルバム

2010年3月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

賛同リンク

  • 180_150marketingis2
  • 生命保険

Twitter Update (shu103)

最近のトラックバック

最近読んだ本

[お知らせ] 3月16日に「おそれいりこだし」の加ト吉さんとセミナーやります

 セミナーのお知らせです。また、新社会システム総合研究所(SSK)主催のセミナーで講演します。今回は「Twitterマーケティングの流儀」というタイトルで、あのTwitter人気アカウントKATOKICHIcoltdの中の人である、テーブルマーク株式会社の末広さんをお招きして行います。当日はライブツイートもOKということで、主催者さんから了承を得ていますので、ぜひご来場ください。

~カトキチの人気アカウント「KATOKICHIcoltd」ご登壇~

Twitterマーケティングの流儀

企業はソーシャルメディアと どう付き合えば良いのか

 日 時   2010年3月16日(火) 午後2時~5時
 会 場  明治記念館 東京都港区元赤坂2-2-23

【講演の目的】 ここ数年ブログやSNS、YouTubeやニコニコ動画、そしてTwitterといった「ソーシャルメディア」を利用したマーケティングに注目が集まっている。Twitterマーケティングも、多くの企業が試行錯誤を繰り返しているが、そこに決まった答えはない。失敗事例の多くはTwitterの「流儀」に反した、企業のひとりよがりな行動が招いたものだ。今回は、そうした中でTwitterと上手に付き合っている企業の生の声を聞きながら、企業とTwitterの良い関係とはどのようなものなのかを探ってみたい。

【備考】後半のディスカッションは、一部Twitterを活用したものとなります。
受講者の皆様は、セミナーの様子をライブツイートしていただいても結構です。

【前半:パネリストによるプレゼンテーション】

Ⅰ.Twitterの特性を最大限に生かすマーケティングとは【14:00~15:00】
マスメディアに代表される旧来の広告メディアとTwitterとの本質的な違いを理解し、その特性を最大限に生かしたマーケティング・コミュニケーションとはどのようなものかを、いくつかの実例を見ながら明らかにする。
 1.ソーシャルメディアとマーケティング
 2.Twitterの本質的特性を理解する
 3.日本におけるTwitterの流儀
 4.Twitterが解決できるマーケティング課題
 5.Twitterによるブランド・コミュニケーション
 6.企業とTwitterの良い関係とは?
      (有)文殊コンサルティング 代表取締役 岩見 周介 氏

Ⅱ.カトキチのブランド戦略~2010年企業コミュニケーションの可能性~ 【15:10~16:10】
2010年は個人の価値観が大きく変化するといわれています。その2010年以降におけるブランド構築におけるとSNSコミュニケーションの可能性を探ります。
 1.ブランディングとは
 2.POSの出現による流通の変化
 3.パパママストアの原点
 4.モノを買う構造
 5.なぜTwitter
 6.Twitterの可能性
テーブルマーク(株)  コーポレートコミュニケーション部部長 末広 栄二 氏

【後半:受講者の皆様を交えた対談および質疑応答】 
Ⅲ.テーマ:「Twitterマーケティングの流儀」 【16:25~17:00】
多くのTwitterユーザに受け入れられる企業とは、どのような企業なのか。人気の企業アカウント「カトキチ」の実例を見ながら、いま求められるTwitterマーケティングの流儀について考える。

パネラー:          テーブルマーク(株)  コーポレートコミュニケーション部部長 末広栄二氏 および受講者の皆様
コーディネーター:(有)文殊コンサルティング 代表取締役 岩見周介氏

詳細およびお申し込みは、主催者セミナーページをご覧下さい。

続きを読む "[お知らせ] 3月16日に「おそれいりこだし」の加ト吉さんとセミナーやります" »

[データ] 電通「日本の広告費2009」を発表

 「日本の広告費2009」が電通から発表されました。それによると2009年の日本の総広告費は前年比88.5%の5兆9,222億円で、なんと2年前(2007年)に比べて1兆円以上も減っています。

 媒体別広告費についてはおおよその数字は事前にわかっていたので、それ自体に驚きはありませんでしたが、ついにインターネット広告費が新聞広告費を抜いてしまいましたね。河内孝さんは「次ぎに来るメディアは何か」(2010年1月 ちくま新書)の中で、新聞広告費は「2010年代の早い時期に、インターネット広告に抜かれると見られている」と書いていらっしゃいますが、2010年を待たずして抜かれてしまったわけですね。

 マス四媒体広告費は、前年比85.7%の2,793億円と大きく落ち込み、中でも新聞広告費は前年比81.4%の6,739億円となり、インターネット広告費(前年比101.2%の7,069億円)に抜かれてしまったのです。また、SPメディア広告費も前年比88.2%の2兆3,162億円と2年連続の落ち込みで、屋外広告、交通広告、DM、折込広告などすべてのカテゴリーでマイナスとなっています。

 マス四媒体の業種別広告費では、衆院選の影響で政党広告等が増えた「官公庁・団体」を除く20業種が前年比マイナスとなり、不況の影響を色濃く反映しています。

 そうした数字の中で私が一番気になったのは、『日本経済の成長と「日本の広告費」』という表です。この2年間(2007〜2009)のGDPの前年比は、それぞれ98.0%、94.0%ですが、対して広告費の前年比は、それぞれ95.3%、88.5%とGDPの落ち込み幅を超えて減少しています。
 以前、私が広告代理店に勤めはじめたころは、日本の広告費はGNPの約1%で国防費とほぼ同等でした。その後バブル経済期に広告費は急膨張したわけですが、今は年々マイナスとなっているわけです。

 このような数字を見ている限り、広告費の減少という現象(ダジャレじゃないです)は、全体のトレンドとなっており、単にマスメディア広告費がインターネットにシフトされたという単純な話ではありません。もはや「広告」という形態でのマーケティング・コミュニケーション活動自体が衰退期に入ったと言っても良いでしょう。
 以前、西正さんが「メディアや広告代理店は、企業の広告宣伝予算ではなく、販促予算を取りに行け」というようなことをおっしゃっていましたが、その分野では販売につながる「効果」が見えやすい、インターネットによる販促コミュニケーションに利があったわけで、大きな投資が必要にもかかわらず効果が見えにくいマスメディア予算は、不況で真っ先に削られてしまったのです。そのころ(一昨年末くらいまで)は、マスメディア広告予算がインターネット広告予算にシフトするという「広告⇒広告」のシフトにすぎなかったのだと思います。

 しかし、この一年で状況は大きく変化しました。つまり、マスメディアであれインターネットであれ、企業が「広告」につぎ込んでいた予算を減らしてきているのです。では、それらの予算をどこに振り向けたのかと言うと、おそらくは自社メディア(WEBサイトやメルマガ)の充実とソーシャルメディアの活用ではないかと私は思っています。
 もちろん、全体的に予算を縮小しているのでしょうから、いままで使っていた広告費をすべてそちらへシフトしたとは考えられませんが、そういった「広告費」という括りでは統計に表れない予算というのは、確実に増えていると思います。

 こうした不況下においては、直接的に売り上げに結びつく「販促」施策が求められそうだというのは、ある意味素人考えなのではないかと思います。こういう時にこそ、企業はその基礎体力を養うべきであり、そのため(ブランド価値や顧客との関係性のの向上など)のコミュニケーションにとって、広告ではなくソーシャルメディアを活用することはとても有効ではないかと思います。

電通のニュースリリース(PDF)

[コラム] ツイッター140文字の衝撃(後編)

 前回のコラムではツイッター140文字の衝撃(前編)をお届けしましたが、その後多くの読者のみなさんからフォローいただきありがとうございました。


 さて今回の後編では、ツイッターの本質的な部分について「ここがスゴイ!」と思っていることについてお話してみたいと思います。

 前回、メディアジャーナリストの津田大介さんが著書ツイッター社会論」の中であげている「リアルタイム性」「伝播力が強い」「オープン性」「独特のゆるい空気感」「使い方の自由度が高い」「属人性が強い」という6つの特徴について、私なりの見方を書きました。そして、予告として後編では私が今までコラムで取り上げてきた諸問題の解決に、ツイッターが役立つかもしれないという観点で取り上げてみたいと書きました。そのあたりを、いくつか見ていくことにします。

【課題1】ネット社会における情報の偏食化にどう対応すべきか

 まず最初に取り上げたいのがこの課題です。このコラムの第一回で話題にした「知の栄養バランス」という話を覚えていらっしゃいますか。三色情報群という仮説で説明したものです。
 
 たしかにインターネットは便利なのですが、情報を「検索」という行為によってふるいにかけたり、特定分野の情報だけをRSSフィードで追いかけたり、さらに興味分野のコミュニティで「同類」と集うといった行動や、ランキングによって読む本や見る映画、聞く音楽などを決めたりという行為が、明らかに情報の偏食化をもたらし、知の栄養バランスをくずして情報メタボになってしまうという現代病?につながっています。

 この課題の解決にツイッターが役に立つのではないかという仮説を私は持っています。ツイッターが今までのネットツールと決定的に違うのは、コトやモノを追いかけるのではなく、ヒトを追う(フォローする)という点だと思うのです。それもリアルタイムにです。ツイッターで誰かをフォローするきっかけはそれぞれ違うかもしれません。友人がフォローしているからとか、偶々面白いつぶやきを見つけたからとか、逆に相手にフォローされたからとか、いろいろあるでしょう。しかし、いずれにしてもフォローするのはヒトであって、コトやモノではないということに変わりありません。そこが重要なのです。

 ツイッターで生身のヒトをフォローするということで、ITジャーナリストの佐々木俊尚さんが「インフォコモンズ」の中で書かれていたような、ロボットではない生きたエージェントを手に入れることができます。既存型のSNSで友達になるとか、誰かのブログやソーシャルブックマークのフィードを読むとかという作業に比べ、圧倒的に簡単に多数の生きたエージェントを作れます。
 そして、このエージェントたちは生身のヒトですから、ひとりとしてまったく同じということはありえません。最初は何か同じ興味関心についてのつぶやきを見てフォローしたとしても、そのひとは必ずどこかでフォロワーである自分の知らないことをつぶやくでしょう。そこから新たな興味関心が広がるということは当然生まれてくるはずです。ヒトとヒトの関係だから、そういうことがありうるのです。一緒に遊びたい友達や恋人が、自分のまだやったことのない趣味やスポーツに夢中になっていたら、自分もやってみようかと始めるというのはよくある話ではないですか。テレビや雑誌で紹介されていて面白そうだと思っても、自分ひとりで始めるのはなかなかハードルが高いものです。

 さらにここで、第三回でとりあげたセレンディピティも関連してきます。

 このコラムで、セレンディピティを高めるために気をつけるべきこととして、
  1. 自ら偶然を得るチャンスを狭めないこと
  2. ひとつの「目標」に意識を集中しすぎないこと
  3. 自分のもつ「常識」や「仮説」に合わない事象に注目してみる
の3点を挙げましたが、ツイッターをやっていると自然とこの3つをクリアしていたりします。もしかすると、ツイッターは幸運な偶然に出会う場としてもとても貴重なものかもしれません。

【課題2】顧客の「囲い込み」という発想は、もう通用しない

 さて、つぎに取り上げたいのがこの課題です。そもそもインターネットが普及し人々がどんな情報も簡単に手に入れたり交換したりできる時代には、顧客の囲い込みという発想自体が無意味です。ひと昔前は、「しくみ(システム)」による顧客囲い込みというのが流行しましたが、最近は心理的な絆で囲い込もうとするエンゲージメント・マーケティングなどというものが流行っているようです。しかし、実際には「絆」を持ちたがっているのは企業側だけで、そんな一企業・ブランドに魂を預けるような関係ではなくて、もっとゆるい関係でつながっていたいと思う消費者も多いのではないでしょうか。
 ツイッター上でフォローしたりされたりして、相手のつぶやきを読もうが読むまいが自由気ままというゆるい関係は、これからの企業と消費者の関係を暗示しているように思えます。企業側からの押し付け的な関係構築は論外ですが、企業側も消費者のさまざまな要望を次から次へと満たしていかなければならないというような強迫観念を捨てて、お互いのカジュアルなコミュニケーションの中から、創発的に生まれた新しい価値を製品として具現化するような、そう
いう関係が生まれてくるのだと思います。

 こうしたツイッターでの関係は、第四回のコラム「受け手の心得」の中で書いた、受け手が「構えずに受ける」状態にあるため、より感覚的・直感的に情報に接しているとも言えます。

 ですから「検索&閲覧」という行為にくらべると、よりテレビ視聴などに近いリラックスした状態での情報接触行為と考えられ、先入観なく情報を受け入れやすく、偶然の出会いに対しても意外性による拒絶反応が起きにくい心理状態にあるように思います。つまり、売り手に対する買い手の敵対意識、もしくは警戒意識が下がっている状態ができているため、ツイッターという場においては、下手な仕掛けをするよりも自然体での対話が効果的だと言えるでしょう。

 また、ツイッター自体も、そのオープン性を生かした(既存型SNSのような広告モデルではない)新しいビジネスモデルを打ち出してくることでしょう。それがどのようなものになるかは、まだわかりませんが、決してユーザを囲い込むという方向でないことだけは確かだと思います。

【課題3】売り手(買い手)の顔が見えない

 最後に取り上げる課題はこれです。こちらもひと昔前、企業側がよく「買い手(消費者)の顔が見えない」と言っていました。ターゲットプロファイルを明確化しろとか(ペルソナ・マーケティングも流行りましたね)、消費者ニーズを探るための徹底的な調査をやれとか、いろいろありました。政治(選挙)も同じですね。有権者の顔が見えないという政治家も多くいました。

 しかし、最近は逆の現象というべきか「売り手の顔が見えない」ことに対する不安を買い手側が口にするようになってきました。オンラインメディアの普及により、第三者がもたらす情報が企業や政治家をほとんど丸裸の状態にしているわけですが、それでも当事者個人のことばを直接聞かないと、買い手の不安は解消されません。そうした中で、ツイッター上の法人や公人としての奥歯にものがはさまったような発言ではない、企業の中の人や政治家の個人としてのつぶやきによって、企業や政治を身近に感じられるようになってきているよに思います。ここでもヒト対ヒトのリアルタイムに近いコミュニケーションというツイッターの特徴が生きていると言えます。

 このことは、買い手側だけでなく売り手にとっても大きなメリットをもたらしています。企業や政治家にとって、消費者や有権者のナマの声を直接聞けるということはとても意味があります。ツイッターの特性上、リアルタイムでどんどん流れていくタイムライン上でつぶやかれる言葉は、論理的に組み立てられた言葉というよりも、反射的に出てくる短いフレーズであることのほうが多いと思います。そこにはアンケート調査やグループインタビューを通じては決して得ることのできない(あるいはブログ記事からさえも得られない)、買い手のホンネ(もしかすると、つぶやいた本人も気づいていない潜在意識さえも)が表出してくる可能性があるのです。まさに情報の宝の山です。

 さて、今回の後編はいかがだったでしょうか。かなり長くなってしまいましたが、ツイッターに関してはまだまだ書くべきことはたくさんあります。また別の機会を見つけて、このブログやメールマガジンで書くことにします。

[イベント] Twitter Night Vol.4

 今夜はTwitter Night Vol.4に行ってきました。今回で4回目になるTwitter Nightですが、サブタイトルに「ツイッター本著者と2009年のつぶやき納め」とついているように、この秋出版されたツイッター関連本の著者の方々をお招きした「忘年会」のようなスタイルで、カジュアルな楽しいイベントでした。

Twn4

 写真は壇上のツイッター本著者の方々ですが、ツイッターアカウントでご紹介すると、左から@knnkanda(神田敏晶)さん、@himanainu_kawai(川井拓也)さん、@tsuda(津田大介)さん、@akihito(小林啓倫)さん、@hiro_roadstar(小川浩)さん、@mikanaitoh(内藤みか)さん、そして到着が遅れている@masakiishitani(いしたにまさき)さんの代理の出版社の方です。
 出演者の方々のトークは、執筆秘話あり、ジョークあり、バトルありとほんとうに楽しませていただきました。いずれの著者の方も、ツイッター本を出すことになった経緯については、けっこう偶然ぽいいきさつがあったようです。

 イベント全体としては、お酒も入っていたことですし、登壇者も会場のみなさんも「ツイッター忘年会」を楽しんで帰られたのではないかと思います。ちょっと残念だったのは、だれかのつぶやきにもあったのですが、最後の会場からの質問タイムのときに、妙に真面目な(ビジネス的な)質問をするちょっとKYな方がいらしたので、一気に酔いがさめてしまいました。そういう質問は、昼間のセミナーでとか、終了後に個別にとかでしてもらいたかったんですけどね。

 まっ、楽しい会でした。ありがとうございました。

関連エントリー:[書評] ツイッター関連新書4冊を読みくらべ

 

[コラム] ツイッター140文字の衝撃(前編)

 もう半年近くもメルマガの配信をサボっています。読者の方にお会いするたびに「今月は出しますから」と言いながら、すっかり狼少年になってしまいした。

 実は、その間このブログの更新も滞り気味で「いったいオマエは何をしてたんだ」と言う方が多いと思うのですが、中には「アイツが毎日何をしてるかは大体知ってるぜ」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 いったいこの差は何だと思いますか?

 そうなんです。ツイッターなんです。ツイッターで私のことをフォローしてくださっている方は、日々私が何をしているかほぼ丸見えなんですね。私自身もこのツイッターという発信ツールを手に入れてから、ブログやメルマガを構えて書かなくても、知りたい人に必要な情報は伝わるので、その便利さにすっかりハマってしまったというわけです。ツイッターひとつで、ブログもメールもチャットもミクシィも全部肩代わりしてもらっているという感じです。

 さて、ではツイッターの何がそんなにスゴいのか?という話に移りたいと思いますが、実はそれを一言で言うのはたいへん難しいのです。メディアジャーナリストの津田大介さんの言葉を借りると、ツイッターには「リアルタイム性」「伝播力が強い」「オープン性」「独特のゆるい空気感」「使い方の自由度が高い」「属人性が強い」という6つの特徴があると言います。とりあえずこの6つの特徴に沿って、私なりのツイッターに対する見方を書いてみます。

 「リアルタイム性」:これについては、ツイッターを使っている方ならすでに何度も実感されていると思います。自分のタイムライン(ツイッターのユーザ別マイページ掲示板のようなもの?)には、常にリアルタイムで何が起きているのか、誰かが何をしているのか、何を思ったのかが流れています。マスコミ報道よりも早く、いろいろな情報が流れることもしばしば。たとえば、多くのツイッターユーザが、マイケル・ジャクソンの死亡を最初に知ったのはツイッターだったと言っていますし、自分のつぶやき(投稿)に対する反応もすぐに返ってきます。さらにツイッター検索では、特定のキーワードに関して直近につぶやかれた内容をすぐに拾ってきますし、「今」その瞬間を感じるメディアとして、ツイッター以上のものは、現在まだないのではないかと思います。

 「伝播力が強い」:これは、特にツイッターのRT(ReTweet)という行動によるものだと思いますが、つまり自分が読んだつぶやきを面白いと感じたときに、簡単にそれを再度つぶやく(メールの転送のようなもの)ことができるということです。あるメーリングリストで読んだメールを、別のメーリングリストに再投稿するようなものですね。現在は、ツイッターの公式ウェブにもこの機能が実装されたので、さらに簡単に口コミが広がりやすくなりました。

 「オープン性」:ツイッターはミクシィなどと違い、閉じたネットワークではありません。つぶやきは(非公開設定にしない限り)すべて検索エンジンから検索できますし、プログラムもオープンなので、サードパーティがツイッターのエンジンをベースにした、さまざまなアプリケーションを開発し、その多くは無償で提供されています。

 「独特のゆるい空気感」:これこそ、今までのインターネットサービスに無かったツイッターの特徴かもしれません。例えば、ミクシィのマイミクや足あとといったものがツイッターには存在しないのです。面白いと思ったユーザのつぶやきは、誰でも勝ってに追っかける(フォローする)ことができますし、逆にフォローされたからといって、必ずしもこちらがフォローを返す必要はありません。自分のつぶやきが誰に読まれたかもわかりませんので、メールのように返事を書かなければというプレッシャーもありません。これは新しいです。

 「使い方の自由度が高い」:ツイッターはいろいろな用途に使えます。私は、情報発信も情報収集も最近ではツイッターをメインに使っていますし、メールの代わりに連絡に使ったり、チャット的にリアルタイムのやりとりをしたり、手帳代わりにメモとしてつぶやきを残しておいたり、多用途に使っています。それぞれのユーザも、ブログのように発信するだけの人、情報収集だけの人、他人のつぶやきをRTするだけの人、会話を楽しむ人とさまざまです。使い方は人それぞれで、自由にいろいろな用途に使えることもツイッターの魅力です。

