[イベント] マイケル・ポーター教授の講演
今日は、急遽友人から招待枠に空きが出たので行かないかと誘われ、法政大学経営学部創設50周年記念事業のひとつである、マイケル・ポーター教授特別講演会「企業戦略 -新たな知見- ( Company Strategy: The New Learning )」を聞きに行ってきました。
マイケル・ポーター教授と言えば、競争戦略などの経営理論で超有名なので、ご存知の方も多いと思います。私は大学では経済学を専攻していたので、学生時代はポーター教授のことも競争戦略の理論も知りませんでした。当時は、サミュエルソンの「経済学」なんかが経済学科の学生にとってのバイブルだったりして、どちらかと言うとマクロ経済学への関心が高かったように思います。
その後、広告会社に就職してマーケティングなんかを学ぶようになって、初めてマイケル・ポーター教授の名前を知りました。で、同行した友人とも話していたのですが、私たちの中では教科書に出てくるシュンペーターとか、経営学の始祖ドラッカーとかと同じようなイメージで、失礼ながら「マイケル・ポーターってまだ生きてたんだ」くらいの感じで「過去の人」的な位置づけになっていました。
しかし、実際のポーター教授はとてもお若く(事実私と一回りも違いません)、今回の講演を聞いて、過去の偉業に胡座をかくことなくまだまだ進化を続けている教授に対して、あらためて尊敬の念を抱きました。そうそう、ポーター先生はTwitterのアカウントもお持ちです。やはり優れた人というのは、いくつになっても探究心旺盛で進化をし続けるんでしょうね。
さて、前おきはこのくらいにして、ポーター教授の講演の中身について触れておきたいと思います。体系的な要約ではなく、いつものように私が気になったポイントを列挙して、ショートコメントをつけていく形でレポートします。
- 今求められる競争戦略
-「競合と同じ土俵でBESTを目指すのではなく、UNIQUEなポジションをとることで、ゼロサムゲームから脱却し新たな利益を生む事ができる」
⇒「勝ち組、負け組」の時代は終わってる。UNIQUEポジションっていうのは、言い換えればブランドによる差別化が必要ということでもあるのかな。 - 「戦略」についての誤解
-戦略とは、特定の一連の行動を指す以上のものだ
-戦略とは、大志や野望といったものともちがう
-戦略とは、ビジョンと同じでもない
⇒たしかに「戦略」ってよく「戦術」や「ビジョン」と混同されるよね - 並外れた成果を達成するためには?
-効率を重視してベストプラクティスを追求したところで、同じ事を「better」にやっているにすぎない
-戦略的ポジショニングによるUNIQUEさとは、(今までとは)異なるニーズにマッチするように、異なるやり方でやるということ
⇒今まで何回も言ってきているけど、過去のベストプラクティスに学んでも、結局はそれを大きく超える事はできないのに、なぜみんな(特に日本企業は)こだわるんだろう。カイゼンは所詮改善であってイノベーションを生まないのだ。 - トレードオフ
-万人を満足させようというのは戦略とは言えない。何を「しない」かをはっきりさせることも重要だ
-その商品は一部の顧客をがっかりさせるかもしれないが、中心顧客に対しては極度の満足を提供できる。それが戦略だ。
⇒まさにそうのとおりです。だからFMCGメーカーが価格競争で疲弊している。こんな状況だからこそ、中小企業ブランドが育つチャンスもあるのだと思います。IKEAの例が面白かったのですが、機会があればセミナーのときにでもお話しします。 - 正しい「戦略」を考える際の落とし穴
-「戦略」を正しく理解していない(誤解)
-昔ながらの業界の常識・知恵
-顧客(の要望を満たすことは戦略ではない)
-不適切な目標設定、成果測定法
-意見の一致(コンセンサス)を追求する
-株主を喜ばせようとする
⇒いろいろありますねぇ、落とし穴。どれも陥りやすい罠です。要するに近視眼的になってはいけないし、経営者のリーダーシップが求められるということだと思います。 - CSRについて
-外部圧力(国の政策的なものとか)は企業にとって悪いとばかりは言えない。上手に社会との関係を構築して競争優位に結びつける企業もあるし、制限のある中で利益を生み出そうと努力するところにイノベーションが生まれることもよくある。
⇒こういう発想の転換は重要ですね。鳩山さんのマイナス25%宣言も、産業界は反発するばかりではなく、イノベーションを起こすチャンスととらえて、日本の民間企業パワーを見せて欲しいものです。
以上ざっと、関心を持ったところだけをつまんだのですが、ポーター教授の講演は150分に及ぶもので、ほんとうに貴重なお話をうかがえて満足しました。
全体的な感想は、UNIQUEとかトレードオフとかの話を聞いていると、ブルーオーシャン戦略とも近いように思いました。また、最近ずっとセミナー等で私が言っていることも、方向性としては間違っていないようだと確認できたので、その点も収穫でした。今後のセミナーでは、もしかしたら「かのマイケル・ポーター教授もおっしゃっています・・・」なんて喋ったりして(笑)






































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