 「属人性が強い」:ツイッターの大きな特徴として、端末の向こう側の「人」を感じられるということがあります。ロボットが勝手につぶやくアカウントもありますが、たとえ企業アカウントであっても、つぶやいているのは「人」だというのが基本で、テーマ別会議室があるわけでもなく、気に入ってフォローするのは、あくまでも「人」なのです。他のBBSやSNSに比べると匿名性が低いということも言えるかもしれません。あくまでフォローするのは「人」なのでいつも無責任なつぶやきを繰り返す、どこの誰だかわからないアカウントは、スパム扱いされて誰からもフォローされなくなり自然に淘汰されて行きます。

 ここまで、ツイッターの面白い&役に立つところを、ずらずらと並べてきましたが、まだアカウントをお持ちでない方も、少しは興味を持っていただけたでしょうか。

 おまけですが、ツイッターでフォローをしていると、たとえば新聞やテレビでは絶対に見ることのできない、あの蓮舫議員ご本人のこんな自虐的なつぶやきも見ることができますよ。下のURLにアクセスしてみてください。

http://twitter.com/renho_sha/status/6130465014

 実は、私がツイッターを「スゴい!」と思っているいる理由は、今日書いたことだけではないのです。もっと本質的な部分で、今までこのブログでいろいろ投げかけてきた問題について、ツイッターがある種の解決策となり得ると考えているからなのです。それについては、次回(後編で)お話します。

 ツイッターについていろいろ知りたい方は、最近のブログエントリーの中で新書4冊の紹介をしていますので、そちらをご参照ください。

[雑話] 今日の日経MJの1面はツイッター特集だった

 ツイに日経MJが一面でツイッター特集です。「豚組しゃぶ庵」のオーナー中村仁さんが新メニュー有料試食会開催のつぶやいたところ、40分で30人以上の予約があったという記事にはじまり、ビジネス利用に関する事例などを詳しく掲載していました。

 紙上ツイッター企画として、ビジネスへの活用法について7人の先行企業や識者(フジヤカメラ店日産自動車、歌手の広瀬香美さん、川井拓也デジタルハリウッド大学院教授、ヤフー!ショッピング福助、粒谷区長のミュージシャン小宮山雄飛さん)のつぶやきも掲載されていました。

 そして、まとめとして「つぶやき成功の5ヵ条」が書かれていました。

  • 第1条 リアルな登録者1000人を目指せ
  • 第2条 「今だけ」のリアルタイムで勝負しろ
  • 第3条 個性でリアリティーのある演出を
  • 第4条 現実のコストとリスクを自覚しろ
  • 第5条 リアルな一言を追いかけろ

という5つなのですが、まあこれが決定的な条件とも言えないと私は思いますが。とにかく詳しくは23日の日経MJ紙面をご覧になってください。<日経新聞のまわし者ではありませんので、念のため(笑)

 全体を読んで、取材記事としてはよくまとまっていて、さすがは大手新聞の記者さんだなと思いましたが、残念ながら記者さんご自身はおそらくツイッターのヘビーユーザではないのだろうと感じました。MJ紙の一般読者にはわかりやすい記事だったと思いますが、若干ツイッターの本質からは離れてしまったかなというふうにも感じられました。

 というわけで、ツイッターに関心があって、もう少し詳しくツイッターのことを知りたいという方は、先日のエントリー「[書評] ツイッター関連新書4冊を読みくらべ」でご紹介した書籍などをお読みなる事をおすすめします。

Img_0123

[書評] ツイッター関連新書4冊を読みくらべ

 この秋出版された、Twitter(ツイッター)関連の新書4冊を読んでみました。

 出版の早い順(たぶん)に

の4冊ですが、どれも同じTwitter(ツイッター)について書かれているとは言うものの、それぞれ少しずつ視点が違うので、読み比べてみると大変面白かったです。また、4冊のうち3冊の著者(小川さん、津田さん、神田さん)とは何度かお会いした事があるので、いろいろと「らしいなぁ」と思えるところがあって、それも楽しかったですね。

 個別の書評は、あらためてレビューブログのほうで書こうと思いますが、簡単に私が感じたそれぞれの本の特徴をあげておくと、

  • これからツイッターを使ってみたい人には「ツイッター140文字が世界を変える」がおすすめ
  • ビジネスで活用してみたいなら「仕事で使える!Twitter超入門」
  • ツイッターを社会現象としてとらえるなら「Twitter社会論」
  • ひとつのメディアとしてツイッターを考えてみたければ「Twitter革命」

といったところでしょうか。
 基本的に「...世界を変える」と「...超入門」は、ツイッターとは何かを一から知りたいとか、いろいろな使い方の事例を見てみたいという人にとって、非常にわかりやすく書かれているツイッター入門解説書だと思います。
 一方、ジャーナリストのお二人が執筆された「社会論」と「革命」は、単なる解説にとどまらず、ツイッターに対する独自の論考をそれぞれ展開されています。技術論とかではない大きな視野で、ツイッターという新しいリアルタイム性の強いソーシャルメディアの出現によって、社会における人々のコミュニケーションや報道(ニュース)メディアのあり方といったものが、どのように変わっていくのかなどが語られていて、非常に興味深いものがあります。

 というわけで、どれか一冊がおすすめというわけではなく、できることなら4冊全部を読み比べてみるのが面白いと思います。

[イベント] デジタルマーケティングNEXT 2009(その2)

 今日は、午前中また東京ビッグサイトのデジタルマーケティングNEXT 2009へ行ってきました。目当てのセッションは、主催者セミナー「マーケティング・プロセス・イノベーション」神岡太郎先生の講演と、デジタルサイネージコンソーシアムのパネルディスカッション「デジタルサイネージのここが問題だ」の二つでした。

 最初の神岡先生のセッションは、「顧客との関係で企業の価値を考える」という視点でマーケティング・プロセス・イノベーションを起こすというお話です。
 簡単に説明する事は難しいかもしれませんが、要はマーケティング・プロセスの構造変化が起きているということ。例えば、Media Landscape、Digital Technology、CGM/CGX、Accountability、CSR、Globalization、Industry Structureといったところで大きな変化が起きていて、そうした変化に対応できないマーケティングが機能しなくなってきているという話をされていました。
 こうした状況の中で、ビジネス全体の仕組みを構築し直す必要があり、マーケティング活動を企業活動全体の中にどのように組み込むかが重要になる。そのために必要なのは、顧客との関係を中心にしたビジネスプロセスの変革であるということです。
 つまり、ここで必要なのはマーケティング・イノベーション(マーケティングそれ自体のイノベーション)と言うより、マーケティングをキーにしたイノベーションで、顧客中心にビジネスロジックそのものを構築し直すことだというわけです。
 ともすると、マーケティングに関しては「イノベーション」まで行かずに「イノベーティブ」で終わってしまうことが多い。いくらイノベーティブな「プロジェクト」を実施しても、そこで得たインサイトやナレッジをプロセス化(可視化)しなければ、イノベーションには至らないので、そこを大切にするべきだということでした。

 次の、デジタルサイネージコンソーシアムのパネルディスカッション「デジタルサイネージのここが問題だ」では、IMAGICA イメージワークスの喜多村真氏、彩ネットアドの佐々木大祐氏、寒山の川村行治氏をパネリストに迎え、DSC 江口靖二氏の司会進行でいろいろな意見が出されました。

Img_0105

 全体的なトーンとしては、江口氏の「(デジタルサイネージは)新機軸のメディアととらえるよりも、既存ローカルメディアの進化型と考えた方がよいのではないか」という発言に象徴されるように、大都市繁華街の大型サイネージをWEB広告やマスメディア的に使うと言うより、デジタルテクノロジーによって設置や更新が簡単になり、手軽に発信可能なローカルメディアとして地元密着型で発展させていくべき、という感じでまとまりました。
 実際、私もそう考えています。とりわけローカルの中小企業にとっては、WEB同様に自社メディアとしての有効活用が可能だと思います。全国、全世界へ向けて発信するWEBと、特定エリア向け情報発信ツールとしてのデジタルサイネージのコンビネーションは、何か可能性を感じるものがあります。

 デジタルマーケティングNEXT2009会場を、これにて後にしました。全体的な感想を言うと、もう少し出展者が多ければ面白かったのではないかと思います。せっかくセミナーでは面白いテーマも多く出ていたのですから、展示のほうも充実してもらえば良いイベントになるのではないでしょうか。とりあえず来年に期待です。

[イベント] デジタルマーケティングNEXT 2009

 今日は、午後から東京ビッグサイトで開催されている「デジタルマーケティングNEXT 2009」というイベントに行ってきました。本当は午前中最初のセッションを聴講する予定だったのですが、会場を東京国際フォーラムと勘違いしていて、のこのこ有楽町へ出かけていって大失敗!というわけでした。

 いくつか面白そうな展示ブースをのぞきながら、電通国際情報サービスの「マーケティングプロセスデザインのすすめ(電通Gが提案する新しいマーケティングの形)」とニフティの「ニフティが実現する『ファン・リレーションシップ・マーケティング』」という2つの出展社プレゼンテーションを聞いてきました。

 最初の「マーケティングプロセスデザインのすすめ」での話は、確かにそうだなとうなずける部分は多くあったのですが、それをITを駆使したツールでプロセスをシステム化しようとすることには、若干の無理があるように感じました。
 顧客の声(情報)を正しく収集し、それを循環(全社的な共有)させ、顧客満足の向上のための施策に反映させるというプロセスは絶対必要だし、特に「循環」の部分が従来日本企業の中での課題であることも確かだと思いました。
 また顧客満足についても、満足度を「低下させない」という自社の弱みをつぶすという消極的なアプローチは、短期的には必要かもしれないが、結局マイナスとゼロに引き上げることでしかなく、中期的にはさらに強みを生かして「満足度向上」を図る必要があるだろうし、その先には「顧客の期待を超える」満足の提供ができるようなことも求められるという話も、まさにその通りだと思います。
 ただ、実際にそれを実現している企業というのは数少ないと思いますし、例えばリッツ・カールトンのような会社がITの力に大きく依存しているかと言えば、そうではなくてもっとアナログな手段を多用しているわけです。ですから、ITツールが何でも解決してくれるというような期待を持つ前に、企業がやるべきことはたくさんあるはずで、そこをきちんとしてからツールを導入しないと、結局失敗に終わるのだと思います。

 次のニフティのプレゼンテーションは「ファン・リレーション・マーケティング(FRM)」というテーマで、ブログ等のCGM、ソーシャルメディアからどのように消費者の情報を収集し、その分析結果を生かしてソーシャルメディアにフィードバックして「ファン」を増やし、また関係を深めていくかという話でした。
 いろいろな事例の紹介もあり、全体的にわかりやすいプレゼンテーションでした。私たちの会社でもニフティのブログ解析システムを導入していることもあり、今月行われる大幅な機能バージョンアップには期待をしているところです。同システムを使った分析事例などを、このブログでもご紹介したことがありますが、今後も自主分析事例をどんどん公開していきたいと思っています。

 ブース展示の中では、今回特に目新しいものはありませんでしたが、各社さんいろいろと新サービスの開発をされているようですので、今後の動きに注目です。

[雑話] 東京ビジネス・サミットで思ったのですが・・・

 先週11月4日、5日に開催された「東京ビジネス・サミット2009」に出展したことはこのブログにも書きましたが、実は今日そのときにいただいた名刺の整理をしていて、ある事実にあらためて気づきました。

 それは何かというと、メールアドレスの入っていない名刺が意外に多いということです。私たちはビジネス上で電子メールを使ってコミュニケーションすることは、もはや当たり前のこととして日々仕事をしていますが、実は今回のイベントのように中小企業が多く参加する場では、メールアドレスの入っていない名刺を持って商談をしている人も少なからずいるという事実に、ちょっと驚きました。

 もちろん、スパムメールがどんどん来るのがいやなので、あえてメールアドレスを記載しないという人もいると思います。しかし、そうではなくて電子メールは使わない(使えない)という人も少なくないようです。以前のコラムにも書いた、情報リテラシーの世代間格差というのは現実の話です。デジタルネイティブと呼ばれる世代が社会人として登場する一方で、中高年のデジタルデバイドも確実に存在します。このように、情報リテラシーが全く異なる世代間のコミュニケーションというのは、これからのビジネス課題として大きいと思います。

 メディアコミュニケーションについて語られるとき、今までどうしても「どこで」「どれくらい」ということが重視されてきましたが、やはりその前提となる「何のために」「何を」「誰に」「誰が」コミュニケーションするのかを、きちんと考えなくてはいけないと思います。

 最近は、インターネットを中心としたテクノロジーを駆使したマーケティングコミュニケーション手法が人気、というか流行りのようですが、テクノロジーに頼りすぎる大企業よりも、ローテクでも顧客と深いコミュニケーションをとっている中小企業の製品・サービスのほうが魅力的に見えることも多いように感じます。

 今回の展示会で多くの方と接して、あらためて「本物」を「本気」で世に送り出している中小企業の方々を、もっとしっかりと応援していけるようにしたいという思いを強くしました。

[メディア] やっぱテレビのPR効果はスゴイ

 今朝、フジテレビの「とくダネ!」で夏のボーナス商戦の特集をやっていて、その中で銀座のデパートと並んで紹介されていたのが、ニッセンが運営するオンライン・アウトレットモール「BRANDELI」でした。

 あまりの安さの紹介に、カミさんが「このお店どこにあるの?調べてよ」と言うので、「実店舗はないと思うよ。ネット通販専業でしょ。」と答えると、「ちょっとサイト調べてよ」と来たので早速ググってみました。さすがニッセン、ちゃんと検索結果トップにあがってきたので、ポチっ。
 しかし、出てきた画面は「Too Busy!」のエラー表示。う~ん、天下のニッセンでも捌ききれない量のトラフィックが集中しちゃうんだ。やっぱテレビのPR効果はすげ~な、と実感した次第です。

 で、ようやくつながって(重かったけど)サイトのトップページを見てみると、しっかし受け皿作ってあるじゃん。「テレビ初登場記念」のタイムセールだって。抜け目ないねぇ。

Ci090604090718

[雑話] 梅田望夫氏インタビュー記事に思う

 月曜日、火曜日と連載されたITmediaの梅田望夫氏へのインタビュー記事について、各所で話題になっているようですが、とりあえずこの記事を読んでみての私の感想を書いておきたいと思います。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0906/02/news062.html

Web、はてな、将棋への思い 梅田望夫さんに聞く(後編) (1/3) - ITmedia News via kwout

 そもそも、梅田さんに対する世間の認識と言うのは「ウェブ進化論」の著者で、シリコンバレーに住む将棋好きのコンサルタントという程度のものでしかないのではないでしょうか。

 「ウェブ進化論」自体はとてもよく書かれた本だと思いますし、当時すでに突入していた次世代インターネット世界のようなもの(端的に言えばweb2.0)に対して、日本人にも理解できるある一定の解釈を示したものとして評価しています。
 しかし、「ウェブ進化論」が「web2.0っていったい何だ?」というオジサンたちのバイブルみたいな形で売れてしまったことが、不幸の始まりではないかと思うのです。はっきり言って「web1.0」すらわかっていないオジサンたちにとっては、「ウェブ進化論」を読んだところできっと理解できなかったと思います。表現は悪いですが、梅田さんは最初から「頭の固いオジサンたち」や「志が低くバカな若者たち」は相手にしないというスタンスだったわけで、「ウェブ進化論」は新書として刊行されるべきではなかったのかもしれません。

 基本的に梅田さんの関心は「あちら側」にしかないのだと思うのです。「あちら側」というのは、ネットのあちら側という意味での先進技術と海のあちら側という意味でのシリコンバレーを指して言っているのですが、日本で「こちら側」の人たち(日本語ネットユーザたち)が生み出した「ネット文化」というようなものには、まるで関心がないのだと思います。
 ですから、彼のインタビューでの言論に特に目くじら立てる必要もないと思いますし、梅田さん自身がユーザとしてどっぷり浸かっているわけではない日本のネット社会について、あえてああだこうだと細かくコメントすることを避けるのは当然でしょう。まあ、だったらはてなの取締役をやっている意味はなんなんだろう、とは思いますけどね。

 いろんなメディアに関わる「文化」というものは、ラジオ文化、テレビ文化、雑誌文化、マンガ文化・・・もネット文化も同じでね、ユーザ(オーディエンス)が作り上げてきたものだと思うんですよ。よくマスメディアの制作者(テレビ制作者とか雑誌編集者とか)には、そうしたメディア文化は自分たちが作ってきたと自負している人が多いんですが、それは思い上がりだと思いますね。同様にネット文化についても、いろんなテクノロジーを開発して提供している「あちら側」のエリートたちが創ってきたのかと言うと、私はそうではないと思っています。そのあたりを梅田さんには理解できないんだろうな。

 テレビを見たり、マンガを読んだり、ネットに耽ったり・・・良くも悪くもそういうバカと暇人がメディア文化を創ってきたんですよ。オーディエンスのいないメディア、ユーザのいないネットなんて何の意味もないでしょ。そういう「大衆」が作り上げた「文化」をバカにすると、ビジネスだってうまくいかないと思いますよ。

 だからね、日本のネットの中に身を置かない梅田さんには日本のネットについて語って欲しくはないし、ニュースしか見ない池田信夫センセイにテレビについて語って欲しくないんだな。
 もう少しみんなメディアを「文化」として考えたときにどうなのかってことを議論すべきだと思うんですよね。われわれ一般生活者にとっては、制度とか技術とかそういうものより文化のほうが重要だと思うのですがね。

続きを読む "[雑話] 梅田望夫氏インタビュー記事に思う" »

[イベント] ライブラリートーク:デジタルノマドとしての新しいキャリアの可能性

 昨夜はアカデミーヒルズ六本木ライブラリーで、小山龍介さんがファシリテーターとしてシリーズかされている「六本木ライブラリーシナプス」の4回目、松村太郎さんのライブライートークを聞いてきました。

 就職氷河期に大学を卒業し、やむなく?フリーランスで仕事をするようになったという松村さんの語る「新しいキャリアの可能性」というお話は、とても面白く聞かせていただきました。
 実際、松村さんが大学卒業を迎えられた時期(2002年ごろ)は、ITバブル崩壊で信じられるものが何も無くなり、「ミカタ」は誰?、「武器」は何?と自問したそうです。そんな中で、周囲との関係性において「コミュニケーションが作るキャリア」というものがあってもいいのではないか、と考え今の道を選んだのだそうです。

 ところで、現在私自身が興味を持って取り組んでいる「パーソナルブランディング」を支援しようという試みにも、いろいろと役に立つお話がいっぱいありました。コミュニケーションは常に受け手にイニシアティブがあるし、ブランドは相手が作るものです。
 そのことについて松村さんのお話でとても面白いと思ったのは、「相手のフィルターにかけられた自分」を見るというところでした。相手が自分に対して立てた「flag」やつけられた「tag」が何なのかを意識するということです。なるほど、わかりやすい!と唸ってしまいました。

 もうひとつ面白かったのは「自分興味史」を作ってみるというお話です。小さい頃から現在に至るまで、自分が興味を持った事柄を洗い出してマッピングする。さらに、それらひとつひとつを関連付けてグルーピングしたりすることで、自分の興味の中心が何なのかをあぶりだすという作業です。「興味をcorabolationさせてidentityを作る」のだそうです。これ、すごく面白いです。ぜひ自分もやってみようと思います。

 後半は、小山さんと松村さんの対談の中から、いろいろと面白いまとめが見られました。小山さんの「編集力」はさすがですね。特にtwitterについてのお二人の話は興味深いものがありました。twitterのつぶやきは、メールとちがって勝手につぶやいているだけで必ずしも返信を求められるものではないし、そうした「ゆるい」つながりはこれからソーシャルコミュニケーションの中でますます増えるのではないかと思っています。
 松村さんはフリーランスでのキャリア=デジタルノマドという働き方について、どのように社会との関係性をデザインするかというsocial designというのが重要だというようなお話をされていました。それに対して小山さんから、それは「場のデザイン」と言い換えてもよいのではというコメントがありました。
 また、twitterのタイムラインの中でリアルタイム(10分以内のディレイ)で気づかなかったものに反応することはないし、スルーする力というのも必要だというお話がありました。そういう意味でtwitterのつぶやきに出会うことはある意味「偶然」であって、そのつぶやきに反応することは「偶然」を「必然」に変える作業なのではないか、というように小山さんはまとめていらっしゃいました。とても面白い発想だと思います。

 今回の「六本木ライブラリーシナプス」は、私が日頃関心をもっていることについて、いろいろと気づきをもらうことができて、とても有意義なものでした。小山さん、松村さん、ありがとうございました。

[イベント] 次世代広告夜会3

Jisedail2

 昨晩は次世代広告夜会3というイベントに参加してきました。「3」とついているように、このイベントは今回で3回目になるのですが、回を追うごとに中身は充実してきているように思います。 
 特に今回は、GW中に世話人の方のブログといくつかのSNSだけで告知したにもかかわらず、あっという間に100名の枠が埋まってしまったそうです。というわけで、参加者はかなり濃いメンバーというか意欲的な方々ばかりで、プレゼンテーションタイムの集中はもとより、ネットワーキングタイムも会場には熱気がみなぎっていました。

 プレゼンテーションタイムのプログラムは以下のようになっていましたが、途中飛び入りセッションもあり、かなりインタラタクティブに盛り上がりました。

1部 ad:tech Sanfrancicso報告セッション

1.現状認識:未来の生活者主導のメディア環境
2.世界的不景気のなかで課題とされたもの
3.最新コミュニケーションデザイン・ケーススタディ
4.Mobileはどうだったのか?
5.中小企業向けadsaceは?
6.SMXは?

モデレーター:アドイノベーター 織田浩一さん

スピーカー:adingo, 事業戦略室シニアマネージャー 椿奈緒子さん

2部 最新クリエイティブ・ケーススタディセッション

「生活者の心が動く、バイラルプロモーション」

博報堂エンゲージビジネス局 
インタラクティブ・プロデューサー 堀宏史さん

 1部の椿さんのプレゼンテーションには、若干のジェネレーションギャップを感じてしまいました。今の20代の人たちはここまで来てるのか、という感じで一部ポカンとしてしまった部分もありました。私が元気にしたいと言っているオジサンたちに比べると、外国語とITのリテラシーは格段に優れています。ほんと、スゴイと思います。そういうふうに感心させられるところとは別に、少なからぬ懸念もあるのですがそれは別エントリーで後日ゆっくり書こうと思います。

 2部の堀さんのお話は、SONY HandyCamの「Com with me」キャンペーンについてでした。このキャンペーンじついては、一部で「泣ける」広告として話題になっていたようですが、残念ながら私には刺さらなかったかなって感じです。
 子供の成長の各段階における「撮り逃し」を、時間の流れの不可逆性をWEBサイトで再現することで体験させる、「毎日がスペシャル」というコンセプトは秀逸だと思います。これによってホームビデオの使用機会創出によるマーケット拡大という目的はある程度は達せられたのだろうと思います。(キャンペーンの結果にはまだ触れられていなかったので、あくまで想像ですが・・・)
 ただ、ひとつ疑問に思ったのはマーケットを広げるということと、SONYの市場シェアを拡大するということは別なので、HandyCam以外のホームビデオカメラが売れるということも考えられるのではないかという点です。
 HandyCam購入者に何かSONY独自のサービスがついてくるといいですよね。機能面や価格面での差別化ではなくて、やっぱりSONYだなって感じる何かです。思いつくところでは、クラウド的なサービスですかね。無料のオンラインストレージにビデオファイルを格納できたり、WEBアプリケーションでビデオ編集ソフトを提供したりだとか、そういうことがあれば面白いかもしれませんね。実はもうやってたりして・・・

 最後にもうひとつ、この会に参加して感心したことがあります。実は今回、会場側の配慮なのか各テーブルに灰皿が用意されていたのですが、テーブルで喫煙している人はほとんど見かけませんでした。喫煙者の方々は離れたスペース(前回喫煙スペースになっていた場所)に移動して吸っていらっしゃいました。ほんとにマナーの良い(気遣いのできる)方々の集まりで、すばらしい会でした。

 世話役のみなさん、そして参加者のみなさん、ありがとうございました。

続きを読む "[イベント] 次世代広告夜会3" »

[マーケティング] Big Ideas for Social Influence Marketing

 このプレゼンテーションは、なかなか興味深いです。

 特に「Innovate with others or die alone」て言うのは強烈ですね。でも、その通りだと思います。

Social Influence Marketingとは、藤巻幸夫さんが言うところの「巻き込み」に近いものがあるかもしれませんね。非常に短いプレゼンテーションですが、かなり本質をついているように思います。

[イベント] セミナー無事終了

 おかげさまで、先日ご案内したセミナーは無事終了しました。ご参加くださったみなさま、ありがとうございました。

 私のパートに関する資料を見られるようにしましたので、ご興味のある方はご覧ください。一部著作権等の都合で公開できないページがありますが、ほぼ全貌をご覧いただけると思います。

[データ] メディアの信頼度

 新聞通信調査会の調査レポートでこんなのが出てましたが、まあ昔とあまり変わっていないようですね。ネットの地位が少し向上したくらいですね。調査主体が新聞通信調査会なので、新聞の信頼度が高く出るのは当たり前のような気もしますが・・・

信頼度、NHKと新聞70点超=ネット58点、雑誌上回る-メディア調査

時事ドットコム(2009/03/06-17:09)

 新聞、通信事業の研究や普及活動を行っている新聞通信調査会(前田耕一理事長)が、メディアの信頼性を一般に点数化してもらう調査を行った結果、NHKと新聞が70点以上と高い信頼を得ていることが分かった。インターネットは58.0点、雑誌は48.2点だった。
 同会は昨年12月、18歳以上の一般男女3000人を対象に6つのメディアがどの程度信頼されているか調査。1906人から回答を得た。
 それによると、「全面的に信頼」を100点、「全く信頼してない」を0点として点数を尋ねた結果、NHKが74.0点で最も高く、次点は新聞で72.0点。民放テレビ65.4点、ラジオ63.6点と続いた。

 以前、広告についても調査したことがありますが、やはり掲載媒体で信頼度が高いのは新聞でした。次いでテレビがきて離れてラジオ、ネットと雑誌はかなり低かったです。
 雑誌に関しては、やはり週刊誌が足を引っ張っていますね。ガセネタっぽい記事とか、あやしいダイエット広告なんかが出てますからね。ネットの情報も、質の高いものが増えてきたということでしょう。それでも、まだ週刊誌的な出所不明のマユツバ情報が氾濫していますが、それらを見分ける読者側のリテラシーも上がったのかもしれませんね。

 NHKの強さについては、過去のエントリーにも書いたとおりです。

 

[データ] 2008年版 日本の広告費

 昨日電通が発表した「2008年(平成20年)日本の広告費」 によると、2008年の日本の広告費は6兆6,926億円で、前年比95.3%と5年ぶりの減少となったそうです。

 かつて私が広告代理店に勤めていたころ(といっても今から25年位前かな)は、日本の広告費は2兆円ほど(その内電通の売上が全体の約1/4の5千億円)で、GNPの1%くらいでした。ちょうど防衛費(当時は1%シーリングなんて言葉が流行っていたかも)と同等の産業規模だったわけです。それが、今や3倍以上になってしまったんですね。平成20年度の防衛関係費は約4兆4千億円ほどですから、対防衛費比較でも1.5倍になっています。

 広告費が5年ぶりに減少というと、なんだかすごく不況感が漂うのですが、そもそも今まで広告費を使い過ぎてきたのかもしれませんね。

 さて、媒体別の広告費を見てみると、対前年でプラスだったのはインターネット広告費(116.3%)と衛星メディア関連広告費(112.1%)のふたつだけで、マスメディアはもちろんのこと、屋外広告や折込などのプロモーションメディア広告費も前年比94.2%と5年ぶりに減少に転じています。
 インターネット広告費の中では、特にモバイル広告の伸び(前年比147.0%)が大きく、さらにその中でも検索連動広告は前年比200.0%の170億円に達したそうです。

 このように見ると、なんだかインターネット広告のひとり勝ちのようにも見えますが、実際には11月以降前年同月比マイナスになっているようですし、必ずしもそうとは言い切れないと思います。まあ、今後もネット広告費は伸びるのだと思いますが、伸び自体は鈍化してきていますし、ネット広告全体の中での内訳が大きく変わるのではないでしょうか。
 つまり、旧来型のディスプレイ広告では勝敗がはっきりしてきていて、単体サイトではヤフーのひとり勝ちで、その他のサイトはアドネットワークという形で合従連衡に流れるしか生き延びられない状況になってきています。ですから、今後伸びるネット広告分野というのは、やはり新しいテクノロジーによるもの(行動ターゲティングとかモバイルの新種広告など)以外にはないのだろうと思います。

 テレビに関しては、第四四半期の落ち込みが激しいですね。特にスポットは壊滅的打撃を受けているようです。不況になるとなぜテレビスポット予算が真っ先に削られるのか、それには次のような理由がありそうです。

  • コストインパクトが大きい
    他メディアの広告予算をこまごまと削ったところで、大幅なコストカットにならない
  • 広告効果が見えにくい
    売上に対する直接的効果が見えにくいため、削減のデメリットも目立たない
  • 臨機応変な対応ができない
    CM制作期間や発注リードタイムが長く、量の増減も難しい

 なので、この不況下の広告費の動きを見ていると、テレビ広告予算がネット広告に流れたというわけではなく、ネット広告予算は削減を免れたといったほうが当たっていると思います。

 さて、2009年の広告費はどうなるのでしょうか。まあ、間違いなく昨年より減るでしょうね。いったい昨年使われた広告費6兆7千億円が、いくらの経済(売上)をもたらしたのでしょうか。どうも、そのあたりが靄に包まれたままだと、今後ますます企業の広告費というのは削減されていくのではないでしょうか。

[イベント] 次世代広告夜会2

 あの次世代広告夜会から半年、ついに夜会2が開催されました。

Yakai2

といっても、私は夜会の前に夕方から開催された特別セミナーのみの出席だったので、夜会の盛り上がりを共有できなくてちょっと残念です。

 セミナーは「ad:tech NY 報告及び2009年デジタルマーケティング展望」と題して、「テレビCM崩壊」の監修者としておなじみの、アドイノベーター織田浩一さんが50分間の講演をされ、その後4名のゲストパネルを交えてのパネルディスカッションという構成でした。

特別セミナー:ad:tech NY 報告及び2009年デジタルマーケティング展望

1.今年のad:tech NYのテーマ

「デジタルテクノロジーがすべてのメディアを変革する」

 1) ターゲッティング
 2)インタラクティブ広告フォーマット
 3)ソーシャル・バイラル・視聴者&読者参加
 4)測定手法
 5)クロスメディアキャンペーン・トラッキング

2.ブランディング3.0

 ・消費者とともに育っていくソーシャルブランディングという考え方
 ・ソーシャルメディアは新たなCRM
 ・オンラインブランド評判管理
 検索、ソーシャルメディアはブランド評判を探る場所

3.リアルアクションを推し進めるオバマ大統領選挙ネットキャンペーン

 -Facebook創始者をキャンペーンマネジャーとして採用
 -平均一人$200で300万人以上の寄付。資金集めを根底から変える
 -理想的なメッセージとSNSによる仲間づくりがボランティアを集め、行動を 起こさせる
 -ソーシャルネットワーク、YouTube、iPhoneアプリ、ゲーム、手法は様々

4.さて、2009年は?

という盛りだくさんのアジェンダを50分で話すという荒業をやってのけてくれた織田さん、おつかれさまでした。

 実を言うと、私は「テレビCM崩壊」にJoseph Jaffeが書いている内容に関しては、かなり懐疑的に受け止めているのですが、それは置いておいてもテクノロジーの進化には、やはり目を見はるものがあります。

 オンラインTVに対するCMのターゲティング配信や、江口靖二さんのCESレポートにもあったテレビ画面上に表示されるウィジェットというのは面白いですね。きっと日本でも出てくるでしょうね。

 また、ブランディング3.0の話の中で「ソーシャルメディアは新たなCRM」というところは、まったくそのとおりだと思います。購買履歴によらない(商品を購入したかどうかに関係ないところでの)消費者との関係作りというのは、とても重要になるでしょうし、それが可能な技術環境が整ってきています。

 2009年以降を占うというパートでは、マス広告はブランディング、オンライン広告はダイレクトレスポンスといった切り分けには意味が無くなるし、広告効果を測る指標にも変化が必要だと織田さんはおっしゃっていましたが、これは私もセミナー等でいつも言っていることですし、広告主も代理店もメディアも頭の切り替えが必要だと思っています。

 もうひとつ「BIG IDEAからSMALL IDEAポートフォリオへとマーケティング・キャンペーンは変化し、個々のキャンペーンをテストマーケティングとして実施して、あらためてBIG IDEAを構築する」というお話はとても面白かったです。

 その後、休憩をはさんでパネルディスカッションへと入っていったのですが、残念ながら佳境にはいってきてところで途中退席することとなり、最後までは聞けませんでした。
 それでも、ネットでブランディングは無理だという先入観は少しずつ無くなりつつあるとか、マスもオンラインも含めた統合的な戦略が必要だとか、モバイルも単にトリガーメディアとしてだけでない使い方もあるなど、パネルのみなさんもパッションを持ってお話されていたので、次世代広告の時代を担っていく優秀な人材は結構いるのだと、ちょっと安心しました。

パネルディスカッション

ゲストパネル:
㈱サイバーエージェント コミュニケーションディレクター
須田 伸さん 

㈱ADKインタラクティブ 営業本部 第2営業部部長 
二木 純さん

ディーツーコミュニケーションズ 事業開発本部長
田中 紀之さん

博報堂DYグループ iビジネスセンター・クリエイティブディレクター
須田和博さん

 またまたこの企画を作ってくださった武富さんならびにスタッフの方々、その他いろいろな形で協力をされたみなさま、ほんとうにありがとうございました。

と言いつつ、また次回を期待しています。

続きを読む "[イベント] 次世代広告夜会2" »

[ニュース評] TBS株式の買取請求権行使、来年3月末までに判断=楽天

 楽天も苦しそうですね。認定放送持株会社への移行はTBSにとって逃げ道となるのでしょうか。いずれにしても、放送業界が厳しい状況にあることは間違いありません。
 そもそも、投資先として将来価値が期待できるとは思えない放送業界の株を、なぜ楽天は大量取得したのでしょうね。私なんかは、当時からテレビ局はやめておいたほうがいいと思ってました。事業的なシナジーもあまり感じられないし、メリットないんじゃないかと。

 どうも金を持つとマスメディアが欲しくなる人が多いようですが、もはやマスメディアは権力の象徴ではなくなっています。そうしたマスメディアの権力や権威を奪ったのは、まさにインターネットであるにもかかわらず、ネット関連業界の人が将来性のないマスメディアを手に入れたくなる心理が私には理解できません。あのマードックでさえ苦労しているのに、ネット関連企業がマスメディアを傘下におさめて運営していくのは、ちょっと荷が重過ぎるのではと感じます。

TBS株式の買取請求権行使、来年3月末までに判断=楽天

Reuters 2008年 12月 16日 12:07 JST

 [東京 16日 ロイター] 楽天の高山健・取締役常務執行役員は16日、楽天が保有するTBS株式の買い取り請求権を行使するかどうかについて、来年3月末まで検討する考えを示した。TBSの臨時株主総会後、記者団に明らかにした。

 TBSは同日開催した臨時株主総会で、認定放送持株会社への移行が承認された。このため、楽天を含む特定株主の出資比率は、議決権の3分の1未満に制限されるようになる。

 楽天はこの議案に反対し、株式の買い取り請求権を取得。楽天の高山常務は、TBSは来年4月に認定放送持株会社に移行する予定だとしたうえで、買い取り請求権を行使するかどうかについて「3月いっぱい、ギリギリまで考える時間がある」と述べた。

記事リンク: TBS株式の買取請求権行使、来年3月末までに判断=楽天 | Reuters

 



[メディア] 朝日新聞、テレ朝、KDDIの連携

 こういう連携もありなんですね。マスメディアにとっても、ケータイは無視できなくなってきているようです。

本社、テレ朝・KDDIと連携 携帯への情報配信など

asahi.com 2008年12月15日14時24分

 朝日新聞社とテレビ朝日、KDDIは15日、クロスメディアの新ビジネス開発で連携することに合意した、と発表した。事業連携の第一弾として、携帯電話の待ち受け画面を活用した新たな有料情報配信サービスを来年夏から始める。今後、クロスメディアの広告事業などでも連携を検討するとしている。

記事リンク: asahi.com(朝日新聞社):本社、テレ朝・KDDIと連携 携帯への情報配信など - ビジネス

朝日新聞とテレ朝、KDDIと提携 テレ朝はリクルートとも

2008年12月11日/日本経済新聞 朝刊

 朝日新聞社とテレビ朝日はKDDI(au)と月内にも業務提携する。auの携帯電話を対象にニュースなどのコンテンツ供給を増やす。朝日新聞グループは 情報通信やネットと連携し、新聞・放送両媒体のコンテンツ活用を急いでいる。10日にはテレビ朝日とリクルートの資本・業務提携も発表した。  朝日新聞はすでにau携帯の待ち受け画面のニュース・コーナーにニュース記事を無料閲覧用に供給している。今回の提携で新たに、有料配信用の記事供給を 始める。テレビ朝日は動画コンテンツを供給。コンテンツから得られる有料課金収入や広告収入は供給元がKDDIと分け合う。リクルートとの提携では、リク ルートがテレビ朝日の発行済み株式の2.1%を朝日新聞社などから25億円で取得。テレビ朝日も同額のリクルート株を取得する。今後両社は、インターネッ トや地上デジタル放送を使った新規事業の開発を目指す計画だ。

記事リンク: 朝日新聞とテレ朝、KDDIと提携 テレ朝はリクルートとも�モバイル-最新ニュース:IT-PLUS

 

[イベント] ネットイヤーグループセミナー

 今日は、ネットイヤーグループ主催のセミナーに行ってきました。

 第一部は時事通信社の湯川鶴章さんの「次世代マーケティングプラットフォーム」というテーマでの講演でした。内容は同タイトルの湯川さんの著書から、そのエッセンスを伝えていただくという感じのものでしたが、特にいくつか印象に残ったお話を挙げておきたいと思います。

  • 近未来予測の方法論
    1. 究極の未来を考えてみる
    2. 現在地を確認する
    3. 1.と2.の間に通過点「近未来」がある
  • 急速な技術革新に見舞われた業界に通じる法則性
    1. 後発技術が一時的に売上高逆転
    2. 先発・後発ともに売上高が伸びる
    3. 先発技術の売上が急速に衰える
  • 変化は周縁から起こる
    1. 新旧が一気に入れ替わるのではなく周縁部に変化が起きる
    2. 周縁部(新)が急速に拡大する
    3. コア部分(旧)がゆっくりと縮小していく
  • サザエさんの「三河屋さん」的プラットフォームの確立
  • 思いがけない幸運な出会いの演出

とまあ、このようなことをいろいろとお話してくださったのですが、とても面白かったです。湯川さんの近未来予測に対しては、私は一部違った見解を持っていますが、そのあたりについては書評エントリーのほうをご参照ください。

 さて、第二部はネットイヤーグループの佐々木裕彦さんによる「ビジネスイノベーションを生み出すWebセントリックマーケティング」というプレゼンテーションでした。

 このWebセントリックマーケティングというのは、すべてのマーケティング活動の中核としてWEBを位置づけ、中長期的なマーケティングROIを高めていこうという、ネットイヤーグループが提唱する新しいマーケティングの考え方です。
 たしかに、いろいろと定量的な測定がしやすく顧客とのエンゲージメントを築きやすいWEBを中核に据えたマーケティングというのは、ある意味理にかなっていると思います。いくつかの事例も紹介されていて、こちらもなかなか面白いプレゼンテーションでした。

関連エントリー:[書評] 次世代マーケティングプラットフォーム/湯川鶴章

[書評] 次世代マーケティングプラットフォーム/湯川鶴章

 この本はいろいろな意味で面白かったです。それは、究極の未来と現在地の中間に近未来像を見出すという、近未来予測の手法であったり、様々な産業の変革の歴史的事実から広告・メディア業界の未来を読み解くといった観点であったりします。

 「広告とマスメディアの地位を奪うもの」という副題がついていますが、私自身今までの経歴の中で広告・マスメディア業界とインターネット業界の両方を経験し、双方の業界内の人々の話をいろいろ聞く中で、広告業界の近未来について「マスメディア対オンラインメディア」というような単純な図式には、どうしても無理があると感じていました。
 ネット業界の人たちは「もうすぐマス広告は崩壊し次はわれわれの時代が来る」と言うし、マスメディアを主に扱う広告業界の人たちは「テレビCMのパワーはに比べれば、オンライン広告なんてまだまだだ」と言います。おそらくは、どちらの言い分もある意味では正しいのです。それぞれに異なるコミュニケーションの意味があると思うからです。

 さて、話題を本の内容に戻しますが、著者が言うように急速な技術革新による市場の変化というものは、一気に入れ替わるのではなく、周縁部から起こりやがて徐々にコア部分が縮小していくという道をたどるのだとすれば、現在はその周縁部が急速に拡大している段階なのだと言えそうです。そして、コア部分が既存マスメディアとすれば(これには誰も異論はないと思いますが)、周縁部は単にオンライン広告と言ってしまって良いのかという疑問が生まれます。著者は、そこには既存の「広告」という概念にとらわれない、あらゆるテクノロジーがすべて含まれるのだと指摘していますが、私もその通りだと思います。
 また、メディアというものがパブリッシングプラットフォームからマーケティングプラットフォームへと変化してきているのだということも書かれていますが、まさにその通りで、もはや旧来の「広告」という概念そのものが意味を失いつつあるといってもいいのではないかと思います。
 さらに第5章では、そうしたこれからの時代に重要となるのは「オンラインとオフラインをつなぐ知恵」だとも言っていますが、そのあたりが私のようなコミュニケーションデザイナーの活躍するドメイン(仕事領域)なのかも知れません。

 第6章「次世代マーケティングプラットフォームの課題」の中で私が特に関心を持っているのは、「まだ見ぬ商品との「幸運な出会い」を演出できるか」という点です。システム的に(テクノロジーによって)意外性のある情報をいかに提供するかというのは、まだまだ今後の課題となっているようですが、すでにそれに近いサービスが米国にはあるそうです。
 しかし、私はいわゆるセレンディピティ(幸運な偶然)というのは、基本的には確率論だと考えています。つまり出会いの数が多ければ、それだけ幸運な出会いに遭遇する確率も高くなると思うのです。ですから、消費者(生活者)の情報に対する偏食化が進むと、「食わずぎらい」がますます増えるのではないかと懸念しています。はたして、その辺りをテクノロジーによって乗り越えることができるのかどうか、という点には非常に関心があります。

 そして「メディアと広告 そしてすべての企業の未来」と題された最終章では、冒頭から「広告にクリエイティビティは不要になるのか」という大きなテーマが投げかけられているのですが、これについてはやはり若干の異論があります。またあらゆる広告、マーケティングアクティビティは「自動化」に向かうという方向性も示されていますが、これにも疑問が残ります。

 こうした異論、疑問を持つ根拠をひと言で言えば、広告とは「論理的に理解できる情報」がすべててはないということです。言い方を変えれば、左脳だけではなく右脳に働きかけるアプローチが広告には必要不可欠だと思うのです。さきほどの「まだ見ぬ商品との「幸運な出会い」を演出できるか」という議論もそうですが、消費者は必ずしも合理的な行動を選択するわけではありません。また、情報の「偏食化」や情報に対する「鈍感化」が加速する時代の中では、どうしてもシステマティックなアプローチで人々の心を捉えることは難しくなっていくと考えられます。
 コミュニケーションの基本は、やはり「人」対「人」です。ひと昔前には、企業のマーケティング担当者が「消費者の顔が見えない」ということをよく口にしていましたが、今は反対に消費者が「売り手(作り手)の顔が見えない」ことに不安を抱くようになりました。いかに的確な情報を提供してくれたとしても、相手が人間ではなく機械ではイヤ、という心理がどこかにあるように思います。だから、そうした消費者心理をついた筍農家の偽装写真事件なんかが起こるのだと思います。テクノロジーだけでは解消できないコミュニケーションの問題は案外大きいのかもしれないと感じています。

 実は、もうひとつの課題として高齢者や低所得者層など、いわゆるデジタルデバイドが情報格差に見舞われる可能性があるのですが、これはまた別の機会に書こうと思います。

 以上のように、いくつかの疑問は残りますが、全体として入念な取材にもとづく非常に興味深い論考が語られている力作です。著者のまえがきにもあるように、広告・メディア業界関係者に限らず、あらゆるビジネスマンに読んでもらいたいと思います。

湯川 鶴章: 次世代マーケティングプラットフォーム 広告とマスメディアの地位を奪うもの

湯川 鶴章: 次世代マーケティングプラットフォーム 広告とマスメディアの地位を奪うもの

[イベント] テレビマーケティング 超!進化論

 今日は、株式会社VLeさんと株式会社エム・データさん主催のセミナーに行ってきました。タイトルは「テレビマーケティング 超!進化論~1分1000万円のがつん!力がビジネスを変える!」で、テレビメタデータを上手に活用して、ビジネスを成功させようという内容でした。

 第一部の基調講演では、「がつん!力」の著者で百年コンサルティングの代表取締役鈴木貴博さんから競争戦略についてのお話を聞くことができました。ひとことで言うならば「自分の土俵で戦え」ということです。リーダー企業ならば「規模」に集中して2番手以下を引き離し、追う立場なら「差異化」に集中して新しいマーケットを切り拓くことが、競争に打ち勝つための「がつん!力」となるということです。

 さて、今日の目玉というか私が聞きたかったのは「HeadlineTV」というVLeさんが提供するサービスの話です。
 HeadlineTVは、テレビメタデータをインターネットで提供する法人向けサービスなのですが、他のデータサイトとの連動や検索性・一覧性の高さなど、ユーザビリティはきわめて優れています。ビジネスユースを考えると、あのSPIDER PROよりも使えるかもしれません。
 ただし、実際の放送映像データは市販の全録HDR(ソニー製)を連動させて使うというしくみになっていますので、使用目的に合わせたハードウェアの性能という点ではSPIDERに軍配があがるかもしれません。SPIDERには保存用HDやDVD-Rドライブが装備されていて、リモコンも使いやすいので映像データの取り扱いはしやすいです。

 ということで、家庭で映像を楽しみたいならSPIDER ZERO、業務用にメタデータ利用のしやすさを考えるなら、コスパも含めHeadlineTVが有利といったろころでしょうか。

 今後も、テレビメタデータの世界から目が離せないですね。

関連エントリー:[モノ] SPIDER zeroはスゴそうだ!

関連エントリー:[イベント] SPIDER zeroの実機を見ました

関連エントリー:[セミナー] SPIDER proの利用ポテンシャルは高い

 

[イベント] Next Socialmedia 2009 pre

 今日は、株式会社サイメン株式会社IDGジャパンが主催する「Next Socialmedia 2009 pre」というイベントに行ってきました。

 トータルナビゲーターの渡辺昌宏さん(サイメン)が挙げた3つのキーワード

  • シームレス化
  • ハブ化
  • リッチ化

でした。全体の構成と内容に関してはイベントのサイトに譲りますが、いくつか私が印象に残っている部分をご紹介したいと思います。

 最初のマイクロソフト笹本氏の講演は、Life Without Wallsというコンセプトに基づいたWindowsの挑戦についてでした。WindowsをベースにしたテレビからCGMまでのシームレス化というテーマでしたが、やはりクラウドコンピューティングの時代において、OSを核とした発想には無理があるように感じました。もちろんMSもインターネットのあちら側の整備には力を入れているのですが、基本的にすべてがOSに依存するという点は変わっていません。WindowsにしてもOfficeにしても、なんていうかオーバースペックになっていくような気がして、ほんとうにユーザはそれを求めているのだろうかという疑問が残ります。はたしてMSは起死回生の次の一手を打つことができるのでしょうか。注目です。

 さらに、午後は林信行氏の「iPhone」の話や、スプリュームの最新動向を聞いたあと、最後のセッションは「次に来るものは何か?」というパネルディスカッションでした。

 パネルディスカッションでは、いろいろと興味深い話が出たのですが、その中で私が特に印象に残っているのは、

  • 林信行氏の「オフラインの時間を大切にすることが必要だ」
  • 箱田雅彦氏の「『便利さ』ではない価値軸が生まれてきている」

という2つの意見でした。ネットとのつながりがユビキタス化していく中で、確かに人々に忘れられてしまいつつある「オフラインの時間の大切さ」と「便利さ以外の価値軸」という言葉がパネリストから出てきたことは、重要な意味を持っていると思います。そういうところで、いろいろと考えさせられるイベントでもありました。また、次回を楽しみにしたいと思います。

[インターネット] Glam Japanがオープン

 世界最大の女性向サイト「Glam」(www.glam.com)日本版サイト(www.glam.jp)が、今日ついにオープンしました。

Glamjp

Glamは自社サイトの運営とともに、リンクされたパートナーサイトへ広告配信を行うアド・ネットワークを構築し、広告手数料を得るというビジネスモデルです。先日、NET Marketing Forum Fall 2008で山村社長とちょこっとお話した際に、想定広告主である有名ブランドメーカーが、ブランドイメージを損なうことなくネット広告を通して価値を高められるような、プレミアムサイトを集めたネットワークを構築したいのだと仰っていました。

<Glam Mediaネットワークのしくみ>

Glamsys

 さて、今回ネットワークされた国内のパートナーサイトですが、大手出版社のファッション誌サイトを中心とした、それなりに評価できる内容ではないかと思います。ただ、ネットワークサイト数はこれから増やしていくという感じですね。もちろんクオリティを落とさないためには、闇雲に数を増やすのではなく、よく吟味しながら慎重にサイトをセレクトしていく必要があるのは言うまでもありません。

<グラムメディアネットワーク参加媒体(2008.11.25現在)>

Glampublishers

 今年は雑誌の休刊が相次ぐなど、雑誌出版業界は部数の落ち込みとそれにともなう広告収入の減少によって、かなり厳しい状況にあります。また、雑誌のWEBサイトの広告収入も思うように伸びず、苦戦しているというのが現状のようです。そうした中で日本にやってきた黒船Glamは、もしかしたら雑誌メディアにとっては救世主となり得るのかもしれません。

 有名ブランドが安心して出稿できるオンライン広告媒体として、Glamのようなプレミアム・アドネットワークが日本で成功するのかどうか、興味を持って追ってみたいと思います。

関連エントリー:[イベント] NET Marketing Forum Fall 2008

関連エントリー:[メディア] Glam Mediaがいよいよ日本上陸

 

[イベント] ライブラリートーク:インフォコモンズ

 今夜はアカデミーヒルズ六本木ライブラリーにて、佐々木俊尚さんのライブラリートークを聞いてきました。テーマは佐々木さんの著書のタイトルと同じく「インフォコモンズ」~グーグル、SNSの次に世界を制するものは何か?~でした。

 今、世の中では「情報大爆発」とも呼べる現象が起きていますが、いったいその情報はどこで爆発しているのかを見ていくと、情報領域を「パーソナル」「ミドル」「マス」に分けたとき「ミドル」の部分であるというところから話は深まって行きました。
 そうした情報大爆発時代に求められるのは、ナレッジマネジメントではなくナレッジマイニングであり、そのための技術はどんどん進化しているようです。例えばAmazonの協調フィルタリングに代表されるレコメンデーションシステムなどが、ナレッジマイニングを可能にする技術です。
 コンピュータシステムによるレコメンデーションの次に考えられるのが、人間関係に基づいたソーシャルレコメンデーションです。テクノロジー化されたソーシャルグラフ(人間関係図)が、情報アクセスのプラットフォームとなり、情報を軸とした中間共同体(マジックミドル)=「インフォコモンズ」を形成することで、分散化した情報の再集約が行われるようになる。そうしてWeb3.0へとつながっていく。

 とまあ、そういうお話でした。私の表現力ではうまく要約して説明できませんが、詳しくは佐々木さんの「インフォコモンズ」をお読みになってみてください。

佐々木 俊尚: インフォコモンズ (講談社BIZ)

佐々木 俊尚: インフォコモンズ (講談社BIZ)

関連エントリー: [書評] インフォコモンズ/佐々木俊尚

[イベント] ライブラリートーク:グーグル・マーケティングの仕事術

 今夜はアカデミーヒルズ六本木ライブラリーにて「グーグル・マーケティング」の著者で、株式会社カティサーク代表取締役押切孝雄さんのライブラリートークでした。押切さんは、とても明るく楽しい方で、早速マイミクさんになっていただきました。

 さて講演ですが、今日はとても大事なことに気づかせてもらいました。押切さんのお話は、インターネットの現状をたいへんわかりやすく説明されるものだったので、実は私にとっては既に理解していることがほとんどで、もう少しこの先の展望など聞かせていただけたら良いのになと思っていました。参加していた知り合いは、あまり得るものはなかったと少々期待はずれの様子でしたが、意外なところに大きな「気づき」があったのです。

 それは、他の参加者の方々の様子です。押切さんのトークに熱心に聞き入り、頷いたり、「なるほど、そういうことか。」というような反応をしている方が多かったのです。トーク終了後も押切さんの明るいお人柄もあると思いますが、参加者ほぼ全員が押切さんと名刺交換をしていました。つまり、私たちのようにインターネットと深く関わっている人間には「常識」だと思えることでも、世間一般にはまだそこまで広まっていないのだということに気づいたのです。
 例えば、私たちのように仕事で日々インターネットの動きを追っている者にとっては「WEB 2.0」が何であるかは常識であり、さらにその先(WEB 3.0)がどのようになるのかというところに、既に興味は移っているのですが、一般には未だ「WEB 2.0」は「新しい」ものであり、それが何であるかという理解も浸透していないように感じました。このギャップに気づいたことは、かなり新鮮でした。

 やはり、このように講演や書籍などの非ネットメディアを通じて、今ネット上では何が起きているのかを、あまりインターネットとは深く関わっていない一般生活者に伝えていくことの重要性をあらためて感じた一夜でした。

関連ページ:ライブラリートークレポートーアカデミーヒルズ

[イベント] NET Marketing Forum Fall 2008

 今日は、日経BP社主催のNet Marketing Forum Fall 2008に行ってきました。私が参加したセッションは以下のとおりです。

  • 【基調講演】
    消費者をクロスポイントでとらえる
    JTBのeマーケティング戦略

    JTB情報システム 取締役副社長 北上 真一 氏(前i.JTB代表取締役社長)

  • 【キーノート】
    生活者が情報発信する時代の広告コミュニケーション

    サイバーエージェント コミュニケーションディレクター 須田 伸 氏

  • 【キーノート・パネル】
    新しいネットマーケティングを拓くリッチコンテンツとは

    パネリスト)
    電通アベニューA レイザーフィッシュ  代表取締役社長 渡邊 竜介 氏
    グローバルマーケティング部 プロデューサー 嶋田 正邦 氏

    マイクロソフト
    デベロッパー & プラットフォーム統括本部 デザイナー製品部 シニアプロダクトマネージャー
    朝岡 絵里子 氏

    イメージング 代表取締役 池本 克之氏

    モデレータ) 
    日経ネットマーケティング編集長 渡辺博則

  • 【ワークショップ】
    CGMデータマイニングの活用事例~ 消費者間コミュニケーションから見えてくるもの

    日経リサーチ 
    マーケティングリサーチ本部 デジタル調査グループ 兼
    新事業開発室 主任リサーチャー
    佐藤 邦弘 氏

  • 【専門トラックA:主催者企画講演】
    ターゲット拡張を狙ったランサーエボリューションXのコミュニケーション戦略

    三菱自動車工業
    商品戦略本部広告部ブランド戦略グループWeb企画チーム 
    堀田 泰弘 氏

  • 【専門トラックC】
    ブログ広告とCGM活用施策の現状と可能性

    CGMマーケティング 
    取締役COO 
    佐々木智也 氏

  • 【専門トラックC:主催者企画PowerPanel】
    クチコミ、動画、アドネットの未来像
    ネット広告はどこまで進化するのか

    モデレータ)
    ニューズ・ツー・ユー
    代表取締役社長
    神原 弥奈子 氏

    パネリスト)
    アジャイルメディア・ネットワーク
    取締役 ブロガー
    徳力 基彦 氏

    グラムメディア・ジャパン
    代表取締役社長
    山村 幸広 氏

    ヤフー
    メディア事業部 シニアビデオプロデューサー
    山根 陽一 氏

 さて、今回のNET Marketing Forumは正直イマイチでした。特に午前中のキーノート・セッションがちょっとパワーダウンというふうに感じました。やはりキーノート・セッションでは、あまりディテールに入ったり、専門性の高いネタに終始したりすると面白くないですね。もっと大きなコンセプトについて聞きたかったのに・・・ちょっとがっかり。今までが良すぎたのか、日経BPさんも講演者のネタが尽きたのか、もう少しがんばってもらいたいものです。

 午後の専門トラックのほうは、全体的にレベルは保っていたと思います。最後の「ネット広告はどこまで進化するのか」というパネル・ディスカッションは、クチコミ・動画・アドネットという違った切り口からの議論で、なかなか興味深いものになっていたと思います。ネット上でのブランド広告は何をどこまでできるのか、という点でグラムメディアの今後には注目したいと思います。

[書評] ブログ論壇の誕生/佐々木俊尚

 「ブログ論壇」というのは聞きなれない言葉かもしれません。今までインターネット上の情報は玉石混淆、その取捨選択が難しいといわれてきました。しかし、そうした中に確実にある種「論壇」とも言える発言・議論の「場」が生まれているのです。

 この本で取り上げられている「ブログ論壇」における議論の内容(志位委員長の国会発言on YouTube、毎日新聞WaiWai問題、光市母子殺害事件に関する1.5人発言など)は、実はインターネットに普段から深く関わっている人たちにとっては、良く知られた話です。しかしながら、あまりインターネットに触れることなく暮らしている一般生活者にとっては、「初耳」な内容も多いのではないかと思います。
 そこに、この本の大きな意味があると思うのです。つまり、インターネット上では確かにいろいなことが進行していて、それが現実社会に影響を与えるまでになっているのですが、それを知ることができるのは、積極的にインターネットに関わっている人たちだけなのです。そうした事実を、非ネットメディアを通じて一般に伝えることは重要です。著者の佐々木俊尚さんは、ITジャーナリストとしてネットの未来への論考を語る(参照エントリー: [書評] インフォコモンズ/佐々木俊尚 )傍ら、この本のような一般向け新書などを精力的に書かれています。それらの著書に書かれていることは、一般にマスコミで取り上げられることのない事柄であり、インターネットとの接触があまりない人々にとっては、唯一書籍を通してしか知ることのできないものなのです。そういう意味で、出版不況と言われる中でも書籍というメディアの持つ意義は大きく、それを著し続けるライターの存在は重要だと思います。

 さて、最後にこの「ブログ論壇」というテーマについて、私の考えていることをひとつだけ書き加えておきます。
 「ブログ論壇」の存在について私が重要だと考えていることは、マスコミを通じた識者と呼ばれる人たちの発言や「作られた世論」といったものの陰に埋もれてしまいがちな、「意味のある少数意見」の発言の「場」として機能するということです。ブログ論客が独自の視点から展開する、意味のある(傾聴に値する)議論というものは少なくありません。多数制民主主義の世の中においては、「多数派=正義」という単純な図式が描かれる危険性があります。ある事象について「多面的」な理解を得るために、ブログ論壇における様々な視点からの発言は非常に役に立つのです。ですから、そうして貴重な少数意見を自由に発言できる「場」を守り育てていかなければならないと考えています。ところが、少数意見の自由な発言の場であるべきインターネットが、その双方向性や匿名性がゆえに、時として(ネットイナゴの発生などで)数の暴力が支配する荒れた場になってしまうことがあるのです。そうしたインターネットの特性を理解した上で、これからどのようにネットとつきあっていくのか、ということが「ブログ論壇」の大きな課題だと思います。

佐々木 俊尚: ブログ論壇の誕生 (文春新書 (657))

佐々木 俊尚: ブログ論壇の誕生 (文春新書 (657))

[メディア] 米新聞社のオンライン広告売上が前年割れ?

 米新聞社の第2四半期のオンライン広告売上が,とうとう前年同期比で2.4%減となってしまったそうです。このまま行くと今年の年間売上もマイナス成長となりそうだとのことです。

 米国では新聞各紙のペーパーの売上は、完全な下り坂。そこで経営資源をオンライン事業にシフトし、オンライン広告収入によってマイナスをカバーしようという戦略がとられてきました。
 しかし、頼み綱だったオンライン広告収入も思うようには伸びず、ついに四半期ベースで前年割れとなり、米国の新聞各社は苦境に立たされています。

 ところで、わが国に目を移してみると、全国紙各社はペーパーの販売と広告が主たる収入源(それぞれがほぼ半々)であることに以前と大きな変化りはありませんが、販売部数の伸び悩みと広告収入の減少で、苦しい経営を強いられていることは米国と同様です。

 一方、国内新聞各社のオンライン広告収入に関しても、決して明るい将来像が浮かんでくるわけではありません。新聞各社の広告スペースは、初期のころは新聞本紙への広告掲載のオマケのような扱いでしかありませんでした。その後、新聞社のサイトは有力なニュースサイトとして認知されるようになり、トップページのページビューも順調に伸び、新聞本紙が売れなくなるのではという心配をよそに、オンライン広告の売上はも伸びていきました。
 しかし、技術の進化がそこに変化をもたらしました。いまや、RSSリーダーなどで各サイトのフィードを購読すれば、なにもニュースサイトのトップページを訪れる必要はないのです。直接目的に記事に直行できますし、特定一社のニュースサイトだけでなく、複数のサイトから最新情報を得られるわけです。サイトトップページの広告が機能しているのは、極端に言えば日本ではYahoo! Japanだけといってもいいかもしれません。特にニュースサイトのトップページ訪問者の減少は顕著だと思います。そう考えると、新聞3社(読売、朝日、日経)が共同で立ち上げた「あらたにす」は全くもってナンセンスだと言えます。(ちなみに「あらたにす」のページにはRSSフィードがありません)そんなことで、新聞読者が増えるとはとても思えないのです。

 とは言え、米国の新聞にくらべ日本の新聞は、そう簡単に読者を減らすとは考えにくい独自の「しくみ」があるので、オンライン広告収入よりも本業(ペーパー)の販売収入を確保することを優先する戦略のほうが正しいかもしれません。この辺りの話は、別エントリーでいずれお話したいと思います。

ブログ記事リンク: メディア・パブ: 米新聞社のオンライン広告売上,ついに前年割れか

[メディア] NHKの有料番組配信

 以前のエントリーでも触れたように、今年12月からNHKの有料番組配信サービス「NHKオンデマンド」が開始されます。

 現在発表されている受信方法には、ブロードバンド接続のPCで見る方法以外に、テレビ受像機で見る3つ方法(アクトビラ、ひかりTV、J:COM)があります。
 サービスは「見逃し番組」と「特選ライブラリー」の2種類ですが、どれほどの需要があるかはかなり疑問ですね。特に「見逃し番組」は過去一週間の番組の中から毎日10~15番組およびニュース5本をいつでも見ることができるそうですが、BS放送の番組も入っていることから「BS受信契約」をしていない世帯はおそらく利用できないでしょうし、全番組が対象ではないので利用価値は小さいのではないかと思います。(特定の番組だけであれば、自分で録画しておけばタダで見られるわけですし、全放送番組の中から検索できるのでなければあまり意味がないように思います)

 以前にもネットでの有料動画配信というのは、あまりビジネスとして期待できないのではないかということを書きましたが、現在もそれは変わっていないと思います。
 どうせテレビ番組を見るならPCよりテレビ画面でと思うのが普通だと考えられますが、今発表されている3つの方法(アクトビラ、ひかりTV、J:COM)では普及率に問題があります。これから先IPTVがどれだけ普及するのかわかりませんが、NHKによる有料配信というビジネスモデルはうまく行くのでしょうか。受信料を払っている上に、さらに課金されてまで見たいコンテンツがどれほどあると言うのでしょうか。「新しいNHK」を目指す取り組みとしては評価したいと思いますが、ビジネスとしての見通しはあまり明るくはないと見ています。

記事リンク: asahi.com(朝日新聞社):大河や朝ドラ、見逃したらネットで NHKが有料配信へ - 文化

関連エントリー(1):ネットの有料動画配信は消えるのか?

関連エントリー(2):[イベント] IPTV、動画配信時代のメディア戦略

関連エントリー(3):[ニュース] IPテレビの規格統一

関連エントリー(4):SSKセミナー「TVの再編成時代が来る」 

 

 

 

[イベント] 次世代広告夜会

 昨晩は、「9.20次世代広告夜会」というイベントに参加してきました。このイベントは「汐留通信」というブログを書いているTAKさんらが中心に企画して開かれたのですが、ブログ上だけでの募集にもかかわらず230名もの方々が参加される、大きなイベントとなりました。

0902nextgad

 参加者はネット広告、ネットマーケティングにかかわる人たちが多かったのですが、マスメディアを扱う大手広告代理店の人も来ていたり、なかなか面白いメンバーの集まりでした。

 イベントは、まず3名の講演者からの以下のプレゼンテーションがありました。

  • 「次世代コミュニケーションとは?」
    横山 隆治 氏
    (株式会社ADKインタラクティブ/代表取締役社長)
  • 「全員シロートの時代」
    須田 和博 氏
    (株式会社博報堂/i-ビジネスセンター クリエィティブディレクター)
  • 「世界に誇る日本のモバイルマーケティング」
    藤田 明久 氏
    (株式会社ディーツー コミュニケーションズ/代表取締役社長)

 これらのプレゼンテーションを聞いて、日頃私がセミナーなどで話していることは、やはり間違ってはいなかったと意を強くすると同時に、日本の広告業界の中にも「このままではいけない」と感じている人たちが大勢いることを知って、とてもうれしく思いました。

 最初の横山さんのプレゼンテーションでは、広告を取り巻く環境が大きく変化している中で、広告主、メディア、広告会社といったそれぞれのプレイヤーがどう変わらなければならないのかといった お話の中で、

  • アド・マーケットプレイス整備の必要性
  • CPC、CPRといった指標だけでネットメディアを評価できない
  • 広告会社の縦割り組織の弊害
  • コミュニケーション・チャネル・プランニングの能力が求められる

というような点が、私が言っている

  • 広告スペースのオープンマーケット取引の必要性
  • メディア評価指標の見直しの必要性
  • メディアとクリエイティブのインテグレーション
  • コミュニケーション・デザイン

と同じあるいは非常に近い考え方であることに、とても共感しました。

 また須田さんのプレゼンテーションの中にも、

  • goo!の検索促進策で、脳内メーカーとのタイアップで「勝手連想ワード」を生成して、意外な検索語を検索してみるしくみを作った
  • しっかりとしたデータに基づいた効果予測のできるプロモーションではなく、仮説段階でも、どんどん新しい試みを実施していかなければ、世の中の変化のスピードについていけない

といった内容のお話があり、これらも私が言っている

  • 「偶然の出会い」がなければ、広告が広告で無くなる
  • 仮説検証サイクルのスピードを上げ、先んじてやってみなければ、生活者の変化のスピードに追いつかず、2番煎じでは新しい手法もすぐに陳腐化してしまう

と同様のことではないかと思いました。

 三氏のプレゼンテーションの後、少し休憩をはさんで、来年いよいよ東京でも開催されることになった「ad:tech」の紹介タイムということで、

  • 「about ad:tech」
    Mr.Paul Beckley
    ( ad:tech 副社長 アジア・オーストラリアジア地域管轄)
  • 「ad:techの歩き方」
    小越 崇弘氏
    (株式会社CAテクノロジー)

という2つのお話をうかがいました。そして、「まとめ」のインタビューを経てお開きへ。

 久しぶりに古い知り合いに出合ったり、いろいろと楽しい、そしてためになる会でした。
TAKさんはじめ実行委員会のみなさま、ほんとうにありがとうございました。

[メディア] 福田首相辞任表明会見

 福田首相の突然の会見は、「びっくり」と「やっぱり」と「がっかり」が入り混じった複雑な気分で見ました。福田首相辞任についてのコメントはまた別の機会に譲るとして、このニュースを世間の人々はどうやって知ったのだろうということに興味をもったので、今日はそれを話題にしてみます。

 今朝の「とくダネ!」のオープニングトークで、小倉さんはヘッドフォンで音楽を聴いていたら奥さんに肩をたたかれて「福田さんが辞めるよ」と言われてびっくりしたと語っていました。また笠井アナも打ち合わせ中に奥さんからのメールで「福田さん辞任」と知らされて驚いたそうです。実は私も2階の自室でPCに向かっていたところ、妻が上がってきて「福田さん辞めるって、9時半から記者会見だって」と言うので、「えっ、うっそ~」と答えながら、アサヒ・コムのトップページを開き、テレビのスイッチを入れました。

 みなさんは、福田首相辞任のニュースをいつ、どうやってお知りになりましたか?また、福田さんの会見をライブでご覧になれましたか。いろいろと気になったので、PTPさんからお借りしているSPIDER Proの試用機を使って調べてみると、テレビでのニュース報道は以下のような順番になっていました。

  • 21:20 NHK 「ニュースウォッチ9」内で緊急ニュース
  • 21:21 日テレ ニュース速報テロップ
  • 21:21 フジ  ニュース速報テロップ
  • 21:22 TBS  ニュース速報テロップ
  • 21:27 テレ朝 ニュース速報テロップ
  • 21:25 TBS 首相官邸から中継
  • 21:28 フジ  首相官邸から中継
  • 21:28 NHK 首相官邸から中継
  • 21:29 テレ朝 首相官邸から中継
  • 21:30 テレ東 首相官邸から中継
  • 21:32 日テレ 首相官邸から中継

 NHKはちょうど9時のニュースを放送していたので、番組内で速報として伝えられたわけですが、他局(民放)もテレビ東京以外は相次いで「ニュース速報」のテロップを流しています。その中ではテレビ朝日はちょっと出遅れたようですね。
 会見の中継は、各局とも10時、11時台のニュース番組のスタッフ、出演者がちょうどスタンバイしていたようで、ニュースキャスター付きの緊急特別番組になっていました。会見はきっち9時半から始まったのですが、日本テレビだけはちょうどCMタイムになっていて、冒頭2分間ほどを生中継できていませんでした。これは、結構マイナスなんじゃないでしょうかね。その間に流れたCMはきっと誰も見ないでチャンネル変えられちゃってますよ。スポンサーにとってもメリットないと思います。後日、視聴率を調べてレポートします。

 さて、今回の件であらためて言いたかったのは「編集なしのライブ中継は、テレビの最強コンテンツだ」ということです。△△時から会見があるという情報を得たら、みなさんやっぱりその時刻にテレビを見ますよね。安倍さんの辞任会見も、やっぱりライブで見たいと思いませんでしたか。もちろんスポーツ中継も同様ですよね。特にサッカーとか、後でゴールシーンだけダイジェストで見たって面白くないし・・・

 また、昨日の会見にしても、ニュース番組などではその一部だけしか映像として放送されないので、ライブで全部を見ることには意味があります。同じ事実であっても、編集段階でそのどの部分を伝えるかで見え方が違ってしまうことはよくあります。(このことについては、昨年の広島平和宣言報道に関してのエントリーがあります)

 いずれにしても、ライブ報道に関しては、まだまだテレビのパワーは落ちていないと思いますし、「NHK恐るべし」なところもありますよね。やっぱり地震があったらNHKつけるでしょ(笑)

[メディア] 毎日WaiWai問題からわかったこと

 このネタをどこで取り上げようかと思っていたのですが、先週金曜日のセミナーの中でも若干触れましたし、ちょうど今日(9/1)「毎日デイリーニューズ」の刷新再出発ということで、「改めておわびと決意」という発表記事も出ましたので、ここらでちょっとまとめてみようかと思います。

 この問題の一連の顛末については、このエントリーをお読みになっている方々はご存知かと思いますので、ここでは省略させていただきます。詳しくお知りになりたければ、まとめサイトとなども多くありますので、そちらをご覧ください。GIGAZINEの記事がわかりやすいかもしれません。

 さて、この毎日WaiWai問題を通じて私があらてめて認識したことがいくつかありますが、大きく言うと次の3つになるかと思います。

  1. あらゆる企業は消費者の監視の目にさらされている。なのに企業の危機管理は甘すぎる。
  2. ネット上の情報だけでは、一般大衆を巻き込んだ大きなムーブメントは作れない。(マスメディアのパワーは侮れない)
  3. 日本人は英文メディアを読まないし、ネット上への情報発信も日本語がほとんどで、インターネット利用価値の半分以上を失っている。

 これら3点を順に見ていきたいと思います。

 1.については、今回の問題に限ったことではなく、最近のさまざまな企業の不祥事からも同様に、コーポレート・ガバナンスができていないことや、問題発覚後の対応のマズさなど、企業の危機管理の甘さがうかがえます。
 今回のWaiWai問題は、たまたまウェブコンテンツに関する問題であったことなどから、2ちゃんねるをはじめとしたネット上での抗議運動が広がって、電凸につながり大きな影響を与えたわけですが、問題の根底にあるものは食肉偽装や船場吉兆の事件と同様であると考えるのが妥当でしょう。この問題を「ネットメディア対マスメディア」の攻防というようなとらえ方をする向きもありますが、それは本質的な議論ではないと思います。

 2.に関しては、ちょっと面白いデータ分析をしてみましたので、ご紹介したいと思います。私が調べてみたデータとは、一般のブログでどれだけ「毎日WaiWai問題」が記事になったかを時系列で追ったものです。元のデータはニフティのBuzzSeeQerというサービスから拾っています。
 先ずは、つぎのグラフを見てください。

Waiwai01
 ブログ記事数のデータは、6/15~8/14の2ヶ月間とっていますが、2chを中心にあちらこちらで大きな話題になりはじめていたにもかかわらず、6/20以前は一般ブログではほとんど記事になっていません。記事数が大きく伸びているところでは、何かしらマスメディアでこの問題が取り上げられているわけで(Yahoo!ニュースもマスメディアに近いと言えるでしょう)、やはりネット上で発信するブログであっても、一般の人々が話題にするネタ元はネットメディアよりもマスメディアであることがうかがえます。
 実は上のグラフだけでは、この話題に関する記事数の動向はわかっても、全体的にどれくらいの一般の関心度があるかということはわからないと思うので、以前のエントリーで使った8/4週の他の話題の記事数とを比較してみたものが、次のグラフです。

Waiwai02

 最初のグラフでピンクの網がけになっている部分がこの期間にあたるのですが、最初のグラフでは8/7にピークがあるように見えますが、上のグラフで見ると他の大きな話題にくらべるていかに取り上げられ方が少ないかがわかると思います。マスメディアが持つ、一般の人々の関心を広く集めるパワーは恐るべしです。

 3.については、WaiWaiの低俗記事はかなり前から定期的に掲載されていたにもかかわらず、多くの人が気づいて問題にすることはなかったことや、実はこれらの記事のいくつかは10年以上も前に「Mainichi Daily News」本紙に掲載されていたのですが、そのときには大きな問題とならなかったことなどからもわかると思います。
 「どうせ英文メディアなんて誰も読んでないよ」という考えが、毎日新聞社内にあったことは間違いないでしょう。だから、記事内容についての社内チェックも甘く(面倒だったのか、チェックする立場にある人たちが英語力がなかったのか、あるいは英文媒体を軽視というかお荷物扱いだったのか・・・)、外国人編集者に任せきりになっていたのでしょう。
 日本は世界一のブログ大国だという説もありますが、アフィリエイト目当てなどのスパムブログを除くと、200万~300万サイトというのが妥当な数字とも言われています。いずれにしても、そのほとんどが日本語で書かれているわけで、広く一般的に海外の人々に読まれることはないはずです。
 そうなると、いくらCGMによってマスメディアの権威が下がったとは言っても、外国人が日本について英語で知ろうとすると、新聞社等の英文サイトというのは重要な情報ソースになるわけで、その責任は重いと言わざるを得ません。
 この点は、日本国内におけるインターネット利用の現状において、ひとつの大きなテーマであると思います。今回のWaiWai問題も、インターネットがグローバルネットワークであるという性格と日本におけるインターネット利用の特殊性(閉鎖性)の矛盾が引き起こした問題の一例とも言えるでしょう。

 この毎日WaiWai問題そのものに関しては、いろいろな争点があると思いますが、インターネットというものが、私たち生活者や企業にとってどういう意味を持ち、どのようにつきあっていかなければならないのかという観点から、ちょっと思いついたことをまとめてみました。
 機会があれば、またそのあたりを掘り下げてみたいと思います。

[セミナー] クロスメディア時代の広告戦略

 今日は以前お知らせした、SSKセミナー「クロスメディア時代の広告戦略」で講演してきました。ご参加くださったみなさま、ありがとうございました。

 実は、当日参加者の方々にお渡ししたテキストにも入っていなかったスライドが数多くあるのですが、その中で最後にお話しした「未来の広告メディアを読む3つのキーワード」である「三共=共生、共鳴、共創」をここでもご紹介しておきます。

 

Keywords

 詳しくは、文章では説明しづらいので、個別にお話できる機会があればご説明さしあげたいと思いますが、ひとことで言えばコミュニケーションにおける「向き合い方」が変わってきているのではないかということだと思います。
 つまり、「対面」で向き合っていた状態から、「隣どうし」で同じ方向を見ながら話をするというコミュニケーションのスタイルが増えてきているように感じますし、それをどう広告コミュニケーションに取り入れていくかというのが、今後の課題なのかと思います。

 この辺りの話は、また機会があればどこかでお話したいと思っています。

[メディア] Glam Mediaがいよいよ日本上陸

Glam_top

 世界最大の女性向けサイトと自ら名乗る、米国の「Glam Media」がいよいよ日本に上陸するようです。

世界最大の女性向けネット広告メディア、日本上陸

 世界最大の女性向けネット広告メディ ア運営会社、米グラム・メディア(カリフォルニア州)が日本に進出する。このほどエキサイト前社長の山村幸広氏(44)を米本社副社長にスカウト、日本事 業の立ち上げを託すことにした。月内に日本法人を設立、同氏が最高経営責任者(CEO)に就く。秋にも国内向け広告配信や世界向け広告営業などの業務を始 める。

 グラムは2003年シリコンバレーに設立。ファッションや化粧品、子育てなどの分野で雑誌のウェブ版や有力ブログなどのウェブサイトを合計600以上集めネットワーク化し、分野ごとにブランド広告を配信する。

(8/19 日本経済新聞 朝刊)

 実はこのグラム・メディアのビジネスモデルは、いわゆる「アドネットワーク」と呼ばれているネット広告配信事業なのですが、日本ではまだあまり馴染みがないかもしれません。
 Glamのビジネスが日本で成功するかどうかは、どれだけ有力な広告配信先サイトをネットワークできるかにかかっているわけですが、現時点ではネットワークされるサイトのリストはわかっていませんし、国内の有力パブリシャーの動向が注目されるところです。
 米国ではGlamは、かなり広告配信先に有利な条件を出してネットワークを広げていったようですが、結局その大盤振る舞いが自らの首を絞めてしまい、なかなか赤字脱出できないでいるらしいですが、さて日本ではどうなるのでしょうか。

 米国のGlam Mediaについては、「メディア・パブ」の下記エントリーに詳しく書かれているので、そちらを参照されることをおすすめします。

ブログリンク: 奇跡の女性サイト“Glam”(1),Facebookをしのぐ勢いで日本上陸へ -メディア・パブ

ブログリンク: 奇跡の女性サイト“Glam”(2),真の世界一へこれからが正念場-メディア・パブ

記事リンク: 世界最大の女性向けネット広告メディア、日本上陸 インターネット-最新ニュース:IT-PLUS

[書評] グーグルに勝つ広告モデル/岡本一郎

この本については、かなり多くの方が書評を書かれている(R30極東ブログビールを飲みながら考えてみた… etc.)ようですが、私もわりと面白いと思ったので、少し言及しておきます。

 本の内容に関して要約的なことを書くつもりはありませんが、全体的な印象を簡単に箇条書きにしておくと、

  • 著者の立場は既存マスメディア側、インターネットメディア側のどちらに寄るものでもなく、比較的客観的に分析・コメントしているので、その視点は最近の類書の中では新鮮。
  • 著者は大手広告代理店に勤務していたと略歴にあるが、そのわりには広告メディアとしてのマスメディアの現状(というか現実)をあまり理解していない。が、それがかえって業界にどっぷり浸かった人の話よりはずっとまともな考え方につながっているように思う。
  • 各章の末尾にある「格言」?のようなものは、どうも意味がわからない(笑)
  • マスメディアとインターネットメディアの役割の違いについては、わりと的確にとらえていると思うので、どちらかに偏った経歴や考えを持っている人にはぜひ読んでもらいたい。

といった感じでしょうか。内容の掘り下げはまだまだ不十分だと思いますが、さらっと読めるし、そういう考え方もあるなと感じるところもあって面白いので、読んで損をした気にはならないと思います。

 さて、この本のなかには、私が日頃言っていることと同じだと特に共感した部分がいくつかありますので、ちょっととりあげてみます。

 考えてみれば、戦後の日本が高度経済成長を成し遂げていくためには、こういった社会の潤滑油としてのメディア機能が必要だったのかもしれません。つまり、個人の趣味や嗜好を超越して社会的に共有できる話題や娯楽が必要だったということです。
 その意味で、地上波テレビの番組やプロ野球という娯楽・エンタテインメントは、誰にでもとっつきやすく共有できる格好の話題であり、結果として社会の潤滑油になったのでしょう。

 ・・・中略・・・

 一つだけ確かなことは、社会というものが仲良くしたい人とだけ仲良くする、という人たちの集団になってしまったら、発展しなくなってしまうだろう、ということです。

 これは、ネットの中に安住できる棲家を求めるとか、自分の好きなことに関する情報だけを同好の志とだけ共有するといった生き方に、違和感と人間どうしのコミュニケーションの危機を感じていた私にとっては、非常に共感できる部分です。
 さらに、「マスメディアは民主主義の礎を担う」という項では、

 言論機関には偶発接触性が求められます。たまたまニュースに出合う、ということが必要なのです。自分が望んでいない情報にも偶発的に出合うからこそ、自分と異なる意見を持つ人が世の中に多数存在することや、意識することのなかった暗黙の規範を学ぶことができるわけです。
 建設的な議論には、他者が依拠している認識の前提や規範をふまえることが必要です。自分と異なる意見の存在や暗黙の規範を知るということは、建設的な議論を社会から絶やさないための必要条件なのです。
 一方、インターネットメディアは自分が望む情報だけを効率的に収集してくれる機能を、どんどん進化させています。確かにこれは便利だし、そもそも情報がオーバーフローしている現状において、何らかのフィルタリングを行わないと情報を咀嚼できないという問題も背景にはあります。
 しかし、多くの人が自分にとって関心のある領域、好きな領域の情報だけに接触するようになったら、社会はどうなるでしょう。最悪のシナリオは、同じ意見を持つ人たちだけが極端に固着化した閉鎖的な派閥を形成し、派閥相互の対話や議論がないまま対立が深まり、お互いが疑心暗鬼になって日々を送る、というものでしょう。

というように展開されています。このようにマスメディアの存在意義というか必要性が、インターネットメディアの有用性との対比で的確にとらえられている点は秀逸だと思います。

 また、今のマーケッターが「メディアアウト・パラダイム」に陥っているという話もよく理解できます。インターネットを第5のマスメディアとしてとらえたコミュニケーションは必ず失敗するというのは、これまでに私もずっと言い続けてきたことです。

 マスメディアの世界でも、インターネットメディアの世界でも、どちらか一方にどっぷり浸かってしまっている諸兄には、ぜひ頭の中をリフレッシュする意味でもお読みいただくと良いかと思います。

岡本一郎: グーグルに勝つ広告モデル (光文社新書 349)

岡本一郎: グーグルに勝つ広告モデル (光文社新書 349)

[セミナー] SPIDER proの利用ポテンシャルは高い

 今回、先週のSPIDER zeroにひきつづき、法人向けのSPIDER proデモ&活用セミナーに行って来ました。

 セミナーのレポートは友人のブログに詳しく書かれているので、そちらを参照してみてください。

  で、このセミナーで感じたのは、やはりSPIDERのポテンシャルは高いということです。テレビ番組やTVCMを通じて、社会や生活・消費のトレンドなどを把握することができて、いろいろな商品・サービスのマーケティングなどにとても利用価値があるのです。

 この製品(というよりサービス)は、どんな企業にとっても利用価値はあると思います。単に企業の広報宣伝部門やマーケティング部門、広告会社などだけにとどまらず、あらゆる企業のあらゆる部門にとって非常に高いバリューを提供してくれるはずです。

 費用的な部分を考えなければ、すぐにでも導入したいですね。われわれのようにコミュニケーションやメディアについて研究をしているところでは、もはや必需品と言っていいでしょう。

 地デジ対応の問題など、今後の改良点は多々あるとは思いますが、真剣に導入を検討するに値すると思います。

[書評] インフォコモンズ/佐々木俊尚

佐々木 俊尚: インフォコモンズ (講談社BIZ)

 ITジャーナリスト佐々木俊尚さんの近著です。インフォコモンズというのは佐々木さんの造語ですが、それは何かという問いに対する答えは、本書を読めばわかると思いますが、簡単に説明するために、本の帯に書かれている「プロローグ」からの引用をしておきます。

インターネット上の情報を軸とした新たな共同体についての論考は、欧米の論壇でも真正面から取り上げられたことがない。ネット上にはさまざまなテクノロジーやシステム、サービスが登場し、情報があふれているが、しかし状況はまだ混沌としていて、この情報の海が作り出す世界を、ネットの世界に人たちもまだ明確に見通すことができないでいるからだ。
したがって、私が本書で提示しようとしている「情報を軸とした中間共同体(マジックミドル)」のイメージは、世界でも初めてのものとなるだろう。
この共同体を私は、「情報共有圏(インフォコモンズ)」という言葉で呼んでいる。

(「インフォコモンズ」プロローグより)

 さて、佐々木さんの言うインフォコモンズは、WEB3.0(つまりWEB2.0の次に来るもの)がどのような世界になるのか、ということに対するひとつの仮説(佐々木さんの論調では「仮説」と言うよりも「予見」ですが)として位置づけられています。
 たしかに、「情報を軸とした中間共同体」というものが出現する(あるいはすでに出現している)ということはまちがいないと思います。また、情報のフラット化というWEB2.0の次に来るWEB3.0は、自分にとって意味のある情報の再集約化だという考えは、半分は当たっているような気がします。かつて(WEB2.0概念ができる以前)インターネット事情に詳しい友人(有名人)に「この先ネットでブレイクする技術は何か?」という質問をしたところ、即座に返ってきた答えが「エージェント機能かな」でした。彼は当時(2002年ころ)から、自分に必要な情報だけを、玉石混淆の情報が氾濫するネット上から拾ってきてくれる「エージェント」という機能に注目していました。しかし彼が考えるエージェントは人間ではなくロボットでした。
 その後現在に至るインターネットの状況変化の中で、人々は自分と同じような嗜好を持つ他人を、ネット上のコミュニティなどを通じて「エージェント」として使うようなりました。つまり「Aを買った人はこんな商品も買っています」などというロボットによるリコメンデーションではなく、自ら「Aさんのブログ」や「SNSのマイフレンドBさんのおすすめ」などの中から気に入った人をみつけて、生身のエージェントとするようになったわけです。

 佐々木さんの言う「インフォコモンズ」=「情報を軸とした中間共同体(マジックミドル)」とは、情報の海と化している社会全体と個人との間において、そのフィルタリングプロセスを可視化することによって、生身のエージェントとして機能する共同体であると私は理解しましたが、まあ近いんじゃないでしょうか。

 この本の内容に関しては、「共同体」に関する議論や「情報とコミュニケーション」という点など、いろいろと派生的に語りたいことはたくさんありますが、とてもひとつのエントリーでは書ききれないので、別の機会にしたいと思います。

 さて、この本に関しては池田信夫氏が自身のブログで書評を書いています。池田氏が指摘されているように、たしかに用語の使い方に不正確(すでに確立されている定義とちがう意味で用いているとか、表現にゆらぎがあるとか)な部分があったりしますが、それによってこの著作の意味がなくなるとは私は思いません。
 この本は、ジャーナリストである佐々木さんが幅広く一般読者を想定して書かれたものであって、学術論文ではありません。ですから、内容について学術的にみて価値があるのかどうかということは問題ではないと思います。
 また、池田氏は多作である佐々木さんの著作に関して『著者は年に10冊ぐらい本を書いているが、だんだん中身が薄くなってくるのは困ったものだ。』との批判もされていますが、これは学者(識者)である池田氏とジャーナリストである佐々木さんとの立場の違いによると考えます。
 これからも佐々木さんには、ジャーナリストとして一般人に向けて数多くの問題提起と仮説の披露を続けてもらいたいと思います。その仮説が正しいかどうかは問題ではありません。発言すること自体に意味があるのです。仮説は、いずれ時代が検証してくれますから。

 ここで言う「コモンズ」という考え方を理解するための参考文献としては、ローレンス・レッシグの下記2冊があります。(ただし、池田氏はセミナーでレッシグにも「コモンズ」という言葉をこのように使うのはおかしいと指摘し、レッシグ本人も認めたとのことですが・・・)

    

 
 

続きを読む "[書評] インフォコモンズ/佐々木俊尚" »

[お知らせ] 8月29日にセミナー講演します

 来月8月29日に、明治記念館で新社会システム総合研究所(SSK)さん主催のセミナーで講演します。SSKさんのセミナーでの講演は今回で4回目となりますが、今回は前3回とは若干違った内容でお話しようと思っています。

 セミナータイトルは、『「生活者」視点で読み取る クロスメディア時代の広告戦略』となっていますが、要は広告主にしろ、メディアにしろ、広告会社にしろ、「生活者」の視点を見失ってしまったのでは「広告」というコミュニケーションに未来はないよ、という話です。それは、テレビに代表されるマスメディアだけではなく、インターネットだって同じことです。そのあたりを、うまくお伝えできればと思っています。

 詳細は以下のとおりです。ご参加されたいという方がいらっしゃいましたら、新社会システム総合研究所(SSK)さんのサイトにある申し込みページからお申し込みください。

   
 

「生活者」視点で読み取る

 

 クロスメディア時代の広告戦略

 
 

講 師 (有)文殊コンサルティング 代表取締役 岩見周介

 

 

   
 

日 時

 

会 場

 
 

2008年8月29日(金) 午後3時~5時

 

明治記念館 東京都港区元赤坂2-2-23

 

 

   
 

[重点講義内容]

 

情報メディアが多様化し、広告コミュニケーションも本格的なクロスメディア時代に突入した。しかし、激変する情報環境に振り回されているのは広告・メディア業界だけではなく、すべての生活者だ。日々の生活で接するあらゆるものが広告メディアと化している今日、メディアは単に広告「接触」機会を提供するだけのビジネスでは生き残れない。

 

今回は、広告コミュニケーションの「受け手」である生活者の視点から、広告・メディアビジネスの将来モデル、ポイントを提言したい。

 
 

1.メディアと広告モデル

 

(1)既存メディア広告ビジネスモデルの限界

 

(2)ニューメディア、インターネットも最後は広告モデル?

 

(3)広告メディアの価値は何をもって評価すべきか

 

(4)メディアと広告の未来像

 

2.情報環境の変化と広告

 

(1)多様化する情報メディアと生活行動

 

(2)高度情報化社会がもたらす生活者の自由と不自由

 

(3)クロスメディア・コミュニケーション再考

 

(4)広告コミュニケーションのA/Dシフト

 

3.広告メディアとクリエイティブ

 

(1)メディアコンテンツとしての広告

 

(2)生活者の五感に訴えるコミュニケーション

 

(3)コミュニケーションデザインの必要性

 

4.まとめ・質疑応答

 

[イベント] SPIDER zeroの実機を見ました

 昨日は、「テレビとネットの近未来カンファレンス」に参加するために六本木、東京ミッドタウンに行って来ました。今回は「これからはじまる本当の”テレビ進化論”」というテーマでした。

 カンファレンスの構成は、

  1. 「テレビ進化論」の著者、堤真良氏のプレゼンテーション
  2. (株)PTPの有吉 昌康社長によるSPIDER zeroの紹介とデモ
  3. 上のお二人に下記4名を加えた6名によるパネルディスカッション
    • アジャイルメディア・ネットワーク 徳力基彦氏
    • メタキャスト 井上大輔氏
    • モデレーターの神田敏晶氏と橋本大也氏

 という感じで進行しましたが、内容の詳細はカンファレンスの紹介ページをご覧いただければと思います。
 全体の中で気になったキーワードは次にあげるような点でしょうか。

  • コンテンツにおける「意外性の一発」が重要(堤氏)
  • YouTubeがテレビの面白さを再認識させた(徳力氏)
  • ネットは情報の偏食化をもたらした(神田氏)
  • SPIDERの本質はコンテンツと視聴者のマッチングにある(有吉氏)

などなどです。その後、懇親会に参加してSPIDER zeroの実機の操作を試しながら、有吉社長からもいろいろお話をうかがいました。

 さて、件のSPIDER zeroですが、まずはデモでびっくり。何がスゴイかと言うとまずはその反応の速さです。リモコン操作から0.2秒以内に画面が変わるそうです。
 そして次にびっくりしたのは、検索性のスゴさ。たとえば「iPhone」というキーワードで検索をすると、アップルのCMはもちろんのこと、ニュース番組などで取り上げられた「iPhone」の話題が瞬時にリストアップされ、リストから選んでクリックすると「番組のアタマ」ではなく実際に「iPhone」が取り上げられた部分に直接飛ぶのです。さらに出演者名などの検索では、実際にSPIDER zeroに現在録画されている番組・CMへの出演者だけが五十音順リストに現れるという、これはもう考えられないほどの検索性の高さです。
 さらに驚いたのが、動画再生の連続操作性です。どういうことかと言うと、例えばある出演者名で検索をして、番組なりCMなりを再生したとします。するとそこには共演者だったり、広告主だったり、番組名だったりのメタデータがくっついています。で、それらの何らかのつながりがある別のコンテンツへ、あたかもハイパーリンクとクリックするように直接飛べるのです。要するにメニュー画面や検索画面に一度戻るという手間は一切いらないのです。

 う~ん、これは本当にスゴいです。さらに懇親会で実際に触れてみて、本体やリモコンのデザイン性や操作性にもあらためて感動しました。実機を見てしまった今、SPIDER zeroは一気に「欲しいものリスト」のトップに躍り出ましたね。めっちゃ欲しいです。
 SPIDER zeroはスゴそうだ!からSPIDER zeroはスゴイ!に変わってしまいました。

製品ページ: SPIDER zero - 予約ゼロ、見逃しゼロのハードディスクレコーダー

関連エントリー: [モノ] SPIDER zeroはスゴそうだ!

[データ] Future of Media Report 2008

 去る7月15日(シリコンバレー)および16日(シドニー)に開かれたFuture of Media Summit 2008 という会議のレポートについて、メディア・パブ7/18付けエントリーで紹介されていました。

 それによると、2024年の全世界のメディア産業(エンターテイメントも含む)は、5.7兆ドルに達すると予測しているそうです。Zenith Optimediaのメディア広告費推計では、2008年現在が5,000億ドル程度で、今後も伸び続けると予測しています。また、メディア産業の拡大要因として、モバイルインターネットやゲームなどの接触時間が増えることにより、メディア消費(接触)時間は大幅に増加し、2020年には一週間あたり90時間も何らかのメディアに接触しているというCaratの予測も紹介されていました。
 う~ん、本当にそんなに一日中メディア漬けの生活になってしまうんでしょうかね。まあ、私が以前いた会社の予測ですから、あまり当てにならないかもしれませんが(笑)

 まあ、市場予測は置いておいても、この会議のレポートの中には「Future of Media Lifecycle」など面白い内容も含まれていますので、ぜひレポート原文をご覧になってみてください。

Download Future of Media Report 2008

 また、このFuture of Media Summit 2008のサイトには、「Prediciton Market」という面白いページがあるのですが、実際私も会員登録して試してみようと思いますので、後日別エントリーでレポートさせていただきます。

[イベント] IPTV、動画配信時代のメディア戦略

 今日は、新社会システム総合研究所(SSK)主催のセミナー「IPTV、動画配信時代のメディア戦略」に参加してきました。
 このセミナーの講師は、以前私がネット関連ベンチャーのCMOをしていた頃にお世話になった、元ケータイWOWOW代表取締役の志村一隆さんでした。

 さて講演の内容ですが、大まかに言うならば、欧米の事例を紹介しつつ、日本における有料放送の今後の可能性を探るというお話であったかと思います。

 実際欧米では、放送事業者と通信
事業者が連携してクワッドプレイ(固定電話、移動体通信、ブロードバンド、テレビの4事業)サービスのグループを形成し、グループ間の競争が激化しているようです。
 この欧米でのクワッドプレイの特徴は、テレビに関してはIPTVではなく衛星放送やケーブルテレビといった既存のプラットフォームを利用している点にあるといえます。

 翻って日本の状況を見てみると、クワッドプレイに関しては、通信事業者が主体となって、現在のトリプルプレイ
(固定電話、移動体通信、ブロードバンド)サービスに、IPTVという形でテレビを加えていこうという方向に見えます。放送事業者との連携は、プラットフォームの提供ではなくコンテンツ供給者としてのみで、自前のIP通信網をプラットフォームとしたIPTVでテレビサービスを提供し、4サービスすべてを自社サービスとして顧客を囲い込む戦略を取っているようです。
 国内最大(唯一?)のMSOであるJ:COMは、ケーブルテレビ、
固定電話、ブロードバンドに加えウィルコムとの提携による移動体通信サービスを始め、すでにクワッドプレイを確立していますが、ウィルコムはMNP(携帯電話番号ポータビリティ)の対象になっていないこともあり、移動体通信サービスへの加入はそれほど伸びていないようです。

 クワッドプレイにおいて、各プレイヤーがテレビと通信サービスのどちらを主たる収益源とするのかによって、日本の有料放送の今後は大きく左右されそうだというのが、現時点での結論かと思います。通信事業者の提供サービスにおいては、テレビ(IPTV)は利用者にとってみれば「オマケ」程度にしかとらえていないと思いますし、3年後に迫った地上波テレビ放送のデジタル移行に各プレイヤーがどのように対応していくのか、消費者にとって一番受け容れやすい選択は何なのか、といったところもポイントになってくるのではないでしょうか。

 

[データ] 「○○と検索」で最も利用する広告、実はフリーペーパー?

 今回のデータは、CNET Japanの「クロスメディアに関する調査」です。以下、まずは記事の引用から、

 今回の調査対象者は20歳~59歳までの男女500人。男女別の均等割付を行い、年代比では20代:24.8%、30代:25.0%、40代:25.0%、50代:25.2%になった。

 Q1.「○○と検索して下さい」といった「指定検索キーワード」広告の閲覧

 「○○と検索してください」という広告を閲覧したことがあるか各メディア別に尋ねたところ、テレビCMで閲覧したという回答が63.0%と圧倒的 に多く、次いで雑誌の広告が25.0%、新聞広告が20.2%と続いた。「指定検索キーワード」を見たことがないと回答したユーザーも30.0%おり、テ レビCMで流れてはいるがそれ程気にとめていない可能性があるのではないかと考えられる。また、2007年11月に調査した「第1回広告メディアに関する調査」と比較すると、テレビCMにおける割合に変化はないものの、その他のメディアについては前回よりも低くなっており、「○○と検索して下さい」の広告効果がやや弱まっているのではないだろうか。

「指定検索キーワード」をアピールする広告を見たことがありますか。

 Q2.「指定検索キーワード」での検索の有無

 「○○で検索してください」という広告を見たことがあると回答した350人に実際に検索したことがあるか尋ねたところ、フリーペーパーが 64.4%と最も多く、次いで新聞広告が51.5%、雑誌広告が48.8%と続き、テレビCMは40.3%にとどまった。雑誌やフリーペーパーについて は、受身で情報を与えられるテレビとは異なり、ユーザーが目的意識を持って情報を探している可能性があるため、検索率も高まるのではないかと考えられる。

Q1で回答した広告を見て実際に検索したことがありますか。
 

 さて、記事のタイトルになっている、『「○○と検索」で最も利用する広告、実はフリーペーパー』というのは、Q2の結果から言っているのだと思いますが、この表現にはかなり無理があります。 たしかにフリーペーパーで「指定検索キーワード」広告を見たことのある人の64.4%が、実際に「指定検索キーワード」で検索をしたと答えているわけですが、サンプル実数にすれば、500人中の47人(73人の64.4%)でしかなく、テレビCMを見て「指定検索キーワード」で検索をした127人の1/3強でしかありません。
 これを、「○○で検索してください」という広告を見たことがあると回答した350人を100%としてグラフを作り直してみると、こんな感じになります。

Image001_4

  全体数から見れば、フリーペーパーは新聞広告に続く4番手ですね。やはりテレビCMの多さが目立ちます。
 昔のようにテレビCMにURLを表示するのではなく、「指定検索キーワード」を使ってウェブサイトに誘導できるようになったことは、クロスメディア広告の大きな進化です。もちろん印刷媒体のほうが実際の検索行動へ結びつきやすい、というのは正しいと思いますが、そもそもその媒体やそこに掲載された広告への接触が、テレビCMに比べてどうしても少ないわけですから、それぞれの商品の特性を考えてメディアを使い分ける必要があるのは言うまでもありません。このレポートを見て、何でも「フリーペーパー」を使えばよいと思い込んではいけません。

 こういう数字のトリックというのは面白い(反面こわい)ですね。このあたりの数字が苦手と言う人は、山田真哉さんの「食い逃げされてもバイトは雇うな」でも読んでみてください。

[データ] オリンピックはやっぱり「テレビ」が6割超

 エルゴ・ブレインズとポイントオンが実施した「北京オリンピックに関する意識調査」(N=7,008)によると、全体の49.5%が北京オリンピックに対して関心を持って(「非常に関心がある」+「やや関心がある」)おり、オリンピックの結果を何で確認するかについては、「テレビ(ニュース番組)」が1位で66.8%、以下「テレビ(リアルタイム)」 60.2%、「テレビ(ダイジェスト版)」48.9%と続き、テレビが他のメディアを圧倒する結果となったそうです。

北京オリンピックの結果をどのように確認するか  (n=7,008、複数回答)

出典:MarleZine(マーケジン) 2008/6/26

 やはり、スポーツを見るなら大画面の迫力ある動画で見たいということでしょうか。それもできれば生中継でというのが視聴者の気持ちでしょう。以前から言っているように、テレビが生き残るための最強コンテンツは「ライブもの」ということに変わりはないようです。
 もちろん、オリンピックがインターネットでライブ配信されれば、それなりの需要があるはずですが、莫大な放映権料を払っても見合うようなビジネスモデルは、未だインターネットでは確立していないということなのでしょう。

 そういえば、私は中学生のころ札幌オリンピックの中継を、授業中にこっそりラジオで(イヤホンのコードを学生服の袖に通したりして)聞いていました。笠谷選手のジャンプの実況なんかで盛り上がっていたわけです。もちろん、後で家に帰ってからニュースやダイジェストで映像を見るのですが、たとえ映像がなくても「ライブ性」というのはメディア接触のひとつの大きな動機になるのかもしれませんね。

記事リンク: オリンピックはやっぱり「テレビ」が6割超、ネットやワンセグは影薄く:MarkeZine(マーケジン)

[データ] マスメディアに比べネットメディアの満足度は低い?

 CNET Japanの記事にWebマーケティングガイドが、インターネット調査会社のメディアインタラクティブと共同で実施した、「メディアの利用実態に関する調査」の結果が載っていました。

 以下冒頭一部引用>>>

今回の調査対象者は16歳~59歳までの男女500人。
性年代別で50人ずつの均等割付けを行った。

≪調査結果サマリー≫ 

  • 最も利用機会が増えているメディアは「検索エンジン」

  • 個人年収が1,000万円以上のユーザーはテレビを見ない割合が他の層に比べ高い

  • 個人所得が上がるにつれ、ネット動画サービスの利用率が低くなる傾向にある

  • テレビや新聞といったマスメディアの満足度は高い一方で、SNSやポータルサイトといったネットメディアの満足度は低い傾向にある

 <<<引用おわり

 ということなのですが、利用時間についてはマスメディアが減って、オンラインメディアが増える傾向に変わりは無く、年収の高い人たちは多忙だからテレビやネットの動画コンテンツはあまり見ないというのも順当な結果ではないかと思います。
 メディアの満足度については、実は発表されている調査結果に矛盾がある(注1)し、回答者の母数も少ないのでなんとも言えない部分もありますが、そもそも自分の好きなコンテンツを選んで視聴・閲読しているテレビ・新聞といったマスメディアの満足度が高いのはあたりまえなのかもしれません。「そういうものだ」と思って接している既存マスメディアに対して、ネットメディアにはユーザーの要求レベル、期待度が高すぎることが満足度を下げているとも考えられますね。

 いずれにしても、発表している側も「あくまでも指標となるものですので、参考データとしてご活用下さい。」としているデータですから、あまり深くつっこんでも意味がありません。ただ、なぜネットメディアに対する満足度が低いのかということを、あらためて考えてみるのも面白いと思います。

(注1) Q3の満足度質問の回答者は、Q1の利用増減の質問で「利用していない」と答えた人以外となっているが、Q3の回答者があまりに少ない:例えばQ1でテ レビを「利用していない」と答えたのは500人中2.0%だから10人しかいないはずなのに、Q3でテレビの満足度に回答しているのは305人しかいな い。もしかるすと「どちらともいえない」という選択肢があって、それを選んだ回答者を除外している?>そうであれば、利用者の58.4%が満足(テレビ)というのは作られた数字でしかないのか・・・

記事リンク: メディア利用実態に関する調査--マスメディアに比べネットメディアの満足度は低い?:リサーチ - CNET Japan.

[ニュース] IPテレビの規格統一

 インターネットでテレビ番組を動画配信する「IPテレビ」の規格統一に向けて、放送、通信、電機メーカーなど15社が合意、規格統一のための法人組織「IPTVフォーラム」を設立するそうです。
 これでIPテレビの普及にはずみがつく、と考えるのは早計かなと思います。通信各社がFTTH(家庭向け光ケーブル網)サービスの付加サービスとして、IPテレビのサービスをすでに始めていますが、加えて今年末にはNHKが「NHKオンデマンド」のサービスを開始するなど、コンテンツの提供事業者は増える見通しです。それらのサービスが統一規格になれば、一台のSTB(セットトップボックス)ですべて利用できることになり、確かに便利になるはずです。

 「コンテンツの多様性と利便性が向上すれば、利用者は増える」という単純なシナリオ通りにIPテレビは普及するのでしょうか?
 私はこの点については悲観的に見ています。理由は簡単です。現在想定されているIPテレビによるコンテンツ配信は、ほとんどが「有料配信」だからです。実際、現在すでに提供されているケーブルテレビやCS放送のVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスの利用率は決して高くはありません。IPテレビで配信されるコンテンツの数が増えたとしても、果たしてお金を払ってでも見ようという視聴者がどれほどいるのでしょうか。NHKはこの「NHKオンデマンド」を打ち出の小槌のように考えているようですが、そう簡単にうまくいくでしょうか。とりあえずは、様子を見守りたいと思います。

記事リンク: asahi.com(朝日新聞社):IPテレビの規格統一 放送・通信など15社合意 - ビジネス

関連エントリー(1):SSKセミナー「TVの再編成時代が来る」

関連エントリー(2):ネットの有料動画配信は消えるのか?

 

[モノ] SPIDER zeroはスゴそうだ!

 今朝の「とくダネ」のオープニングトークで、小倉智昭さんが「スパイダー プロ」のスゴさについて語っていました。実はこの「スパイダー プロ」、小倉さんは3年前から使っていたそうなのですが、今月に20日に一般向け廉価版の「SPIDER zero」が日本で発売開始され、やっとこの機械について番組で語る機会が巡ってきたとのことでした。

 このスパイダーという機械は、簡単に言うとテレビの全局全番組をまるごと録画してしまう装置なのですが、それだけであれば単に大容量HDを搭載したHDRと同じということになってしまいます。実際「SPIDER zero」には1.3TBと2.5TBのHDを搭載した2モデルがあるのですが、スパイダーのスゴイところは、長時間録画(最大8局X約一週間分だそうです)が可能だという点ではありません。

 スパイダーの何がスゴイって、それはインターネットへの常時接続による「検索性」の高さにあるのです。スパイダーは、常に最新のTV放送データ(番組のみならずCM情報も)をネットからとり込むようになっていて、番組名や放送局、放送日時での検索はもちろんのこと、出演者名やコンテンツ内容での番組検索ができたり、広告主名や商品名、出演タレント名などからCMを検索することもできるのだそうです。もしこの機械が普及すれば、それこそテレビ番組の視聴スタイルは大きく変わってしまうことでしょう。(2008/6/16のエントリー[イベント] SSKセミナー「TVの再編成時代が来る」をご参照あれ)

 そして、もうひとつのスゴイ機能は「スクリーンセーバー」と呼ばれる機能です。これは、録画されたすべての番組およびCMから、ランダムに30秒のクリップを次々に再生するというものです。この機能により、意志を持って番組を選択して録画する、いわゆる留守録機では絶対にありえない、あらゆるテレビ放送コンテンツとの「偶然の出会い」が生まれるのです。これははっきり言ってスゴイ!と思います。
 テレビコンテンンツとは関係ありませんが、アカデミーヒルズ六本木ライブラリーの蔵書配架コンセプトもこれと似ています。一般の図書館のように日本十進分類法によるジャンル別オーダーにはなっておらず、意外性のある「本との出会い」が生まれることもしばしばです。もちろん蔵書データベースからPC端末で目的の本を検索することも可能です。

 このように、テレビコンテンツ(番組、CM)に対して「高度な検索性」と「偶然の出会い」を両立させた「SPIDER zero」は、とても興味深い商品です。現行品はアナログ放送のみで地デジに対応していないなど、今後改善の余地はまだまだあるようですが、テレビ視聴の常識をくつがえすほどのインパクトを持った製品であることは間違いないと思います。今後の動向に目が離せません。

記事リンク: PTP、8ch/1週間のまるごと録画が可能な「SPIDER zero」

製品ページ: SPIDER zero - 予約ゼロ、見逃しゼロのハードディスクレコーダー

[イベント] NET Marketing Forum Spring 2008

 今日は日経BP社主催のイベント「NET Marketing Forum Spring 2008」に参加してきました。

 私が聴講したセッションは、カンファレンスプログラムの中でキーノートトラックの3セッションと専門トラックBの5セッションですが、特に印象に残ったのは下記の2セッションでした。

  • 【基調講演】
    クロスメディアによるブランド経験価値の創造
    「キットカット受験キャンペーンの軌跡」

    ネスレコンフェクショナリー 
    代表取締役社長 高岡 浩三 氏

  • 【MMFキーノートパネル】
    クロスメディアで築くエンゲージメント

    パネリスト:
    Jストリーム 
    代表取締役会長兼社長  白石 清 氏
    マイスペース
    代表取締役社長 大蘿 淳司 氏

    モデレータ:
    日経ネットマーケティング 編集長 渡辺 博則

 他のセッションにも、なかなか面白いと思う部分や参考になる部分が数多くありましたが、やはり視点がミクロというか専門的になりすぎているので、セッションごとに参加するべき人が違っているように感じました。
 今回のフォーラムの副題が「クロスメディアで築くエンゲージメント」というテーマで、私の仕事とも非常にかかわりが深いので、それに関連するキーノート講演に特に関心が行ってしまったのかもしれません。
 この二つのセッションで共通して聞かれたことは、決してコミュニケーションツールとしてのマスメディアを否定するのではなく、消費者(生活者)とのエンゲージメントを深めるためのオンライン・コミュニケーションを効果的に併用していくという考え方だと思います。いわゆるマス「広告」ではないメディアおよびコンテンツを使ったクロスメディア・コミュニケーションで、より大きな消費者(生活者)の「共感」を得るということが、今後のマーケティング・コミュニケーション戦略として重要だということでしょう。

 そして、もうひとつうれしかったのはキーノートパネルの中で、白石、大蘿両氏の口から「コミュニケーション・デザイン」という言葉がキーワードとして出てきたことでした。私自身の仕事(職種)について「何をしてるんですか?」と聞かれたとき、最近は「コミュニケーション・デザイナーです」と答えるようにしています。この「コミュニケーション・デザイン」という言葉はあまり一般的ではないかもしれません。また、コミュニケーション・デザイナーと称する人も少しは居るようですが、ほぼ例外なくクリエイター出身の方です。私はクリエイター出身ではなくメディアとITのスペシャリストで、長くメディアプランナーという仕事をしていたので、デザイナーと名乗ることに最初すこし抵抗があったのです。
 しかし、今の自分の仕事を考えてみると「いろいろなコミュニケーション(B2C、B2B、C2Cなど)のシナリオを考え、枠組みをデザインする」ことに違いないのです。コミュニケーション・アーキテクチャを考えるのだから、コミュニケーション・アーキテクトでもいいかなと思いましたが、やはりコミュニケーション・デザイナーのほうがしっくりくる感じです。
 コミュニケーション・デザイナーという仕事が世の中に認められて、自分も多くの人たちに貢献できたらうれしいなと思っています。

[イベント] SSKセミナー「TVの再編成時代が来る」

 今日は、新社会システム総合研究所(SSK)主催の「TVの再編成時代が来る」と題する、ITジャーナリスト佐々木俊尚氏の講演に出かけてきました。

 放送法改正によって、NHKが受信料モデル、広告(民放)モデルのどちらでもなく、有料コンテンツ配信という収益モデルを選択しようとしていること(佐々木氏は「大道芸から木戸銭へ」と表現していました)などの話から始まった講演でしたが、メインの話題は「番組コンテンツを縛る3つの呪縛からの解放」というテーマでした。

 番組コンテンツの3つの呪縛とは、

  • 時間
  • 場所
  • 視聴スタイル

とのことですが、テクノロジーの進化によってHDレコーダーなどによる「タイムシフト」視聴は普通になってきていますし、ホームサーバーやSONYのロケフリを利用すれば「プレイスシフト」も可能な時代です。そして最後に来るのが「スタイルシフト」なわけですが、こちらも確実に進行しているようです。

 1980年代以前は、テレビと言えばお茶の間メディアだったわけですが、それが1980~1990年代には個室テレビ(一部屋一台)時代を迎え、2000年代以降はブロードバンド・インターネットの普及やワンセグ放送の開始などがあり、番組視聴のデバイスも「リビングのテレビ+個室のPC+ワンセグ携帯」というように多様化してきました。それと同時に視聴スタイルも変化しているというのが、本講演での佐々木氏の見方でした。
 まず(これは私もセミナーなどで度々言っていることですが)、大画面高画質テレビの普及によって、比較的長時間のリッチなコンテンツ(映画やハイビジョン・スポーツ中継?)はリビングのテレビでゆっくりとリラックスした状態で視聴され、PCではYouTube動画に代表されるように、画質は問題ではなく個別の「ネタ」が視聴される。「ネタ」視聴は「検索」という行動が簡単に行えるインターネットとの相性は抜群だと思います。ワンセグには佐々木氏は特に触れてはいませんでした(前半でワンセグのデータ通信は不要ではないかとの話はありました)が、強いて挙げるとすれば「マルチタスク(ながら視聴)」と「ユビキタス(携帯、ライブ性)」ではないでしょうか。

 最後に、こうした番組コンテンツの新しい視聴スタイルを、どう収益モデルに結び付けていくのかという話題になりましたが、やはり「有料課金モデル」には無理があり「広告モデル」に落ち着くのではないかということでした。広告モデルといっても今の民放モデルのように、単に番組にスポンサーをつけてCMを流すというだけではありません。そのあたりの収益モデルの可能性については、Googleをはじめインターネット関連企業でもいろいろと考え始めているようです。いずれにしても、こうした視聴者のスタイルの変化にいちばん付いて行けてないのが、当の番組を放送しているテレビ局であることは間違いないようです。

 尚、今回の講演の内容については、佐々木氏が寄稿している、日経ビジネスオンラインの連載コラム「TV2.0への道のり」をご覧になると、より深い理解が得られると思います。

[書評] ウェブ時代をゆく/梅田望夫

 梅田望夫さんの著作は「ウェブ進化論」が秀逸だったので、その後対談ものも含めて読んでいますが、この「ウェブ時代をゆく」を読んで、やっと梅田さんの考えの本質が理解できたように思います。

 この本は新書版ながら、とても内容の濃い一冊でした。私は通常、新書本は一時間程度で読み終えてしまいますが、この本を読むのにはとても時間がかかりました。といっても、内容が難解で読み取れなかったという意味ではありません。むしろ「ウェブ進化論」から続く梅田さんの著作の集大成(というよりも「中締め」と捉えたほうが、これからも急速に変化をしていく現代社会においては適切だと思いますが)として、とてもよくまとまっていて理解を助けられました。
 それでは、なぜ時間がかかったのかと言うと、この本を読むにあたり、自分の考え方や今までにしてきた選択、あるいは自分の周りで実際に起こっていることなどと、照らし合わせながら読み進んだからです。そういう意味では、今までの自分の行動(半生)を「整理」するという機会を得られて、たいへん有意義でした。

 梅田さんの著書に関しては、その中で「ネットの世界に逃げ場(安住の場所)を持つ」とか「自分より上の世代とかかわるのは時間がもったいない」などといった言い方に、若干違和感を持っていました。しかし、「ウェブ時代をゆく」を読んで誤解が氷解したように思います。
 実は、私自身も5~6年前にネットITベンチャー企業に一年間ほど在籍していた時期に、当時の若いひとたち(20代)と一緒に仕事をすることは非常に楽しく、次代を担うのはこうした人たちに違いないと確信していました。ただ、彼らが十分にパフォーマンスを発揮できるような社会をつくっていくのは、われわれの世代の役目なのかもしれないと、漠然と考えてもいました。若い世代の側について上の世代と対決するのは簡単だけれども、同世代や少し上の世代の意識改革をするというのは、若い世代には荷が重過ぎるのでわれわれの世代がやるべきことなのだと思っていたりもします。

 さて、自分自身を振り返りながら読み進んだと書きましたが、結局今は、梅田さんの言うところの「けものみち」を歩んでいます。で、それまでの自分たちの時代はどうだったのかといろいろ考えてみました。私が大学を卒業して就職した当時(80年代初め)には、まだいわゆる「高速道路」はなかったのかもしれません。ただ、終身雇用制度に乗っかった「鉄道」はあったわけです。しかし、私自身を振り返ると、就職活動をしているときには行き先に迷っていて、どの列車に乗るか決めかねていました。結局は外資系広告代理店に就職したわけですが、それは広告の仕事に特別な情熱があったからではなく、さまざまな業種のクライントと仕事ができるという期待からでした。いわば、いつでも行きたくなったところを目指す列車に乗り換えられるように、とりあえず「山手線」に乗っておこうと思ったわけです。
 そして現在の日本社会の状況はというと、列車に乗っても終着駅まで無事にたどり着けるかどうかわからないし、逆にいろいろな方向へ行ける新しい道もどんどんできてきました。しかし、その道も途中までで終わっていて、そこから先は自分で切り拓いていくしかない。そんな世の中なのだと思います。
 自分自身については、山手線をぐるぐる回りながら周りの景色がずいぶん変わっていくことに気づき、ちょっと新しくできた路線に乗って行ってみようと山手線から乗り換えて、でもその新しい路線は途中までしかできてないことがわかり、その先の敷設に尽力するか、それとも下車して歩いてみるかという選択で「けものみち」のほうを選んだわけです。

 このエントリー書いているうちに書評だかなんだかわからなくなってきましたが、梅田さんがこの本で書かれていることは、確かに若い世代にとって受け容れやすい内容かもしれませんが、梅田さんと同年代の私でも共感できる部分は多く、何もオヤジたちに理解させることをあきらめることはないのではないか、というのが感想ですね。
 オヤジだって変われるし、変わって欲しい。それは、これからの日本や世界を背負って立つ若い世代のためにも絶対必要なことだと思うのです。私は、新しい世の中を作っていこうとする人たちに対する「抵抗勢力」にはなりたくないし、実は同年代のオヤジたちも同じなのではないかと思うのです。ただ、あまりに急激に世の中が変わってしまったので、どうして良いかわからないというのが本音ではないでしょうか。
 団塊の世代と新人類世代との間にはさまれて、シラケ世代だとか三無主義だとか言われていたわれわれの世代は、実は先輩たちと後輩たちのどちらの価値観も理解できる柔軟性を持っているのではないかと思います。現在50歳前後であるわれわれの世代が、新しい世の中に対応できなくては、間違いなく日本経済は停滞してしまうと思います。そういう意味でも、同年代の理解者を増やしていきたいですね。
 そのための時間は決して無駄ではないと思うのですが、梅田さんは若い人の啓蒙活動にお忙しいでしょうから、オヤジのほうは私が面倒みましょうかね(笑)

[お知らせ] 12/20にセミナー開催します

 来る12月20日午後1時~5時、東京元赤坂の明治記念館にて、新社会システム総合研究所主催のセミナーで講演します。

 タイトルは、激変する広告メディアと最新事例から読み解く「次世代メディア・コミュニケーション戦略」です。ちょっと大げさなタイトルのようですが、それくらいメディア事情は激変しているという事実、そしてそれにどう対応していくべきかということをオーディエンスの方々に伝えられたらと思っています。

 詳細は、新社会システム総合研究所のWEBサイトでご確認ください。

[インターネット] さらにウィキペディア

 asahi.comに、またウィキペディアに関する記事が出ていました。

 米国の技術者が開発・公開した「ウィキスキャナー」で、アクセス状況を分析したところ、官庁からアクセスしての記事修正がかなり多いということがわかったそうです。
 各省庁から、都合の悪い記事の削除や省庁批判をしている議員の悪口を書き込んだりという行為が、頻繁に行われていたとのことです。

 一時期、企業が2ちゃんねるやウィキペディアの書き込みに過剰反応して、事実を曲げた書き込みをしたりということが問題になりましたが、こんどはお役所というわけですね。

 やはりウィキペディアやネット上の掲示板などは、基本的に自浄作用にまかせるべきだと思います。その内容の真偽については利用者が判断するほかないのです。ウィキペディアは、やはり自由に書き込み・修正ができなくてはいけないと思います。ここに「公共の利益の優先」なんて発想はなじまないですよね。つまるところ「みんなの意見は案外正しい」んじゃないでしょうか。

[記事リンク] asahi.com:ウィキペディア 省庁から修正次々 長妻議員の悪口も - 文化・芸能

[インターネット] ウィキペディア

 ウィキペディア(日本語版)が増殖を続けているようです。今年8月10日には項目数が40万件を超え、世界で5番目の大きさだそうです。

 ウィキペディアというと、マスコミではその内容の信頼度について取り上げられることが多いのですが、そんなことは利用者が気をつければいいだけの話であって、実はいわゆるWEB2.0を象徴するとてもすごい仕組みなのだということを、もっと世間に理解されてもよいのではと、私は思っています。
 マスメディアの人たちは、ネット上の情報なんかより新聞記事なりテレビ報道のほうが、ずっと信頼度が高い情報なのだと言いたいのでしょうが、その新聞記事を書いている記者が、ウィキペディアの情報をそのまま記事にしたというお粗末な話もありましたよね(過去エントリー参照)。

 確かに間違った情報も多々あるかとは思いますが、特定の専門家の執筆に頼っている百科事典よりも、ネット上で大勢の目にさらされているウィキペディアのほうが、うまくチェック&バランス機能が働いて偏った内容にはならない気がするのですが。 

[記事リンク] asahi.com:ウィキペディア、信頼度は?利用者急増、誤った情報も - 文化・芸能

[過去エントリーリンク] 新聞記者もネット検索で取材?

ワンセグ通販は拡大するのか

 ワンセグ携帯でTVショッピング。これを「放送外収入」アップのために強化しようと、TBSが新技術を取り入れたそうです。

 そもそもワンセグのデータ放送は、インターネットの規格とは違うので、ワンセグで番組を見てショッピングをしようとすると、今ままではWEBサイトにアクセスするために放送を見れなくなってしまいました。
 その問題を解決するために、既存のモバイルサイトのコンテンツをワンセグのコンテンツとして変換するためのゲートウエイサーバを導入。TBSショッピングの商品情報を番組の映像と同時に表示できるようにしたのだそうです。

 さて、TBSのこの作戦は成功するのでしょうか。現在ネットショッピングのモバイル(携帯電話)利用は伸びてきています。ワンセグ携帯も普及し始め、テレビ番組と連動した携帯ショッピングの需要は、それなりに期待できそうです。
 ワンセグは2008年までは、地上波とサイマル(同じ番組編成)放送です。ですから、放送局にとっては一般的な広告(CM)収入は期待できません。勝負はその後ですね。ワンセグの独自番組放送が認められるようになった時点で、どれだけ魅力的なコンテンツを提供できるか、そしてテレビショッピング番組以外で、いかに番組と関連性の高い商品(たとえばドラマで出演者が身に着けていたアクセサリーとか、使っていた小物とか・・・)をそろえて、ストレス無く買い物ができるかが決め手になるのではないでしょうか。
 今後の動きに注目していきたいと思います。

[記事リンク]通販事業の強化に注力するTBS,ワンセグ番組の充実が通販サービスの利用者数を左右?:ITpro

なぜかこちらは実名報道

 今度は博報堂子会社の前社長がセクハラで逮捕されたというニュース。以前のエントリーで、同じころに電通の室長とNHKのディレクターが、いずれも痴漢容疑で逮捕されたのに、電通室長のほうだけ実名報道されなかったというニュースをとりあげました。
 今回は業界2位の博報堂。でも地方子会社の「前」社長ということでなのか、ちゃんと実名報道されてました。

 匿名報道になるのは天下の電通だけなのか。なにか釈然としませんな。そういえば、問題を起こした学校の教師も実名が出ないことが多いですね。それはもっとおかしなことですよね。まあ、電通の社員が痴漢したからって別に関心ないですけど、公務員である学校の教師となると、もうこれは公益が個人の権利より優先されるべき事例の筆頭だと思うのですが、なぜか実名が明かされないですね。子を持つ親としては納得いかないです。

[ニュースリンク] asahi.com:女性にわいせつ行為 博報堂子会社前社長を容疑で逮捕 - 社会

[過去エントリーリンク] ネット報道にも電通の圧力?

ブログ分析で商品評価?

 多数(約300万)の個人ブログの内容を分析して、商品やブランドが消費者にどのように評価されているかを調査・分析する事業を、博報堂が始めるそうです。
 一般消費者の声を集めて分析するのに、ブログやSNSでの個人の発言を解析するというのは有効な手段のひとつだと思います。それをひとつのサービスとして大手広告代理店が行うのは、必然的な流れでしょうね。

 インターネットの普及で、デジタル化されたテキストデータが容易に収集できるようになり、以前に比べて分析しやすくなりました。テキストマイニングについては、7~8年前から各社のツール(ソフトウェア)を検証するなど、私自身いろいろと模索をしてきましたが、やはり正しい分析を行い役に立つアウトプットを導き出すには、どうしても人力が必要です。
 今回の分析ソフトはNECなどが提供しているようですが、すべてをコンピュータにまかせてオートマティカルに結果を出すというのは無理でしょうから、このサービスを成功させるには、優れた分析力・洞察力を持った人材をどれだけ確保できるかと、レポートのスピードをどこまで上げられるかが鍵になるのではないでしょうか。

 ちょうどこのタイミングで、自分も仕事でWEB調査結果のテキストマイニングによるレポートをしなければならない案件があり、なかなか苦労しています。でも、面白いですよ。

[ニュースリンク] 博報堂、ブログ分析で商品評価 インターネット-最新ニュース:IT-PLUS

[ニュースリリース] 博報堂、最新型のブログ情報分析サービス「Topic Finder(トピック・ファインダー)」を開発、運用開始

ネットの有料動画配信は消えるのか?

 グーグル(米)が有料動画配信サービスを廃止するそうです。動画共有サイトのYouTubeを買収したことで、どうも事業の整合性がとれなくなったようですね。

 そもそも、ネットの有料動画配信サービスって利用者はどのくらいいるのでしょうかね。そういえば、私も「Show Time」の会員登録していて、月々280円を自動で引かれていると思うのですが、最近ほとんど利用したことがありません。もったいないので早く解約したほうがいいですね。
 自分のことを考えてみても、ネットで見る動画はどんなに長くても10分以内くらいのものまでです。ですから、有料動画配信サイトを利用することはほとんどなく、YouTubeとかで簡単に見られる動画しか見なくなりました。

 そこで、有料動画配信サイトの可能性について、自分がどうして最近利用しなくなったのかという視点から少し考えてみました。その結果思いついたのは次の2点でした。

1. PC画面の前では気分を「娯楽モード」に切り替えにくい

 これは私が仕事でPCに向かうことが多いからかもしれませんが、テレビ画面を見るのと違い、PCモニターの前ではなかなか長尺の動画を見る気分になりません。
 PCからインターネットに接続している場合は、どうしても何か情報を「探す」モードになっているので、ゆっくりと動画を楽しむ感じではないのかもしれません。
 ネットTVのようなデバイスが普及すれば(コンテンツがどういう経路で配信されているかを意識しなくなれば)、動画の有料ネット配信も復活するかもしれませんね。でも、今現在はテレビの有料チャンネルにお金を払うほうが、私はいいですね。お金を払ってまでネットで動画を見たいとはあまり思いません。

2. 動画はやっぱり誰かと共有(共通体験)したい

 動画って誰かと共有したくなりませんか。テレビやビデオなら誰かと一緒に見ることも出来るけど、PCの画面で見るときはだいたいひとりでしょ。YouTubeの動画なら「こんなのあったよ」って友達と共有できるけど、有料動画配信サイトだとそうは行かない。なにか、そんなことも関係してるのかなとも思います。
 学校で友達と前日のテレビ番組について話題にしたりとかってあったと思うのですが、やはり動画コンテンツというのは共通の話題というかコミュニケーション・ツールとして使いやすいのでしょう。

そういうふうに考えてみると、有料動画配信サイトというのは今の形のままでは生き残れないのではないかと思います。
 

[ニュースリンク] NIKKEI NET(日経ネット):主要ニュース-米グーグル、有料動画配信を廃止

ビールがおいしい季節になりました

吾輩はビールである

 昨晩は、アカデミーヒルズ六本木ライブラリーのライブラリートークに参加してきました。今回のテーマは、今の季節にマッチした「ビールをおいしくのむ講座」でした。

 この講座は、アサヒビールお客様生活文化研究所のみなさんを講師にお招きして行われました。まずはビールの歴史講座からはじまり、原料やビールの種類のお話、ビールと健康についてなど、とても興味深い内容を「ハピ研」研究員のDr.タマさんあから一時間ほど聞かせていただきました。
 そして、いよいよお待ちかねの「ビールのおいしい飲み方実演講座」が始まりました。最初に実演を見せてくださったぶらりあん研究員もかなり緊張ぎみ?でしたが、結果は大成功!とてもおいそうにビールがグラスに注がれました。私たち参加者も、教えていただいたポイントに気をつけながら、用意してくださったスーパードライをさっそくクラスに・・・みなさんおいしいビールをいただくことができたようです。

 アサヒビールお客様生活文化研究所では、とても楽しいウェブサイト「ハピ研 青山ハッピー研究所」を運営していて、「毎週アンケート」「ハピブログ」などの企画を通して、消費者(生活者)とのコミュニケーションを図っているそうです。しかし、今回のようなリアルなコミュニケーションは(ビールを飲んでいることもあって)、さらにメーカーさんを身近に感じることができる良い機会ですね。B2Cコミュニケーションのひとつの形として、面白い試みをされているアサヒビールお客様生活文化研究所には、今後も注目していきたいと思います。

 この日の講座については「ハピブログ」のエントリーにも紹介されていました。企業ブログは管理が大変だとは思うのですが、やはりコメントやTBを受けるともっと消費者とのコミュニケーションが深まると思います。そのあたりは今後に期待ですね。

Webサイトの広告メディアとしての価値

 インターネット広告は既存マスメディア広告に比較して、その額ではまだまだ小さいのですが、伸びの勢いは衰えず多くの広告主が注目しています。

 そのインターネット広告を掲載する、ウェブサイトの広告メディアとしての価値をどのように測るかという課題は、多くの広告主にとっても関心の高いところです。
 いくつかある指標の中でも、現在最も一般的に使われているのが「ページビュー(PV)」と呼ばれるもので、ウェブサイト上のあるページが何回表示されたかという数字です。
 例えば、月間100万PVというページがあって、そこに広告主4社がローテーションでバナー広告を掲載すると、1社あたり月間25万回広告が表示されることになります。仮に広告料金が月額50万円だとすれば、一回表示あたりのコストは2円となり、その単価を見て高いか安いかという評価をしたりします。
 しかし、PVでは一瞬そのページを開いただけでも、じっくりそこに滞在していても、同じ一回に数えられてしまうなど、いろいろな部分で不十分だということで、以前からそれに代わる指標というものが論じられていました。

 さて、今回の話題は世界で最大のネットアクセス調査会社であるNielsen//NetRatingsが、PVに代わる指標として、Webサイトの総滞在時間や総セッション数(総ビジット数)などの新たな測定手法を採用するとし、今後PVのカウントはするもののランキングは公表しないと発表したことに始まりました。
 そして日本においてもネットレイティングスが今日、新しい指標によるランキングを発表しました。日本で発表されたのは「総利用時間」によるランキングですが、それによるとYouTubeをはじめとする動画サイトが、PVでのランキングよりも大きく順位を上げています。さらには、ウィキペディアや2ちゃんねるといったサイトも同様の傾向にあります。

 さて、発表された結果については下記のリンクをご覧いただくとして、Nielsen//NetRatingsという大手が新しい指標を導入することについては、さまざまな意見があるようです。
 ただ、Webサイトに限らず広告メディアの価値を評価する際に、どの評価指標が優れているのかを議論し、ひとつの共通指標を設けようとすることは、私に言わせればナンセンスで時間の無駄です。なぜなら、メディアホルダーは自分たちに都合の良い指標を広告取引のカレンシーにしたいわけで、それを無理やり統一することは難しいと思うからです。

 私は予て(10年くらい前)から、すべての広告枠はオープンマーケットで取引されるべきだと論じてきました。
 例えば、テレビのスポットCM枠の取引におけるカレンシーは主に世帯視聴率です。つまり世帯視聴率1%あたりいくらという値段での取引が一般的です。しかし、中にはCM1本いくらとか、正価に対する割引率がいくらとかといった値付けがされるケースもあります。しかもワンプライスではなく、取引相手によって値段が違うのが普通です。
 また、同じCM枠であっても買い手にとっての価値はそれぞれ違うはずなのですから、それならば株式市場のような公開市場での取引で値段が決まっていくほうが、ずっと公平、公正な取引が行われるのではないかと思っているのです。

 というわけで、Webサイトの広告メディアとしての価値も、特定の指標のよるのではなくオープンなマーケットで評価されていくのがベストではないかと考えています。
 特にテレビなど既存のマスメディアに比べ、インターネット広告はオンライン・マーケットプレイスなどで扱いやすいメディアではないかと思います。
 オープンマーケットでの広告取引というお題は、またいずれ詳しくお話したいと思います。

記事リンク: Webサイトの価値をページビューの時代は終わったのか? - ビジネススタイル - nikkei BPnet

ニュースリンク: asahi.com:動画やCGMサイトが上位、利用時間による新ランキング  - ビジネス

リリースリンク: ネットレイティングス株式会社:ネットレイティングス、「総利用時間」による日本のウェブドメインランキングを算出

TBSが子会社を通じた動画共有サイトを開設へ

 TBSは子会社で三井物産との共同出資会社である「TMモバイル」を事業会社化し、社名を「TBSディグネット」に変更。同時に両社が増資を実施したそうだ。今後はTBSのデジタルメディア戦略の中核子会社として、放送・通信連携事業を推進するとのことです。

 TBSディグネットが計画している新事業の中でも、注目されているのが動画共有サイトの開設です。YouTubeなどの既存の動画共有サービスを使用せず、自社の子会社を通じてネットへの動画配信を始めようとするのは、テレビ放送との競合を避け、さらには系列ローカル局制作のコンテンツを囲い込むことで、ネットワークの求心力を維持しようという意図もあるようです。

 現行の地域(都道府県あるいは広域ブロック)単位の放送免許制度のもとでは、ローカル局の優れたコンテンツが埋もれてしまうということもあり、インターネットでのそうした番組配信というのは、ある意味では好ましいことだと思います。
 しかしながら、インターネットでのテレビ番組配信における出演者等の契約(著作隣接権)問題の議論は、まだまだ続きそうですし、有料配信か無料配信(広告ビジネスモデルが成立するのか)かという点でも、今後に注目していきたいと思います。

[関連記事リンク] 子会社を通じて動画共有サイトを開設するTBS,放送との競合を避けた選択:ITpro

MXテレビとYouTubeの提携

 MXテレビ(東京メトロポリタンテレビジョン)が米グーグルと契約し、公式に自局制作のニュース番組などのYouTubeでの配信を開始したそうです。(MXテレビのニュースリリースはこちら

 MXテレビといえば「blog TV」という番組を持っていて、すでに一年ほど前からYouTubeほかのインターネットで動画配信をしていますが、YouTube(日本語版)内に独自にブランドチャンネルを持ったということは、これからの放送とネットを結んだビジネスモデルを考える上でも意味があると思います。

 放送局は地域免許制になっていますから、東京都だけをサービスエリアとする県域局であるMXテレビが、番組のインターネット配信をするというのは面白いですね。
 特にニュース番組は、ひとつひとつのニュース(1~2分程度)にバラして配信しているので、YouTubeを通してオンデマンドで見るには便利です。

 テレビ局がインターネットで番組配信をすることについては、いろいろな意見がありますし、インターネット配信に向いている番組コンテンツとそうでないものがあったりとか、そもそも「放送」って何なのかなど、議論の幅は無限に広がってしまうので(そのネタだけで一冊本が書けます)、私の見解もこれから徐々にお話したいと思います。

リンク: asahi.com:国内地上波で初 東京MXテレビ、ユーチューブと提携 - 文化・芸能

リンク: GIGAZINE:国内地上波初、東京MXテレビがYouTubeと提携

新聞記者もネット検索で取材?

 インターネットの普及、特にWEB2.0時代を迎えてマスメディア報道の権威が大きく揺らいでいるということが、よく言われていますが、それを象徴するようなニュースを発見しました。

asahi.comの記事によると---------------------

 静岡新聞は、朝刊1面のコラムで出典を示さずにインターネットの百科事典サイト「ウィキペディア」から記述を引用したとして、5日付紙面に「お詫(わ)び」を掲載した。「不適切な行為で、読者と関係者の皆さまにおわび申し上げる」としている。

--------------------------ということなのですが、

 これは単に新聞記者の怠慢ということでは片付けられない問題だと思います。インターネット以前の時代を振り返ると、新聞やテレビといったマスメディアの報道する情報には、一般人が普通に生活していては知り得ない情報がたくさんあったわけです。ですから、それなりにマスメディア報道には「権威」があったのです。
 しかし、今日ではインターネットで検索すれば、多くの情報を簡単に得ることができます。マスメディアの報道より先に、一般人のほうがネットからの情報で知っていたということも多々あるわけです。ですから、ネットで簡単に検索できるような情報(今回のウィキペディアなんか典型的ですよね)を、わざわざ新聞の記事にして有料で提供するなんて、新聞社もずいぶんと読者をバカにしたものです・・・
 というのが、このエントリーを読んでいらっしゃる皆さんの感想だと思いますが、ふだんネットに接する機会の少ない読者(高齢者など)にとっては、記者がインターネットから取材してきてくれた情報を、彼らにとって身近なメディアである新聞の記事として読めるというのは、それなりに意味のあることではあると思います。もちろん出典を明らかにすべきことは言うまでもありませんが。

 でもね、やはりこのままではネット世代の新聞離れは食い止められないですよね。新聞にしてもテレビにしても、マスメディアがこの先斜陽産業と言われないためには、インターネットにはない独自の強みを見つけて、そこにビジネスをフォーカスして行くことが必要だと思います。

リンク: asahi.com:静岡新聞「不適切な引用」でおわび ウィキペディアから

ヤフーは日本人好み?

 ネットレイティングスが発表した6/25付リリースによると、ヤフー・ジャパンの5月の月間ページビューが318億PVとなり、米ヤフーの316億PVを抜いて世界第1位となったそうです。家庭からの利用者数(延べではなくユニーク・ユーザ数です。多分)でも前年同月より10%増え、初めて4000万人を超えたそうです。これを日本全国の推定インターネット利用者数全体から見ると、なんと88%のリーチとなるそうで、実に日本のインターネット利用者の9割が、1ヶ月間にヤフー・ジャパンの運営するなんらかのページを訪問したことになります。
 利用者数の昨年対比の伸び率では、グーグルが58%と圧倒的な成長を示していますが、それでもヤフー・ジャパンの6割にも及びません。ほんとに、日本でのヤフーの存在感は大きいですね。

 それでは、なぜ日本でこれほどヤフーが強いのかというと、いろいろな要因が考えられます。

  • 日本語対応の検索サイトとしては最初に浸透し、大きな競争相手がいなかった
  • 親会社であるソフトバンクが、日本向けの独自の展開をした
  • 多くのエントリーユーザーが最初のポータルサイトとして利用した

などなど、いろいろあると考えられますが、私が思うにヤフーのシステムは日本人の思考にマッチしているという点が一番大きいのではないかと思います。どういう点かというと、

  • 秩序ある分類(ディレクトリー型)の検索システムが好き
  • 自分であれこれ探すより、だれかに道案内してもらうほうが楽だ
  • みんなが使っているから良いに違いない
  • ひと通りの便利ツールがそろっているし、あえてポータルを変えるのは面倒

などという、日本人らしい理由があるのかなと思うのです。

さて今後、日本においてグーグルがヤフーを追い越す日は来るのでしょうか。

リンク: asahi.com:ヤフー・ジャパン、5月のPV数世界一に 米ヤフー抜く - ビジネス

通信と放送、融合へ法整備

 総務省の「通信・放送の総合的な法体系に関する研究会」による中間報告の内容が明らかになったようですが、どうもスピード感がないですね。
 電気通信事業法や放送法などそれぞれの法律による規制で、現実社会では通信と放送の融合というのは技術的にも、実生活の上でもどんどん進んでいるのに、法整備だけが後手に回っているという印象を受けます。

 楽天とTBSの問題もまた話題になっていますが、そもそも楽天は通信事業を柱にした会社ではないので、これは「通信と放送の融合」とは若干異なるケースですね。本来の通信事業者(例えばKDDIとか)が放送事業者との融合を図ることが出来れば、これはかなり面白いのではないかと思います。テレビ局が認可事業という保護の上に胡坐をかいていられる時代は、もうそろそろ終わってもよいのではないでしょうか。

リンク: NIKKEI NET:経済ニュース.

またまた見てしまいました

 アサヒ・コムでまた見てしまいました、不祥事記事と広告の同載。今回は日産自動車の個人情報流失記事の横に「フーガ」の広告が・・・
 これって、どうしても避けられないものなのでしょうかね。おそらく広告掲載申し込みにあたって、新聞社側は「報道の使命」を理由に免責事項として謳っているのでしょうけどね。ある意味では、企業が妙な隠し事はできないということで、良いことなのかもしれません。でも、広告と同載されてしまうというのは、なんとも皮肉な事態ですね。

ニュースサイトでこんな珍事

 今朝、アサヒ・コムの記事を見ていたら、ちょっとした珍事に遭遇しました。実は、見てしまったんです(笑) 下記のリンク・ページで記事の右に掲載されていた大型広告が、なんと大京ライオンズマンションの「夏の最新物件ラインアップ」という広告だったんです。
 通常、新聞記事やテレビ・ニュースであれば、事前に内容がわかっている場合、関係する企業の広告は、記事と同載されないように調整します。記事更新が頻繁なニュースサイトでは、掲載のタイミングもあって、なかなか調整が難しいのでしょうね。
 その後、この広告はVISAのものに差し替わっていましたが、朝7時台の記事ということもあって、しばらくの間この記事と訴訟を起こされた企業の広告が同載されていたのだと思います。
 実はネット広告にも落とし穴が・・・といったところでしょうか。

リンク: asahi.com:「セレブ」なのに、1年余で値下げ 住民ら大京など提訴-社会

ネットプライス

アーク都市塾のゲスト講師として講演された佐藤社長のご紹介で、ネットプライス社を訪問しました。毎週700種類の販売品目を入れ替え一週間で売りつくすという、すごいネット販売ビジネスを運営している会社です。オンライン・ショッピングは対面販売とちがい、売り手と顧客がお互いの顔を見ることができません。しかし、ネットプライスは「買い物ほど面白い遊びはない」というコンセプトのもと、顧客にショッピングのエンターテインメント性を提供し、そのかわりに顧客のさまざまな暗黙知を引き出しています。これは使える!と思いました。何にって?決まってるじゃないですか。私のコンサルねたにです(笑)